システム開発における疎結合のススメ
- 疎結合とは近年のシステム開発において、注目を集めている設計思想の一つに「疎結合」があります。従来の一枚岩のようなシステムとは異なり、疎結合ではシステム全体を機能ごとに分割し、独立性の高い小さな部品(コンポーネント)を組み合わせることでシステムを構築します。それぞれの部品は互いに依存しすぎることなく、まるでレゴブロックのように自由に組み合わせることが可能です。この柔軟性こそが疎結合の大きなメリットです。個々の部品は独立しているため、一部を変更する場合でも他の部品に影響を与える可能性が低く、改修や機能追加をスムーズに行えます。また、特定の部品に障害が発生した場合でも、その部分だけを修正したり、交換したりすることでシステム全体の停止を回避できるため、可用性の向上にも繋がります。さらに、開発期間の短縮やコスト削減にも効果を発揮します。部品ごとに開発チームを組むことで、並行作業による開発期間の短縮が可能になるだけでなく、既存の部品を再利用することで開発コストの削減も見込めます。このように、疎結合は柔軟性、保守性、開発効率、可用性など、システム開発における様々なメリットをもたらすことから、近年多くの企業が注目し、導入を進めている設計思想です。