
コンセントでインターネット?電力線搬送通信の可能性
- 身近な電線を使った通信技術私たちが毎日電気を使う際に欠かせない、あの身近な電線を使ってデータ通信を行う技術があることをご存知でしょうか。それが「電力線搬送通信」、通称PLCと呼ばれる技術です。PLCは、家庭やオフィスなど、すでに電力線が張り巡らされている環境であれば、新たに光ファイバーケーブルやLANケーブルを敷設することなく、手軽にネットワークを構築できるというメリットがあります。つまり、コンセントにPLCアダプターを挿すだけで、インターネットに接続したり、機器間でデータのやり取りが可能になるのです。PLCの仕組みは、簡単に言うと、電気信号にインターネット通信用のデータを乗せて送受信することです。家庭用コンセントの電気は高周波ですが、PLCはこの高周波数の電気信号にさらに高い周波数帯のデータ信号を乗せることで、互いに干渉することなく通信を行います。PLCは、配線工事が不要で手軽に導入できること、比較的安価であること、無線LANと比べてセキュリティ面で優れているといった利点があります。そのため、インターネット回線の増設や、IoT機器の接続など、幅広い用途で活用が期待されています。しかし、PLCは電力線を使用するため、電子レンジやエアコンなど、他の電気機器の影響を受けやすく、通信速度が不安定になる場合があるという課題も抱えています。