IT戦略

記事数:(5)

クラウド

企業IT戦略の要!クラウドファーストとは?

- クラウドファーストの定義「クラウドファースト」とは、企業や官公庁などが新しい情報システムを導入したり、今までのシステムを新しくしたりする際に、最初にクラウドサービスの利用を検討する考え方のことです。従来は、サーバーやネットワーク機器などを自社で所有・管理する「オンプレミス型」が主流でしたが、クラウドファーストでは、まずクラウドサービスを優先的に検討します。クラウドサービスを優先的に検討することで、企業は様々なメリットを得られます。例えば、初期費用を抑えられる、システムの導入期間を短縮できる、運用管理を専門業者に任せられる、といった点が挙げられます。従来のオンプレミス型では、高額なサーバーやネットワーク機器を自社で購入する必要があり、導入までに時間もかかっていました。また、システムの運用管理も自社で行う必要があり、専門的な知識や人員が必要でした。一方、クラウドサービスでは、必要な時に必要なだけサービスを利用できるため、初期費用を抑えられます。また、導入期間も短く、専門的な知識がなくても簡単に利用できます。さらに、運用管理もクラウドサービス提供事業者が行うため、企業は本来の業務に集中できます。このように、クラウドファーストには多くのメリットがあるため、近年、多くの企業で導入が進んでいます。
IT

e-Japan戦略:日本のIT化を推進した国家戦略

21世紀が始まったばかりの頃、日本は世界に先駆けて情報技術の革命の波に乗り、情報技術の先進国としての揺るぎない地位を築こうとしていました。そのために、2001年1月、当時の内閣総理大臣をトップとするIT戦略本部が「e-Japan戦略」を決定しました。これは、5年という期間内に日本を世界で最も進んだ情報技術国家にするという、意欲的な目標を掲げた国家戦略でした。 「e-Japan戦略」では、電子行政の実現、情報通信技術を駆使した産業の活性化、国民のITリテラシー向上など、様々な取り組みが計画されました。具体的には、行政手続きのオンライン化、学校へのインターネット接続環境の整備、電子商取引の促進などが推進されました。 この戦略によって、日本はIT分野において大きな進歩を遂げました。しかし、計画通りに目標を達成することはできませんでした。その要因としては、IT技術の進化の速さや、規制緩和の遅れ、国民のITリテラシーの向上などが挙げられます。 「e-Japan戦略」は、目標を完全に達成することはできませんでしたが、日本の情報化社会の進展に大きく貢献しました。そして、その後のIT戦略の礎となりました。今日、日本は世界最先端のIT国家を目指して、新たな挑戦を続けています。
IT

企業の未来を担うCIOの役割

- CIOとは CIOとは、最高情報責任者と訳される「Chief Information Officer」の略称で、企業の情報戦略の全責任を担う役職です。情報通信技術が、企業活動において欠かせないものとなっている現代において、CIOは企業の成長戦略を担う重要な役割を担っています。 CIOの役割は多岐に渡り、社内の情報システムの構築や運用、情報漏洩やサイバー攻撃から企業を守るためのセキュリティ対策、蓄積されたデータの分析に基づいた経営判断の支援など、広範囲に及びます。 具体的には、企業の経営戦略に基づき、情報システムをどのように活用するのか、その全体像を描き、具体的な計画を立案します。そして、その計画に基づき、必要なシステムの導入や開発を指揮し、円滑な運用体制を構築します。 また、情報セキュリティ対策においては、顧客情報や企業秘密など、重要な情報の漏洩を防ぐためのセキュリティポリシーの策定や、システムへの不正アクセス対策、従業員へのセキュリティ教育なども担当します。 さらに、近年では、企業活動を通して蓄積された膨大なデータを分析し、新たなビジネスチャンスを生み出したり、経営判断に役立てることが求められています。CIOは、このようなデータ分析の専門チームを率い、企業の競争力強化に貢献します。
IT

IT戦略本部:日本の未来を築く司令塔

21世紀を迎えてから、情報通信技術は目覚ましい発展を遂げ、私たちの暮らし、社会のあり方、経済活動など、あらゆる側面に大きな変革をもたらしています。インターネットが広く普及し、携帯電話などの移動体通信端末が進化を続け、さらに人工知能やビッグデータといった画期的な技術も登場したことで、私たちはかつてない速さで変化し続ける世界に生きています。 こうした変化の波に乗り遅れずに、むしろ、その変化を成長の糧としていくためには、情報通信技術を戦略的に活用することが欠かせません。具体的には、企業は最新の技術動向を常に把握し、自社の事業にどのように活用できるかを検討する必要があります。例えば、顧客データの分析に人工知能を活用することで、顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品やサービスを提供することが可能になります。また、ビッグデータ分析によって市場の動向を予測し、迅速な意思決定を行うことも重要です。 情報通信技術は、もはや一部の専門家だけのものではありません。企業の競争力を高め、社会全体の発展を促すためには、あらゆる人が情報通信技術の基本的な知識を身につけ、それを活用していくことが求められます。
IT

ITガバナンス:企業の成長を支える重要な仕組み

- ITガバナンスとはITガバナンスとは、企業が情報技術を有効活用し、事業目標の達成を支えるための組織的な仕組みです。具体的には、情報システムへの投資や運用、リスク管理など、情報技術に関する意思決定や実行を統括する仕組みを指します。情報技術は、もはや一部の専門部署だけのものではなく、企業活動全体を支える重要な要素となっています。そのため、全社的な視点で情報技術の活用を管理し、その効果を最大限に引き出すことが求められます。経済産業省は、ITガバナンスを「経営陣が利害関係者のニーズに基づき、組織の価値を高めるために実践する行動であり、情報システムのあるべき姿を示す情報システム戦略の策定及び実現に必要となる組織能力」と定義しています。 つまり、ITガバナンスは、単に情報システム部門だけの問題ではなく、経営陣が主体的に関与し、全社的な視点で推進していくべきものなのです。ITガバナンスを適切に構築・運用することで、企業は様々なメリットを享受できます。例えば、情報技術投資の効率化、情報システムのリスク削減、情報活用の高度化などが期待できます。結果として、企業の競争力強化、業績向上に貢献することができます。