データの整合性を守る! 排他ロックとは?
複数の利用者が同時に情報を変更しようとすると、データの整合性が取れなくなることがあります。これをデータ競合と呼びます。例えば、銀行口座の残高を変更する場面を考えてみましょう。複数の利用者が同時に預金を引き出そうとした場合、それぞれの処理が前の処理結果を踏まえずに行われてしまうと、最終的な残高が正しく計算されなくなってしまいます。
このような問題を防ぐには、データへの同時アクセスを制限する必要があります。具体的には、ある利用者がデータの読み込みや書き込みを行っている間は、他の利用者が同じデータにアクセスできないようにする必要があります。
この仕組みを実現する方法の一つに、排他制御があります。排他制御とは、ある利用者がデータにアクセスしている間、他の利用者のアクセスを一時的に禁止する仕組みです。これにより、データの整合性を保つことができます。
排他制御には、様々な方法があります。例えば、データベースシステムでは、トランザクションという仕組みを用いて排他制御を行います。トランザクションとは、複数の処理をまとめて一つの処理として扱う仕組みです。トランザクションを使うことで、データの整合性を保ちながら、複数の処理を実行することができます。
データ競合は、システム開発において非常に重要な問題です。適切な対策を講じないと、データの消失や破損といった深刻な問題を引き起こす可能性があります。そのため、システム設計の段階から、データ競合が発生しないように注意深く検討する必要があります。