品質保証

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IT

ITサービスの品質保証、SLAとは?

- SLAとは何かSLAとは、サービスレベル合意と訳され、サービスの提供者と利用者が、サービスの品質について合意した内容を記したものです。これは、いわばサービスの品質保証書のような役割を果たします。SLAには、サービスの品質を測る具体的な指標とその目標値が明記されます。 例えば、ウェブサイトを運営するサービスであれば、「ウェブサイトの稼働率を99.9%以上とする」といったように、具体的な数値目標が定められます。その他にも、問い合わせへの応答時間やシステム障害発生時の復旧時間なども、SLAで規定される一般的な項目です。SLAは、特にITサービスにおいてその重要性を増しています。 ITサービスは形のないものが多いため、その品質や信頼性を目に見える形で示すことが容易ではありません。そこで、SLAによってサービスレベルを明確化することで、利用者は安心してサービスを利用できるようになり、提供者はサービス品質に対する責任を明確に示すことができるようになります。SLAは、単に文書を作成すればよいというものではありません。 サービス提供者と利用者が、SLAの内容について十分に協議し、互いに合意することが重要です。 また、SLAで定めたサービスレベルを維持・向上するための努力も欠かせません。
開発

プログラム変更の落とし穴!リグレッションテストのススメ

プログラムに新しい機能を追加したり、見つかったバグを直したりすることは、ソフトウェア開発において、毎日のように行われていることです。しかし、一見問題ないように思える修正が、プログラムの他の部分に予期せぬ不具合を引き起こすことがあります。このような、予想外の不具合は、開発者にとって頭を悩ませる問題であり、修正するために本来必要のない時間と労力を費やす原因となってしまいます。 プログラムは、複雑に絡み合った部品の集合体のようなものです。一つの部品を修正すると、その影響は直接的に繋がっている部品だけでなく、間接的に関連する部品にも波及することがあります。そして、予期せぬ不具合は、こうした複雑な依存関係の中で発生することが多いのです。 例えば、ある機能を高速化するためにプログラムの一部を修正したとします。その修正自体はうまくいき、目的の機能は高速化されたとします。しかし、その修正が原因で、別の機能が正常に動作しなくなる、といったことが起こりえます。これは、高速化のための修正が、他の機能が依存しているデータや処理手順に、意図せず影響を与えてしまったために発生するのです。 このような予期せぬ不具合を防ぐためには、修正の影響範囲をしっかりと把握することが重要です。そして、修正を加えた後には、影響範囲も含めて十分なテストを行い、新たな不具合が混入していないかを確認する必要があります。
ITシステム

システム開発における品質保証「QA」とは?

- 品質保証「QA」の基礎知識 「QA」とは、「品質保証」を意味する言葉です。 製品やサービスの品質が一定の基準を満たしていることを保証するための活動全体を指します。 例えば、皆さんが毎日使うスマートフォンを例に考えてみましょう。 スマートフォンを選ぶ際に、使いやすさや機能の充実度に加えて、「壊れにくさ」や「安全性」を重視する方も多いのではないでしょうか。 これらの要素は、製品の「品質」として認識されています。 「QA」は、製品やサービスを提供する企業が、お客様に安心して製品やサービスを利用してもらうために、非常に重要な役割を担っています。 システム開発における「QA」は、開発するシステムの品質を保証するための様々な検証作業を指します。 具体的には、設計書の内容確認や、プログラムの動作確認、システムが想定通りに動作するかどうかのテストなどが挙げられます。 システム開発の現場では、「QA」は開発の最終段階に行われる活動として認識されがちです。 しかし、開発の初期段階から「QA」の視点を取り入れることで、手戻りやバグの発生を抑制し、結果として開発期間の短縮やコスト削減に繋がると考えられています。
開発

テスト密度:ソフトウェア品質向上の鍵

- テスト密度の定義 ソフトウェア開発において、品質を確保するために「テスト」は欠かせない工程です。ソフトウェアの規模が大きくなり、複雑化するのに伴い、あらゆる不具合を想定し、十分なテストを実施することが重要となります。 この「テスト密度」とは、開発するソフトウェアに対して、どの程度のテストを実施したかを表す指標です。 テスト密度は、一般的に「ソースコードの行数」や「機能の数」に対して、どの程度のテストケースが作成され、実行されたかを数値で表します。 高いテスト密度を達成することで、ソフトウェアに潜む問題点を早期に発見し、修正する機会が増加します。その結果として、リリース後の不具合発生率を抑え、ユーザーに安心して利用してもらえる品質の高いソフトウェアを提供することに繋がります。 反対に、テスト密度が低い場合は、テストケース数が不足しており、潜在的な問題点を見逃してしまう可能性が高まります。結果として、リリース後に予期せぬ不具合が発生し、ユーザーに迷惑をかけてしまうリスクが高まります。 このように、テスト密度はソフトウェアの品質を左右する重要な要素の一つと言えるでしょう。
開発

互換性テスト:ソフトウェアの壁を超える

- 互換性テストとはソフトウェアを開発する上で、異なる環境でも問題なく動作することを確認することは非常に重要です。これを確かめるためのテストが互換性テストです。互換性テストでは、開発したソフトウェアが、想定される様々な環境で正しく動作するかを検証します。具体的には、パソコンやスマートフォンなど、異なる種類の機械や、Windows、macOS、iOS、Androidといった異なる基本ソフト(OS)を想定します。さらに、Google ChromeやSafariなどの様々な閲覧ソフト(ブラウザ)や、高速な光回線から低速なモバイル回線まで、異なる通信環境も考慮する必要があります。これらの様々な環境において、ソフトウェアが期待通りに動くか、処理速度が遅くなっていないか、エラーが発生することなく安定して動作するかなどを細かく調べます。互換性テストをしっかりと行うことで、より多くの利用者が安心してソフトウェアを利用できるようになります。また、開発後のトラブル対応を減らすことにもつながり、開発コストの削減にも役立ちます。
ITシステム

システム開発に必須!「検証」の重要性

- 「検証」とは何か?「検証」とは、簡単に言うと「正しいかどうかを確認すること」です。私たちの日常生活でも、何かを確かめたり、確認したりする場面は多くありますよね。システム開発における「検証」も、これと全く同じ意味を持ちます。例えば、新しいシステムを開発する場面を考えてみましょう。設計図を基に、プログラマーがシステムの土台となるプログラムを組み立てていきます。この時、作られたプログラムが、設計図通りに正しく作られているか、設計図に書かれた機能をきちんと満たしているか、エラーなく動くかどうかなどを細かく確認していきます。これがシステム開発における「検証」です。検証作業は、高品質なシステムを作る上で欠かせません。検証を怠ると、システムに欠陥が残ったまま運用されてしまい、後から大きな問題を引き起こす可能性があります。例えば、オンラインショップのシステムで、購入金額が正しく計算されない、誤った商品情報が表示されるといった問題が発生すると、顧客に迷惑をかけるだけでなく、企業の信用問題にも発展しかねません。このように、「検証」はシステム開発において非常に重要な工程と言えます。システムの品質を左右する重要な作業であることをしっかりと認識しておきましょう。
開発

ソフトウェア開発におけるレビューの重要性

- レビューとはソフトウェア開発は、プログラムを作るだけが全てではありません。 設計書やテスト仕様書など、様々な資料を作成し、複雑な工程を経て完成へと進んでいきます。 これらの工程で、成果物が要求通りに作られているか、問題なく機能するかを細かく確認することが非常に重要になります。この確認作業こそが「レビュー」です。レビューでは、実際にプログラムを動かしたり、システム全体を構築したりする前に、資料の内容を精査します。 例えば、プログラムの設計書に誤りがあれば、後々の工程で大きな問題を引き起こす可能性があります。また、テスト仕様書に漏れがあれば、完成したシステムに不具合が残ってしまうかもしれません。こうした問題を未然に防ぐために、早い段階で誤りや矛盾を徹底的に洗い出すことがレビューの大きな目的です。レビューの対象は、プログラムのソースコードだけにとどまりません。要件定義書や設計書、テスト仕様書など、開発過程で生み出される様々な成果物がレビューの対象となります。それぞれの成果物が、顧客の要望や、システム全体の設計と合致しているか、誤りや矛盾がないかを多角的に検証していきます。レビューを通して、ソフトウェアの品質向上と開発効率の向上を目指します。 早い段階で問題を発見し修正することで、手戻りを減らし、開発期間の短縮やコスト削減にも繋がります。また、複数人でレビューを行うことで、客観的な視点を取り入れ、見落としを防ぐ効果も期待できます。
開発

バグ修正とは?

ソフトウェア開発は、緻密な設計図を基に建物を作る作業に例えられます。しかし、どんなに熟練した建築家や職人が携わっても、思い通りにいかないのが現実です。プログラムの設計図に当たるコードには、時として、予想外の動作や誤りを引き起こす「バグ」と呼ばれる欠陥が紛れ込んでしまうことがあります。 これらのバグは、ソフトウェアの機能を完全に停止させてしまう深刻なものから、ユーザーがほんの少し使いにくさを感じる程度のものまで、その影響は様々です。ソフトウェア開発において、これらのバグをいかに減らし、高品質なソフトウェアを開発するかが大きな課題となっています。 バグが発生する原因は多岐に渡ります。複雑なプログラムになればなるほど、開発者同士の意思疎通がうまくいかず、設計ミスが生じやすくなります。また、開発期間の短縮やコスト削減を優先した結果、テストがお十分に行われず、潜在的なバグが残ってしまうこともあります。 このような問題を解決するために、近年では、開発の初期段階からバグを予防するための様々な取り組みが行われています。例えば、設計段階での綿密なレビューや、自動化されたテストツールの導入などが挙げられます。これらの取り組みによって、バグの発生率を抑制し、より高品質なソフトウェアを開発することが期待されています。
その他

品質経営の国際基準!ISO9001とは?

- 品質マネジメントシステムの規格、ISO9001とは ISO9001は、組織が顧客や取引先など関係する人たちの要望に応え、満足度を高めることを目的とした品質マネジメントシステムに関する国際的な規格です。 この規格では、製品やサービスの品質を継続的に向上させるための仕組み作りを支援し、組織の信頼性向上に役立ちます。 具体的には、顧客の要求事項や関連する法令・規制要求事項を満たす製品やサービスを安定して提供できるよう、組織の内部でさまざまな活動(資源の管理、製品の設計・開発、製造、検査、出荷、アフターサービスなど)を体系的に管理する仕組みを構築することが求められます。 ISO9001は、世界中で広く採用されており、業種や規模に関わらず、あらゆる組織に適用可能です。 ISO9001の導入は、組織にとって以下のようなメリットがあります。 * 顧客満足度の向上 * 組織の信頼性向上 * 業務プロセス改善によるコスト削減 * 組織全体の意識向上 * 国際的な競争力強化 ISO9001は、組織の品質マネジメントシステムのレベルアップを図り、顧客や市場からの信頼を獲得するための強力なツールと言えるでしょう。