通信

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ハードウェア

スプリッター:ADSLに必須の縁の下の力持ち

- スプリッターってなに?インターネット回線に欠かせない存在でありながら、普段はあまり意識することのない「スプリッター」。一体どんな役割を担っているのでしょうか?スプリッターは、電話回線に流れる音声信号とデータ信号を分離・合流させるための装置です。電話回線は、音声だけでなくインターネットのデータ通信にも利用されています。しかし、音声とデータは異なる周波数帯を使用しているため、そのままでは互いに干渉し、通信品質が低下してしまう可能性があります。そこで活躍するのがスプリッターです。スプリッターは、電話回線から送られてきた信号を音声用とデータ用に分離し、それぞれ電話機とモデム(またはルーター)に送ります。そして、電話機とモデム(またはルーター)から送られてきた信号を再び合流させて電話回線に送り返します。スプリッターは、特にADSLを使った高速インターネット通信において重要な役割を担っています。ADSLは、音声信号よりも高い周波数帯を使ってデータ通信を行うため、音声信号と分離することが不可欠です。スプリッターがない場合、ADSLモデム(またはルーター)が音声信号の影響を受けてしまい、通信速度の低下や接続の不安定化などが起こる可能性があります。このように、スプリッターは、一見地味な存在ながら、私たちが快適にインターネットを利用するために欠かせない、縁の下の力持ち的な役割を担っているのです。
プロトコル

CDMA: 携帯電話を支える技術

- 符号分割多重接続(CDMA)とは符号分割多重接続(CDMA)は、複数の利用者が同時に無線通信を行うための技術の一つです。携帯電話をはじめ、様々な無線通信システムで広く利用されています。 CDMAでは、各利用者に異なる符号を割り当て、その符号を利用して信号を拡散します。拡散された信号は、まるで雑音のように聞こえますが、受信側では、送信時と同じ符号を使って信号を復元することで、元の情報を抽出することができます。 この技術の利点は、限られた周波数帯域を有効活用できることです。従来の周波数分割多元接続(FDMA)や時分割多元接続(TDMA)では、利用者ごとに周波数帯域や時間を割り当てる必要がありました。しかし、CDMAでは、すべての利用者が同じ周波数帯域を同時に使用するため、より多くの利用者を収容することができます。 CDMAは、高速データ通信や高音質通話を実現するための基盤技術として、現代の無線通信において重要な役割を担っています。
IT

ユーザー体験を向上させるLBOとは

- LBOの概要LBO(ローカルブレイクアウト)は、従来の集約型ネットワークの課題を解決する、新しいネットワーク通信のルーティング手法です。従来のネットワークでは、例えば、東京支社の社員がインターネット上のアメリカのサーバーにアクセスする場合、まず東京支社から本社のある大阪を経由し、そこからインターネットに接続するという経路をたどっていました。このように、全ての通信トラフィックが本社などの拠点に集中する集約型ネットワークでは、いくつかの問題が発生していました。例えば、物理的な距離が遠くなることで通信経路が長くなり、通信速度の低下や遅延が生じやすくなります。また、拠点のネットワークに負荷が集中することで、ネットワーク全体のパフォーマンスが低下する可能性もあります。そこで登場したのがLBOです。LBOでは、ユーザーに近いローカルなネットワークポイントにインターネットへの接続点を設けることで、これらの問題を解決します。先ほどの例では、東京支社にインターネット接続点を設置することで、東京支社の社員は本社を経由せず、直接インターネットにアクセスできるようになります。このように、LBOは通信経路を短縮することで、通信遅延を減らし、より快適なユーザー体験を実現します。また、拠点へのトラフィック集中を緩和することで、ネットワーク全体のパフォーマンス向上にも貢献します。
ITシステム

ブロードキャスト:一度にみんなへ

- ブロードキャストとは「ブロードキャスト」とは、情報を不特定多数に向けて一斉に送信することを指す言葉です。 広い範囲に種をまく「放送」のイメージと重なることから、情報通信の分野でも使われています。身近な例としては、ラジオやテレビ放送が挙げられます。これらの放送は、特定の受信者を指定せずに、電波が届く範囲にいる人なら誰でも受信することができます。 同様に、インターネットにおいても、ネットワークに接続されている多数の端末に対して、同時にデータを送信する仕組みを「ブロードキャスト」と呼びます。ブロードキャストは、一度に多数の相手に情報を伝えられるというメリットがある一方、送信先の端末全てが必要としている情報とは限らないという側面も持ち合わせています。そのため、情報の種類や用途に応じて、他の通信方式と使い分けることが重要となります。例えば、特定の相手だけに情報を送りたい場合は、「ユニキャスト」と呼ばれる方式が用いられます。これは、手紙のように、宛先を指定して情報を送る方法です。
IT

ショートメッセージサービス:手軽なコミュニケーションツールの概要

- ショートメッセージサービスとは携帯電話やPHSといった端末を使って、短い文章のメッセージをやりとりできるサービスを、ショートメッセージサービスと呼びます。一般的にはSMSと略して呼ばれることが多く、誰でも簡単に利用できる連絡手段として広く普及しています。SMSは、従来の電話のように音声で会話するのではなく、文字情報のみを送受信するのが特徴です。そのため、短い用件を伝えたい場合や、電話をかけるほどではない場合に最適です。例えば、待ち合わせ時間の変更や到着時間の連絡、簡単な挨拶などを伝える際に便利です。また、SMSは電話番号さえ知っていればメッセージを送信できるため、相手のメールアドレスを知らなくても連絡を取ることができます。これは、ビジネスシーンにおいても顧客との連絡手段として活用されるケースも少なくありません。このように、SMSは手軽に利用できるという点と、幅広い端末に対応しているという点から、老若男女問わず多くのユーザーに利用されています。今後も、私たちの生活において欠かせないコミュニケーションツールとして、重要な役割を担っていくでしょう。
IT

モバイルコミュニケーション:いつでもどこでも繋がる時代

- モバイルコミュニケーションとは モバイルコミュニケーションとは、文字通り移動しながらコミュニケーションをとることを可能にする技術です。従来の固定電話のように特定の場所に縛られることなく、いつでもどこでも誰とでも連絡を取ることができるのが最大の魅力です。近年では「移動体通信」と呼ばれることも多くなっています。 この革新的な技術の登場は、私たちの日常生活に劇的な変化をもたらしました。例えば、外出先で急な予定変更があっても、携帯電話で簡単に連絡を取り合うことができます。また、家族や友人との距離を感じさせず、いつでも気軽にコミュニケーションを楽しむこともできます。 モバイルコミュニケーションの進化は目覚ましく、音声通話だけでなく、電子メールやインターネット、動画視聴など、多様なサービスが利用できるようになりました。スマートフォンやタブレット端末の普及により、場所を選ばずに膨大な情報へアクセスすることも可能です。 モバイルコミュニケーションは、私たちの生活をより便利で豊かにするだけでなく、ビジネスの分野でも大きな変革をもたらしています。場所にとらわれない働き方や、迅速な情報共有による業務効率の向上が実現し、新たなビジネスチャンスも生まれています。 今後も、モバイルコミュニケーション技術は進化し続け、私たちの社会をさらに変えていくことでしょう。
IT

インターネットの要!IXとは?

- IXとはIXとは、インターネット交換点(Internet Exchange)の略称です。インターネットは世界中に広がる巨大なネットワークであり、様々な組織が所有するネットワークが相互に接続することで成り立っています。IXは、これらのネットワークを物理的に接続し、データの交換をスムーズに行うための重要な役割を担っています。IXには、主にインターネットサービスプロバイダー(ISP)やデータセンター、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)などが参加しています。IXに接続することで、各組織は相互にトラフィックを交換し、より高速かつ効率的にデータ通信を行うことが可能になります。IXを利用するメリットとしては、通信コストの削減、通信遅延の低減、通信品質の向上が挙げられます。IXを経由することで、遠回りな経路を通ることなく、より直接的にデータのやり取りが可能となるためです。日本国内にも、JPIXやEquinix IXなど、複数のIXが存在します。これらのIXは、日本のインターネットの backbone として機能し、安定した高速なインターネット接続を支えています。
IT

インターネットの入口、ISPって?

私たちが日々当たり前のように利用しているインターネット。その陰には、インターネットサービスプロバイダー(ISP)と呼ばれる事業者の存在があります。ISPは、私たちがインターネットの世界にアクセスするための、言わば玄関口のような役割を担っています。 インターネットに接続するためには、このISPと契約する必要があります。ISPと契約することで、インターネットを利用するための回線を借りることができるのです。私たちがパソコンやスマートフォンを使ってウェブサイトを閲覧したり、電子メールを送受信したり、動画を視聴したりできるのは、ISPが提供するこの回線を通じて、世界中に張り巡らされたネットワークと繋がっているおかげなのです。 ISPには、回線の種類や速度、料金プランなど、様々な選択肢があります。例えば、光ファイバーを使った高速な回線や、ADSLと呼ばれる比較的安価な回線など、利用者のニーズや環境に合わせて選ぶことができます。また、ISPによっては、インターネット接続サービスだけでなく、セキュリティ対策ソフトの提供や、ウェブサイト制作のサポートなど、付加価値のあるサービスを提供しているところもあります。 このように、ISPは私たちがインターネットを利用する上で欠かせない存在と言えるでしょう。
ITシステム

ISDN: デジタル時代の万能通信網

- ISDNとはISDNは、Integrated Services Digital Networkの頭文字を取ったもので、日本語では「サービス総合デジタル網」と訳されます。これは、電話やFAX、インターネットなど、これまで別々の回線を使っていた様々なデータ通信を一つにまとめて、デジタル方式で送受信できるようにした通信網のことです。従来の電話回線はアナログ回線と呼ばれ、音声信号を電気信号に変換して送受信していました。一方、ISDNは音声もデータもデジタル信号に変換してから送受信します。デジタル信号は、0と1の組み合わせで情報を表現するため、ノイズの影響を受けにくく、よりクリアな音声で通話できるというメリットがあります。また、アナログ回線よりも多くの情報を一度に送ることができるため、高速なデータ通信が可能になりました。ISDNは、1980年代後半に登場し、企業を中心に広く普及しました。しかし、その後、より高速な光ファイバーや、より安価なADSLなどのブロードバンドインターネット接続サービスが登場したため、現在では新規契約が受け付けられていません。それでも、ISDNは、その信頼性の高さから、現在も一部の企業などで利用され続けています。
プロトコル

マルチキャストで効率的なデータ配信

- マルチキャストとは複数の機器がネットワークに接続された現代社会において、情報を効率的に伝達することは非常に重要です。そのための技術の一つとして、「マルチキャスト」と呼ばれる仕組みが存在します。マルチキャストとは、一言で表すと、ネットワークに接続されている複数の相手に、同じデータを一度に送信する技術です。例えば、会社の社員全員に一斉に通知を送りたい場合や、オンラインセミナーで多数の参加者に同じ映像を配信したい場合などを想像してみてください。従来の一対一の通信方式では、送信元は個別にデータを送信する必要があり、送信元の負担が大きくなってしまいます。しかし、マルチキャストを用いると、送信元はデータを一度送信するだけで済みます。ネットワーク内のルーターが必要な数だけデータを複製し、宛先となる各受信者に届けてくれるからです。これは、まるで、会議室で発表者が一度だけ発言するだけで、部屋にいる全員に声が届く様子に似ています。このようにマルチキャストは、送信元の負担を軽減できるだけでなく、ネットワーク全体のトラフィックを抑制できるというメリットもあります。そのため、動画配信やオンラインゲーム、ソフトウェアの更新など、様々な場面で活用されています。
ITシステム

IP-VPNとは?その仕組みと利点を解説

- IP-VPNとは IP-VPNは、「IP-Virtual Private Network」の略称で、インターネットを経由せずに、電気通信事業者が提供する閉じたネットワーク(専用回線網)を使用して構築された、あたかも専用線で接続されているかのような仮想的な専用ネットワークのことを指します。 従来のVPNは、公衆回線であるインターネットを通じて通信を行っていましたが、セキュリティ上の懸念や通信速度の低下といった課題がありました。一方、IP-VPNは、インターネットとは隔離された閉域網を利用するため、高いセキュリティと安定した通信品質を確保できます。 また、従来の専用線を用いたVPNと比較して、回線費用が抑えられるという点も大きなメリットです。さらに、IP-VPNは、必要な場所に必要なだけ回線を増設したり、帯域を変更したりといった、柔軟なネットワーク構築が可能であるため、多くの企業で導入が進んでいます。
プロトコル

高速ネットワークの鍵!ATM技術を解説

- ATMとは ATM(非同期転送モード)は、従来の通信方式と比べて、格段に速いスピードで情報をやり取りできる技術です。 従来の技術では、情報を送る場合でも送らない場合でも、常に通信回線を接続した状態にしておく必要がありました。これは、情報を送る前に回線を同期させておく必要があり、たとえ一瞬でもデータを送信しない時間があると、回線が無駄になっていました。 一方ATMでは、必要な時にだけ情報を送受信するという方法をとっています。これは、決まった時間に一斉にデータを送るのではなく、必要な時に必要なデータだけを送るというイメージです。 このように、ATMは回線を常に接続しておく必要がないため、回線を有効活用できます。その結果、従来の技術よりも効率的に情報を送ることができ、高速なデータ通信を実現しているのです。
会計

ARPUでわかること

- ユーザー一人当たりの収益を見る指標「ARPU(アープ)」とは、「Average Revenue Per User」の略語で、ユーザー一人当たりから毎月どれだけの収益を得られているかを示す指標です。計算式は「売上高 ÷ ユーザー数」で表され、例えば、月間の売上高が100万円、ユーザー数が1,000人であれば、ARPUは1,000円となります。 この指標は、通信業界をはじめ、動画配信サービスや音楽ストリーミングサービスなど、継続的に料金を支払う「サブスクリプション型」のサービスを提供する企業にとって、重要な経営指標の一つとされています。 ARPUを見ることで、顧客単価やサービスの収益性を把握することができます。そのため、企業はARPUを向上させるために、より高価格なプランへの加入を促したり、顧客満足度を高めて解約率を抑制したりと、様々な戦略を立てています。 ARPUは、新規顧客の獲得や既存顧客の維持など、事業全体の成長度合いを測る上でも重要な指標と言えるでしょう。