人工衛星

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IT

GPS:位置情報の取得を支える技術

- GPSとは GPS(Global Positioning System)は、地球上のどこにいても、自分の位置を知ることができるシステムです。日本語では「全地球測位システム」とも呼ばれ、スマートフォンやカーナビなど、私たちの日常生活に欠かせない様々な機器に利用されています。 では、GPSはどのようにして私たちのいる場所を特定しているのでしょうか? GPSは、地球の周りを回っている複数の人工衛星と、私たちが持っているGPS受信機との間でやり取りされる電波を利用しています。 これらの衛星は、常に地球に向けて電波を発信しており、GPS受信機はこの電波を受信します。電波は光と同じ速さで進むため、電波を受信した時刻と、衛星が電波を発信した時刻の差を測ることで、衛星と受信機の距離を正確に計算することができます。 そして、4つ以上の衛星からの電波を受信し、それぞれの衛星との距離を計算することで、受信機の位置、つまり私たちの位置を三次元的に特定することができるのです。 GPSは、緯度、経度だけでなく、標高も測定することができ、その精度は数メートルから数十センチメートルと非常に高精度です。 このように、GPSは人工衛星からの電波を利用することで、地球上のどこにいても正確な位置を特定できる革新的なシステムなのです。
ハードウェア

空に浮かぶ奇跡!静止衛星の秘密

- 静止衛星ってどんなもの? 静止衛星とは、人工的に打ち上げられた衛星のうち、地球の自転と同じ周期で地球の周りを回っている衛星のことを指します。まるで空の一点に静止しているかのように見えることから、「静止衛星」と名付けられました。 では、なぜ静止しているように見えるのでしょうか? 静止衛星は、赤道の上空約3万6千キロメートルという、とても高い場所にある円軌道を回っています。そして、地球の自転と同じ周期、つまり約24時間で地球を一周しています。地球が自転するのと全く同じスピードと方向で動いているため、地上にいる私たちから見ると、静止衛星はまるで空の一点に止まっているかのように見えるのです。 このように、常に同じ位置に留まって観測できるという特徴から、静止衛星は気象観測や放送、通信など、私たちの生活に欠かせない様々な分野で活躍しています。
ITシステム

準天頂衛星システム:日本の未来を支える技術

- 準天頂衛星とは準天頂衛星とは、地球の周りを回る人工衛星の中でも、日本の真上付近を長時間通過するように設計された特別な衛星です。一般的な人工衛星は地球の赤道をぐるぐると回るため、日本から見ると空の低い位置を移動していきます。そのため、山や建物などの障害物によって電波が遮られやすく、安定した通信を行うのが難しいという課題がありました。一方、準天頂衛星は、日本を中心に8の字を描くような軌道を描いて飛行します。この特殊な軌道のおかげで、日本から見ると常に空の高い位置にあり、長時間電波を届けることが可能となります。まるで、日本の真上に静止しているように見えるため、「準天頂」衛星と呼ばれているのです。この特徴を生かして、山間部や高層ビルが立ち並ぶ都市部など、従来の衛星では電波が届きにくかった場所にも、安定した通信サービスを提供できるようになりました。また、位置情報の測位精度向上や、災害時における情報伝達の手段としても期待されています。準天頂衛星は、日本の様々な場所で、人々の暮らしを支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。