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ロボットが世界一を目指す!ロボカップとは?

1990年代、コンピューターを使った将棋やチェスの世界では、すでに人工知能が人間に挑戦し始めていました。将棋やチェスは盤上の戦いであり、ルールが決まっているため、コンピューターは比較的容易にそのルールを学習し、人間に匹敵する、あるいは凌駕するほどの強さを身につけていきました。しかし、研究者たちは、人工知能が真に知能と呼べるようになるためには、もっと複雑で高度な課題に挑戦する必要があると考えていました。 そこで、日本の研究者たちが注目したのがサッカーです。サッカーは、刻一刻と状況が変化するフィールドの上で、11人もの選手がそれぞれ考えて動き、互いに協力してゴールを目指すという、非常に複雑なスポーツです。人工知能にとって、サッカーの試合を制御することは、将棋やチェスとは比べ物にならないほどの困難が伴いました。 しかし、この困難に挑戦することこそが、人工知能を大きく発展させる鍵となると考えた日本の研究者たちは、「2050年までにサッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」という壮大な目標を掲げ、1997年に第一回ロボカップを名古屋で開催しました。これは、人工知能研究の新たな一歩となる、歴史的な瞬間でした。