モジュール化

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開発

システム開発における疎結合のススメ

- 疎結合とは近年のシステム開発において、注目を集めている設計思想の一つに「疎結合」があります。従来の一枚岩のようなシステムとは異なり、疎結合ではシステム全体を機能ごとに分割し、独立性の高い小さな部品(コンポーネント)を組み合わせることでシステムを構築します。それぞれの部品は互いに依存しすぎることなく、まるでレゴブロックのように自由に組み合わせることが可能です。この柔軟性こそが疎結合の大きなメリットです。個々の部品は独立しているため、一部を変更する場合でも他の部品に影響を与える可能性が低く、改修や機能追加をスムーズに行えます。また、特定の部品に障害が発生した場合でも、その部分だけを修正したり、交換したりすることでシステム全体の停止を回避できるため、可用性の向上にも繋がります。さらに、開発期間の短縮やコスト削減にも効果を発揮します。部品ごとに開発チームを組むことで、並行作業による開発期間の短縮が可能になるだけでなく、既存の部品を再利用することで開発コストの削減も見込めます。このように、疎結合は柔軟性、保守性、開発効率、可用性など、システム開発における様々なメリットをもたらすことから、近年多くの企業が注目し、導入を進めている設計思想です。
開発

システム構築の鍵!モジュール化とは?

- モジュールとは何かモジュールとは、簡単に言うと「部品」のことです。何か大きなものを作る際に、それをいくつかの部品に分けて作ることを考えてみましょう。例えば、家を建てる場合、家全体を一度に作るのは大変ですが、壁、屋根、窓などの部品に分けて作れば、作業は楽になりますよね。このように、大きなシステムや製品を分割した、独立性の高い部品をモジュールと呼びます。モジュールは、形のあるもの、形のないもののどちらにも存在します。例えば、パソコンを例に挙げると、CPU、メモリ、ハードディスクなどは、実際に形のある部品としてパソコンの中に組み込まれています。これらはハードウェアのモジュールと言えます。一方、パソコンを動かすための命令書であるソフトウェアにおいては、特定の機能を実現するプログラムの単位がモジュールとなります。こちらは形のないモジュールと言えます。このように、モジュールとは、ハードウェア、ソフトウェアを問わず、何か大きなものを構成する部品のことを指します。そして、モジュールという考え方を使うことによって、複雑なものを効率的に作り上げることができるのです。
ITシステム

システムを構成する要素~サブシステムとは?~

- サブシステムとは 複雑なシステムを開発・運用するには、システム全体を機能ごとに分割して、小さな単位で管理することがよくあります。この小さな単位の一つ一つを「サブシステム」と呼びます。 サブシステムは、全体を構成する一部分でありながら、それぞれが特定の役割を担い、独立して動作することができます。 例として、会社の業務全体を管理する大規模なシステムを考えてみましょう。このシステムは、「会計システム」「人事システム」「生産管理システム」といった複数のサブシステムで構成されているとします。 「会計システム」は、日々の取引や財務状況を記録・処理する役割を担います。 「人事システム」は、従業員の入退社や給与、勤怠といった情報を管理します。 「生産管理システム」は、製品の製造計画から出荷まで、生産活動全般を管理します。 このように、それぞれのサブシステムは独立して動作していますが、互いに連携し、情報を共有することで、会社全体の業務が円滑に進むように連携して動いています。 例えば、従業員の給与計算を行う際には、「人事システム」から従業員情報が、「会計システム」に連携され、給与計算が行われます。 サブシステムを導入することで、大規模で複雑なシステムを、小さな単位で管理・開発することが可能になります。そのため、システム開発の効率化、柔軟性の向上、問題発生時の影響範囲の縮小といったメリットがあります。