SQLインジェクション:データベースを脅かす危険な攻撃
- SQLインジェクションとはインターネット上のサービスの多くは、情報の管理にデータベースを用いています。データベースは、顧客情報や商品情報など、ウェブサイトの運営に必要な様々なデータを蓄積・管理する役割を担っています。こうしたデータベースを操作する際に使われる言語の一つにSQLというものがあります。SQLを使うことで、データベースに対してデータの検索、追加、更新、削除といった操作を行うことができます。SQLインジェクションとは、このSQLの仕組みを悪用した攻撃手法です。ウェブサイトやアプリケーションには、ユーザーが情報を入力するためのフォームが設置されていることがよくあります。例えば、会員登録画面のユーザー名やパスワード入力欄、商品検索のキーワード入力欄などが挙げられます。攻撃者は、これらの入力欄にSQL文の一部を紛れ込ませることで、データベースに対して本来とは異なる操作を強制的に実行させてしまいます。例えば、ユーザー名入力欄に「' OR '1'='1」という文字列を入力したとします。これはSQL文の一部であり、「'」で囲まれた部分は文字列として扱われます。この場合、データベースは「ユーザー名が空であるか、'1'='1'を満たすユーザーを探す」という命令として解釈してしまいます。'1'='1'は常に真となるため、データベースはユーザー名に関わらず全てのユーザー情報を取得してしまう可能性があります。SQLインジェクションの被害を防ぐためには、ウェブサイトやアプリケーションの開発者が適切なセキュリティ対策を講じることが重要です。具体的には、ユーザーからの入力内容を適切にチェックする、SQL文を動的に生成するのではなく、あらかじめ安全な形に整形しておくといった対策が有効です。