レガシーシステム

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レガシーシステムとは?

- レガシーシステムの定義「レガシー」という言葉は、遺産や遺物といった意味を持ちます。それと同様に、情報通信技術(ICT)の分野において「レガシーシステム」とは、一般的に古くなってしまったシステムのことを指します。 具体的には、過去に広く普及していた技術や手法を用いて構築されたシステムで、現在も企業の基幹業務などで利用され続けているものを指します。レガシーシステムには、長年にわたって稼働し続けてきたことによるメリットも存在します。長期間の運用を通じて、システムの安定性や信頼性は向上しており、企業は安心して基幹業務を任せることができます。また、システムの構造や処理内容について、担当者が長年かけて深い理解を積み重ねてきた結果、円滑な運用保守体制が確立されているケースも多いです。しかし、レガシーシステムは、最新の技術やセキュリティ対策に対応できない、システムの改修や拡張が難しい、運用保守の費用がかさむといった課題も抱えています。そのため、近年では、レガシーシステムを最新のシステムに移行する「レガシーモダナイゼーション」への取り組みが多くの企業で進められています。
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企業の競争力を支えるモダナイゼーション

モダナイゼーションとは、古くなったシステムやアプリケーションを最新の技術や設計思想に基づいて刷新することを指します。 情報通信技術(ICT)は日々進歩しており、企業は競争に勝ち抜くためには、常に最先端の技術を取り入れていくことが求められます。しかし、長年使い続けてきたシステムは、最新の技術に対応できない、あるいは、対応するために多大なコストがかかってしまうといった問題を抱えている場合も少なくありません。 このような状況を打破するために注目されているのがモダナイゼーションです。モダナイゼーションによって、企業は従来のシステムの制約から解放され、より柔軟で拡張性の高いシステムを手に入れることができます。 具体的には、業務効率の向上、コスト削減、セキュリティ強化、新たな収益源の獲得といった効果が期待できます。モダナイゼーションは、企業がデジタル時代を生き抜き、さらなる成長を遂げるための重要な鍵となるでしょう。
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AS400: 時代を築いたオフィスコンピュータ

- AS400とはAS400は、1988年から販売が開始された、事務処理に特化したコンピュータのシリーズ名です。正式には「Application System/400」と表記され、その名の通り、企業の中核となる業務の仕組みを動かすためのシステムとして開発されました。当時、多くの企業が業務の効率化を迫られる中で、AS400は画期的な機能と高い信頼性を兼ね備えており、大企業だけでなく、特に多くの中小企業で導入が進みました。AS400の特徴としては、まず、専門的な知識がなくても操作や管理がしやすいという点が挙げられます。これは、当時のコンピュータとしては非常に珍しく、多くの企業が導入しやすい要因の一つとなりました。また、一度作った仕組みは、コンピュータの環境が変わっても、大きな変更を加えることなく使い続けることができるという点も、大きな魅力でした。これは、AS400がハードウェアとソフトウェアを統合して設計されているためであり、企業にとっては、システムの移行にかかる費用や手間を大幅に削減できるというメリットがありました。さらに、AS400は、非常に安定性が高いという特徴も持ち合わせていました。一度稼働させれば、長期間にわたって安定して動作し続けるため、企業は安心して業務に集中することができました。これらの特徴から、AS400は多くの企業にとって非常に魅力的なシステムとなり、広く普及しました。今日でも、その信頼性の高さから、多くの企業で使い続けられています。
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2025年の崖~迫りくる企業の危機~

「2025年の崖」という言葉をご存知でしょうか。これは、経済産業省が警鐘を鳴らす、企業のIT分野における大きな問題を指す言葉です。 2025年を境に、多くの企業が、その存続を揺るがすような深刻な危機に直面する可能性が叫ばれています。これは、いくつかの要因が重なり合って起こると予想されています。 まず、多くの企業で現在もなお、古いシステムが使われ続けていることが挙げられます。これらのシステムは、開発から長い年月が経過し、複雑化かつブラックボックス化しているケースも少なくありません。そのため、システムの維持・管理に多大な費用や時間がかかり、企業の競争力を低下させる要因となっています。 さらに、これらの古いシステムを扱える技術者が今後ますます不足していくという深刻な問題も孕んでいます。技術の進歩が著しいIT業界において、若手技術者の多くは最新技術の習得に意欲的で、古いシステムの維持・管理を敬遠する傾向があります。 これらの問題が、2025年頃に一気に顕在化し、多くの企業がシステムの停止やセキュリティの脆弱性、多額の維持費用といった問題に直面する可能性があります。これが、「2025年の崖」と呼ばれる由縁です。 この崖を乗り越えるためには、企業は早急に対策を講じる必要があります。具体的には、古いシステムを刷新し、最新技術に対応したシステムへと移行することが求められます。また、IT人材の育成や確保も重要な課題と言えるでしょう。