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インシデントとは?その意味と重要性を解説

- インシデントの意味「インシデント」とは、普段利用しているシステムやサービスに何らかの問題が生じ、本来提供されるべき機能や品質が損なわれてしまう出来事を指します。もっと分かりやすく言うと、普段通りに動かない、あるいは本来とは違う動きをしてしまう状態のことです。例えば、誰もが利用するインターネットサービスや、企業が業務で使うシステムなどが突然停止してしまったらどうでしょうか。あるいは、個人情報や機密情報が外部に漏れてしまったら? これらは全て「インシデント」の例です。「インシデント」と混同しやすい言葉に「アクシデント」や「ハプニング」がありますが、これらの言葉は、予期せぬ出来事や偶然起きた出来事を広く指すのに対し、「インシデント」は情報システムやサービスに限定された言葉です。さらに重要なのは、「インシデント」は単なるシステムの不具合やトラブルではなく、事業活動や情報セキュリティに重大な影響を及ぼす可能性がある点です。企業にとっては、顧客に対するサービスの提供が遅延したり、停止したりすることで信用を失墜させ、経済的な損失を被る可能性もあります。また、情報漏えいは、企業の信用問題だけでなく、法的責任や社会的制裁を受ける可能性も孕んでいます。このように、「インシデント」は企業にとって決して軽視できない問題であり、その発生を予防するための対策や、発生した場合の適切な対応が求められます。
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ITIL入門:基礎知識と導入のメリット

- ITILとは ITIL(アイティル)は、"Information Technology Infrastructure Library"の略称で、情報技術のインフラストラクチャをどのように管理すべきかをまとめた枠組みです。具体的には、顧客や利用者に安定して質の高いITサービスを提供するための、様々な手順や業務プロセス、ベストプラクティスが体系化されています。 ITILは、1980年代にイギリス政府が、乱立するITシステムの効率的な運用を目指して作成したものが始まりです。その後、時代の変化に合わせて改訂を重ね、現在では世界中の企業や組織で広く活用されています。 ITILは単なる知識体系ではなく、実務に適用可能なガイドラインとして設計されている点が特徴です。そのため、ITILの知識を習得し、実践することで、組織はITサービスの品質向上、効率化、コスト削減といった効果を期待できます。また、共通のフレームワークを用いることで、組織内のコミュニケーションが円滑になり、担当者間での認識齟齬を防ぐことも期待できます。 現在では、ITILの知識やスキルを証明する資格試験や、実践的なスキルを習得するための研修も数多く提供されています。