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RoHS指令:有害物質から人々と環境を守るための取り組み

- RoHS指令とは RoHS指令は、電子機器や電気製品に使用される、人体や環境に有害な特定の物質の使用を制限する欧州連合(EU)の法律です。 正式名称は「特定有害物質使用制限指令」と言い、英語の「Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment」の頭文字を取ってRoHS指令と呼んでいます。 この指令は、製品の設計から廃棄までの全段階において、有害物質による環境汚染や人体への影響を最小限に抑えることを目的としています。 具体的には、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の6種類の物質が使用制限対象となっています。 RoHS指令の対象となる製品は、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電製品から、携帯電話やパソコンなどの小型電子機器、そしてこれらの製品に使用される部品や材料まで多岐にわたります。 RoHS指令はEU域内で販売される製品が対象ですが、世界的に環境規制への意識が高まっていることから、EU以外の国々でも同様の規制が導入されています。 日本でも、RoHS指令に整合した「電気・電子機器の特定の化学物質による汚染の防止に関する法律」(J-Moss)が施行されています。
ハードウェア

電子機器の縁の下の力持ち – ファームウェアとは?

- ファームウェアの役割私たちの身の回りには、パソコンやスマートフォン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など、様々な電子機器があふれています。これらの機器が、私たちの生活を便利で快適にしてくれるのは、ハードウェアとソフトウェアが連携して動作しているからです。 その中で、「ファームウェア」は、あまり表に出ることはありませんが、電子機器が正しく動作するために欠かせない重要な役割を担っています。ファームウェアは、ハードウェアを制御するためのソフトウェアです。ハードウェアは、機器を構成する物理的な部品のことであり、ソフトウェアは機器に指示を与える命令群のことです。ファームウェアは、その両者を繋ぐ役割を担い、ハードウェアが本来の性能を発揮できるように、細かな指示を与えています。例えば、パソコンでキーボードを入力すると、画面に文字が表示されます。これは、キーボードからの入力をファームウェアが受け取り、それを解釈して画面に表示する指示を出しているからです。このように、ファームウェアは、私たちが普段意識せずに使っている電子機器の基本的な動作を支えているのです。ファームウェアは、電子機器の「体」であるハードウェアと、「脳」であるソフトウェアを繋ぐ、いわば「神経」のような役割を果たしています。ファームウェアが正常に動作しなければ、電子機器は本来の性能を発揮することができません。目立たない存在ながらも、私たちの生活を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。
ハードウェア

時代を築いたPDA:その機能とメリット

- PDAとはPDAとは、「Personal Digital Assistant」の頭文字を取った言葉で、日本語では「携帯情報端末」と訳されます。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、ビジネスマンを中心に広く普及しました。PDAは、パソコンの一部の機能を搭載しながらも、手のひらに乗るほどのコンパクトなサイズを実現したことが画期的でした。従来、スケジュール管理は手帳、連絡先はアドレス帳、メモはノートといったように、それぞれ別々のツールを使用するのが一般的でした。しかし、PDAの登場により、これらの機能を1台に集約し、いつでもどこでも持ち運んで情報にアクセスすることが可能になったのです。PDAには、代表的な機能として、スケジュール管理、アドレス帳、メモ帳、電子メールなどが搭載されていました。さらに、機種によっては、インターネットに接続したり、ゲームや音楽再生などのエンターテイメント機能を楽しんだりすることもできました。PDAは、その後のスマートフォンの登場により、徐々に姿を消していきました。しかし、PDAが切り開いたモバイル情報端末という分野は、スマートフォンに受け継がれ、現代社会においても欠かせない存在となっています。