WAN

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IT

SD-WAN:ネットワーク進化の鍵

- ネットワーク仮想化の新潮流 近年、企業のIT戦略において、「SD-WAN(Software Defined WAN)」という技術が注目を集めています。 従来の広域ネットワーク(WAN)は、物理的な機器同士を接続して構築するため、構築や変更に時間と費用がかかるという課題がありました。また、変化の激しいビジネス環境において、ネットワークの柔軟性や俊敏性が求められるようになり、従来型のWANでは対応が困難になりつつありました。 そこで登場したのがSD-WANです。 SD-WANは、ソフトウェアによってネットワークの構築や制御を行う技術です。 従来の物理的なネットワーク上に、ソフトウェアによって仮想的なネットワークを構築することで、柔軟性や効率性を大幅に向上させることができます。 例えるなら、コンピュータ上で仮想マシンがハードウェアを仮想化するように、SD-WANは物理ネットワーク上に仮想ネットワークを構築する技術と言えるでしょう。 この技術によって、企業はネットワークの構築・運用を効率化し、コスト削減やビジネスの俊敏性向上を実現できるようになります。
IT

情報社会の基盤、バックボーンとは?

- 情報通信の要 現代社会において、情報通信は人々の生活や経済活動を支える重要な役割を担っています。インターネットや携帯電話など、誰もが当たり前のように利用している情報通信サービス。これらのサービスを、舞台裏で支えているのが「バックボーン」と呼ばれる存在です。 バックボーンとは、膨大な量のデータを高速で伝送するための、いわば情報通信の幹線道路ともいえるものです。インターネットで例えるならば、私たちが普段利用する道が「アクセス回線」だとすると、バックボーンは情報を高速で運ぶ「高速道路」に当たります。 このバックボーンが大容量かつ高速であることによって、私たちはストレスなくインターネットや携帯電話を利用できるのです。もし、バックボーンの容量が不足したり、速度が遅くなったりすると、Webサイトの閲覧に時間がかかったり、動画がスムーズに再生されなかったりするなど、様々な支障が生じることになります。 このように、普段はあまり意識することのないバックボーンですが、情報通信を支える重要な役割を担っています。現代社会において、情報通信は電気やガス、水道と同じように、必要不可欠な社会インフラの一つと言えるでしょう。
プロトコル

広域を高速で繋ぐ、広域イーサネットとは?

- 広域イーサネットの概要広域イーサネットとは、従来、企業や組織内の限られた範囲で使用されてきたイーサネット技術を、より広範囲なネットワークである広域ネットワーク(WAN)に適用した技術です。 イーサネットは、その高速性、信頼性、低コスト性から、オフィスや家庭内などのローカルエリアネットワーク(LAN)で標準的に利用されています。この技術は、シンプルな構造で、導入や管理が容易であることも大きな特徴です。 広域イーサネットは、この実績のあるイーサネット技術を応用し、地理的に離れた拠点間を繋ぐことで、広範囲にわたるネットワーク構築を可能にします。従来のWAN技術と比較して、高速なデータ通信、信頼性の向上、コスト削減などのメリットがあり、近年、多くの企業から注目を集めています。 従来のWANは、専用線やフレームリレーなど、イーサネットとは異なる技術が用いられてきました。しかし、これらの技術は高価であったり、速度や柔軟性に課題を抱えていました。広域イーサネットは、これらの課題を解決し、企業ネットワークに革新をもたらす技術として期待されています。
ITシステム

ビジネスを拡大するマルチサイトとは

複数の事業所を持つ企業にとって、それぞれの拠点をどのように繋いでいくかは、業務効率やコストに大きく影響する重要な課題です。遠隔地に点在する拠点を持つ場合、各拠点がそれぞれ独立したシステムで運用していると、情報共有の遅延や重複入力による非効率性が発生しやすくなります。また、システムの維持管理や更新作業も拠点ごとに発生するため、大きな負担となります。 このような課題を解決するのが、複数の拠点をネットワークで繋ぎ、システムやデータを一元管理する「マルチサイト化」です。 マルチサイト化には、拠点間のコミュニケーションを円滑にする、情報共有のスピードと精度を高める、システムの一元管理によるコスト削減、災害時などのリスク分散など、多くのメリットがあります。 例えば、顧客情報や在庫状況をリアルタイムで共有することで、顧客対応の質向上や、受発注業務の効率化に繋がります。また、システムの運用管理を一元化することで、管理コストの削減だけでなく、セキュリティレベルの向上も期待できます。 マルチサイト化は、企業の規模や業種に関わらず、多くの企業にとって、業務効率化や競争力強化に繋がる有効な手段と言えるでしょう。