Spool

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ITシステム

処理を効率化する「スプール」とは?

- スプールの意味「スプール」とは、コンピューターが処理を効率的に行うために、処理速度の異なる装置間でデータをやり取りする際に、一時的にデータを保管しておく場所や仕組みのことです。この言葉は、英語で「糸巻き」を意味する「spool」から来ています。糸巻きに糸を巻き取っておくように、データを一時的に保管しておく様子に似ていることから、このように呼ばれています。例えば、プリンターで文書を印刷する場合を考えてみましょう。コンピューターは高速で処理を行いますが、プリンターはそれよりも低速で印刷を行います。もし、コンピューターからプリンターに直接データを送ると、処理速度の違いによってプリンターがデータを受け取れない、あるいはコンピューターの処理が滞ってしまう可能性があります。そこで活躍するのが「スプール」です。コンピューターはプリンターにデータを送る前に、スプールと呼ばれる場所に印刷データを一時的に保存します。そして、プリンターはスプールに蓄えられたデータを読み込みながら、自分のペースで印刷を進めていきます。このように、スプールを介することで、コンピューターとプリンターはそれぞれの速度で処理を行うことができ、結果として全体の処理速度の向上につながるのです。スプールはプリンターだけでなく、ハードディスクやメモリなど、処理速度の異なる様々な装置間でデータの受け渡しをスムーズに行うために利用されています。 「スプール」は、コンピューターを支える重要な仕組みの一つと言えるでしょう。