電話回線

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ITシステム

キャプテンシステム:幻の次世代情報網

昭和の終わり頃、人々は情報を求めていました。新聞、テレビ、ラジオ以外にも、もっと手軽に、もっと多くの情報に触れたいという思いがありました。そんな中、郵政省と電電公社が協力して、画期的な情報ネットワークシステムを開発しました。それが「キャプテンシステム」です。 キャプテンシステムの最大の特徴は、特別な機器を必要とせず、既に多くの家庭に普及していた電話回線とテレビを使って情報を取得できる点でした。専用の端末を購入する必要はなく、手軽にシステムを利用することができました。 このシステムを通じて、文字情報はもちろんのこと、図形や静止画なども送受信できました。ニュースや天気予報、株価情報といった暮らしに役立つ情報から、旅行情報や趣味に関する情報まで、その内容は多岐に渡りました。 キャプテンシステムは、当時としては画期的な情報ネットワークであり、人々の情報へのアクセス方法を大きく変える可能性を秘めていました。しかし、その後、パソコンやインターネットの急速な普及により、その役目を終えることになりました。
IT

NTSコストとは?通信業界における基本料金の仕組み

- NTSコストの概要NTSコストとは、「通信量によらないコスト」という意味で、毎月決まった額が発生する費用のことを指します。これは、普段私たちが利用している固定電話やインターネット回線でも同様です。毎月の通話時間やデータ通信量に関わらず、回線を維持するために必要な費用が発生します。この費用がNTSコストにあたり、毎月の請求書の基本料金に相当します。NTSコストは、主に通信設備の維持や管理、人件費などに充てられます。例えば、電柱や光ファイバーケーブルなどの通信インフラは、常に良好な状態に保たなければなりません。また、故障やトラブルが発生した場合には、迅速に対応できるよう体制を整えておく必要があります。これらの費用は、利用者が少ない場合でも発生するため、NTSコストとして固定的に徴収されます。一方で、通話料やデータ通信料のように、利用量に応じて変動するコストはトラフィックセンシティブコストと呼ばれます。NTSコストとトラフィックセンシティブコストを組み合わせることで、通信サービス全体の料金が決定されます。近年では、技術革新や競争の激化により、通信サービスの料金体系は多様化しています。しかし、NTSコストの基本的な考え方は変わらず、通信サービスを提供するために必要不可欠な要素となっています。
ハードウェア

スプリッター:ADSLに必須の縁の下の力持ち

- スプリッターってなに?インターネット回線に欠かせない存在でありながら、普段はあまり意識することのない「スプリッター」。一体どんな役割を担っているのでしょうか?スプリッターは、電話回線に流れる音声信号とデータ信号を分離・合流させるための装置です。電話回線は、音声だけでなくインターネットのデータ通信にも利用されています。しかし、音声とデータは異なる周波数帯を使用しているため、そのままでは互いに干渉し、通信品質が低下してしまう可能性があります。そこで活躍するのがスプリッターです。スプリッターは、電話回線から送られてきた信号を音声用とデータ用に分離し、それぞれ電話機とモデム(またはルーター)に送ります。そして、電話機とモデム(またはルーター)から送られてきた信号を再び合流させて電話回線に送り返します。スプリッターは、特にADSLを使った高速インターネット通信において重要な役割を担っています。ADSLは、音声信号よりも高い周波数帯を使ってデータ通信を行うため、音声信号と分離することが不可欠です。スプリッターがない場合、ADSLモデム(またはルーター)が音声信号の影響を受けてしまい、通信速度の低下や接続の不安定化などが起こる可能性があります。このように、スプリッターは、一見地味な存在ながら、私たちが快適にインターネットを利用するために欠かせない、縁の下の力持ち的な役割を担っているのです。