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魅せる黒で、映像体験を革新する有機ELテレビ

これまで、薄型テレビといえば液晶テレビが主流でしたが、近年、さらに薄くなった有機ELテレビが人気を集めています。 従来の液晶テレビは、画面の背面から光を当てるバックライトと、その光の色を調整するカラーフィルターで構成されているため、どうしてもある程度の厚みが出てしまいます。 一方、有機ELテレビは、画面を構成する素材自体が光を発する仕組みを持っているため、バックライトが不要です。そのため、液晶テレビでは実現できないほどの薄さを実現できるのが大きな特徴です。 この薄さは、まるで壁に絵画を飾っているかのような感覚を与え、スタイリッシュな空間を演出します。また、薄型化によって軽量化も実現しており、設置場所の自由度も高まりました。 さらに、バックライトを使用しないことで、黒色の表現力が飛躍的に向上しました。液晶テレビでは、バックライトの光が完全に遮断できず、黒色がどうしても白っぽくなってしまうという課題がありました。しかし、有機ELテレビでは、電気を流さない部分は発光しないため、漆黒のような完全な黒色を表現することが可能です。 これらの特徴から、有機ELテレビは、従来のテレビの常識を覆す革新的な製品と言えるでしょう。
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キャプテンシステム:幻の次世代情報網

昭和の終わり頃、人々は情報を求めていました。新聞、テレビ、ラジオ以外にも、もっと手軽に、もっと多くの情報に触れたいという思いがありました。そんな中、郵政省と電電公社が協力して、画期的な情報ネットワークシステムを開発しました。それが「キャプテンシステム」です。 キャプテンシステムの最大の特徴は、特別な機器を必要とせず、既に多くの家庭に普及していた電話回線とテレビを使って情報を取得できる点でした。専用の端末を購入する必要はなく、手軽にシステムを利用することができました。 このシステムを通じて、文字情報はもちろんのこと、図形や静止画なども送受信できました。ニュースや天気予報、株価情報といった暮らしに役立つ情報から、旅行情報や趣味に関する情報まで、その内容は多岐に渡りました。 キャプテンシステムは、当時としては画期的な情報ネットワークであり、人々の情報へのアクセス方法を大きく変える可能性を秘めていました。しかし、その後、パソコンやインターネットの急速な普及により、その役目を終えることになりました。
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SDTVってなに?:少し昔のテレビの話

- SDTVとは SDTVは、Standard Definition Televisionの略称で、日本語では標準画質テレビといいます。少し前までテレビ放送の主流だった規格です。 地上デジタル放送が始まる前は、テレビ放送は電波を使って送られていました。この時代のテレビ放送の規格がSDTVです。SDTVは、画面の横幅に約720個の点(画素)が並んでおり、画面の縦横比は43でした。 SDTVは、地上デジタル放送が始まるまで長い間、テレビ放送の標準的な規格として親しまれてきました。しかし、技術の進歩とともに、より高画質で臨場感のある映像が見られるハイビジョンや4K、8Kなどの高画質テレビが登場しました。 これらの高画質テレビの普及に伴い、現在ではSDTVは主流ではなくなりましたが、現在でも一部の番組や地域ではSDTVで放送されている場合があります。
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HDMIってなに? ~接続の基礎知識~

- HDMIとはHDMIは「High-Definition Multimedia Interface」の略称で、日本語では「高精細度マルチメディアインターフェース」と言います。テレビやビデオデッキ、パソコン、ディスプレイといった様々なデジタル機器同士を繋いで、高画質・高音質のデジタルデータを送受信するための規格です。従来のアナログ接続では、映像と音声の信号を送るのに別々のケーブルが必要でした。しかしHDMIは、1本のケーブルで映像と音声の両方の信号をデジタルで伝送できるため、配線が格段にシンプルになりました。しかもデジタル伝送なので、信号の劣化が少なく、美しい映像とクリアな音声をそのまま楽しむことができます。HDMIは、パソコンとディスプレイを接続する場合にも広く利用されています。従来のアナログ接続と比べて、高解像度・高フレームレート・広色域表示が可能となり、よりリアルで滑らかな映像表現を実現できます。また、著作権保護機能も備わっているため、デジタルコンテンツを安全にやり取りすることも可能です。このようにHDMIは、デジタル時代に対応した、利便性と高品質を兼ね備えたインターフェースとして、様々なデジタル機器で採用されています。
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地上デジタルテレビジョン放送:高画質テレビの時代

- 地上デジタルテレビジョン放送とは 地上デジタルテレビジョン放送は、従来のアナログ方式のテレビ放送を、コンピューターでも処理しやすいデジタルデータに変換して送受信する新しい放送方式です。2011年7月までに、日本全国で従来のアナログ放送から地上デジタル放送への移行が完了しました。 地上デジタル放送は、電波塔から送信される地上波を利用して放送信号を送ります。そのため、ケーブルテレビへの加入や衛星放送の受信設備がなくても、電波を受信できる環境さえ整っていれば、誰でも無料で地上デジタル放送を視聴できます。 デジタル方式の採用により、従来のアナログ放送と比べて、画質や音質が向上しました。また、番組の情報や字幕などをデジタルデータで送ることができるため、番組内容をより深く理解することができます。さらに、災害時などの緊急時には、より早く正確な情報を視聴者に伝えることも可能です。
IT

アナログ放送とは?仕組みと歴史をわかりやすく解説

- アナログ放送の概要アナログ放送とは、映像や音声などの情報を電波に乗せて送る方法の一つで、情報を伝える信号にアナログ信号を用いる放送方式です。電波は、情報を遠くまで伝えるための搬送波の役割を担っており、この搬送波の形を変化させることで、音声や映像などの情報を載せています。アナログ放送では、搬送波の形を、音声や映像の強弱に合わせた連続的な変化で表現することで情報を伝えています。例えば、明るい映像を送りたい場合は、電波の振幅を大きくし、暗い映像を送りたい場合は、電波の振幅を小さくすることで、光の強弱を表現しています。音声も同様に、音の強弱を電波の振幅の変化で表しています。このように、アナログ放送は、電波という連続的に変化する物理現象を用いて、情報を連続的な信号として送受信する方法と言えます。しかし、アナログ信号は、電波の伝送過程でノイズや干渉の影響を受けやすく、画質や音質の劣化が生じやすいという欠点も抱えています。2011年7月24日をもって、日本の地上アナログテレビ放送は終了し、デジタル放送に移行しました。デジタル放送は、情報を0と1のデジタル信号に変換して送受信するため、ノイズや干渉の影響を受けにくく、高画質・高音質な放送を実現できます。
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EPGのススメ~番組表はもう古い!?~

- 番組電子案内、EPGとは?EPGとは、「Electronic Program Guide」の略語で、日本語では「番組電子案内」と呼ばれています。 テレビや録画機器の画面上に表示されるもので、見たい番組を簡単に探せる便利な機能です。EPGが登場するまでは、新聞に掲載されているテレビ欄やテレビ雑誌の番組表を見て、見たい番組を探していました。しかし、これらの方法では、目的の番組を探すのに時間がかかってしまったり、番組表に掲載されている情報量が限られているため、番組の内容を詳しく知ることができないといった課題がありました。EPGは、従来の番組表の課題を解決する画期的な機能でした。 テレビ画面上で、放送される番組の一覧や番組の詳細情報を得られるようになり、視聴者は新聞や雑誌を開くことなく、見たい番組を簡単に探せるようになりました。 番組表はジャンルや放送時間帯などで絞り込むこともでき、より効率的に目的の番組を探せるようになっています。また、EPGには番組の内容を詳しく紹介するテキスト情報だけでなく、写真や動画などの視覚的な情報も含まれている場合があります。これにより、視聴者は番組の内容をより深く理解し、興味のある番組を簡単に見つけることができるようになりました。EPGは、視聴者の利便性を大きく向上させただけでなく、テレビ番組の視聴スタイルにも大きな変化をもたらしました。
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テレビライフを変える? セットトップボックスの可能性

- セットトップボックスとは?近年の技術革新により、従来のテレビ放送に加えて、インターネットを通じて様々な動画やサービスを楽しむ方が増えています。このような中、テレビ画面上でインターネット配信の動画サービスや、テレビ放送以外のコンテンツを視聴するために欠かせない機器が、セットトップボックスです。セットトップボックスは、インターネット回線とテレビを接続するための機械です。例えば、動画配信サービスを楽しむ場合、これまでパソコンやスマートフォンなどの小さな画面で視聴していた方も多かったのではないでしょうか。セットトップボックスを利用すれば、これらのサービスを大画面テレビで、家族や友人と共有しながら楽しむことができます。また、セットトップボックスは、動画配信サービスだけでなく、音楽配信サービスやゲーム、インターネット閲覧など、様々なコンテンツに対応していることも大きな特徴です。従来のテレビ放送では得られなかった、豊富なエンターテイメントを手軽に楽しむことができるようになるため、生活をより豊かに彩ってくれるでしょう。このように、セットトップボックスは、進化し続ける多様なサービスと、私たちをつなぐ懸け橋として、ますます重要な役割を担っていくと考えられます。
その他

サイマル放送:複数の場所で、同時に同じ番組を楽しむ

- サイマル放送とはサイマル放送とは、一つの放送局が複数のチャンネルや放送方式を駆使して、全く同一の内容の番組を同時に放送することです。これは、視聴者が自分の生活スタイルや受信環境に合わせて、最も都合の良い方法で番組を楽しむことができるようにという配慮から生まれました。例えば、通勤途中に車でラジオを聴きながら、家に帰ったらテレビの大画面で同じ番組の続きを楽しむ、といった使い方ができます。また、電波状況の悪い地域では、地上デジタル放送が受信しづらい場合でも、BSデジタル放送で同じ番組を視聴できる場合があります。このように、サイマル放送は、視聴者により多くの選択肢と利便性を提供する放送形態と言えるでしょう。具体的な例としては、テレビ放送とラジオ放送で同時に同じニュース番組を流したり、地上デジタル放送とBSデジタル放送で同じドラマを放送したりすることが挙げられます。近年では、インターネットの普及に伴い、テレビ放送と同時にインターネットで同じ番組を配信する「同時配信」も増えてきました。これも広い意味でのサイマル放送と言えるでしょう。サイマル放送は、今後も進化を続け、視聴者の多様なニーズに応えていくことが期待されます。