システム運用

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ITシステム

システム停止?それは「閉塞」かもしれません

- システムにおける「閉塞」とは?日常生活ではあまり耳にすることのない「閉塞」という言葉ですが、情報技術の分野では、頻繁に利用される表現です。システムを一定時間停止し、利用者がアクセスできない状態にすることを指します。システムの「閉塞」は、主にメンテナンスや更新作業のために実施されます。 例えば、銀行のシステムは、日中の取引処理を停止することなく、最新のセキュリティ対策や機能追加を行うために、夜間に「閉塞」されることがあります。 また、オンラインゲームも、新しいコンテンツの追加や不具合の修正のために、定期的に「閉塞」を行い、サーバーの更新作業を行います。「閉塞」は、利用者に不便をかけることもありますが、システムの安定稼動やセキュリティ確保、サービスの向上には欠かせないものです。計画的に「閉塞」を実施することで、システムの長寿命化や信頼性の向上を図ることができます。近年では、利用者の影響を最小限に抑えるため、可能な限り短い時間で「閉塞」を完了させる技術や、システムの一部だけを停止する部分閉塞といった方法も取り入れられています。
ITシステム

情報システム構築の基礎知識:オンプレミスとは

- オンプレミスとは企業が情報システムを導入する際、大きく分けて二つの方法があります。一つは必要な設備やソフトを自社で用意して運用する方法、もう一つはインターネットを通じてサービスとして利用する方法です。前者の、自社で所有し運用する方法を「オンプレミス」と呼びます。オンプレミスでは、サーバーやネットワーク機器などの設備一式を自社のオフィススペースなどに設置し、そこでシステムを稼働させます。まるで会社の事務所に、情報システム専用の部屋を作ってしまうようなイメージです。自社で全てを管理するため、システムの自由度が高く、セキュリティ対策も独自に行える点が大きなメリットです。2000年代後半から、インターネット経由で様々なサービスが利用できる「クラウドコンピューティング」が普及し始めました。しかしそれ以前は、企業が情報システムを運用する方法は、ほぼオンプレミスに限られていました。そのため、多くの企業にとって、オンプレミスは馴染み深いシステム構築の方法と言えるでしょう。
ITシステム

プロビジョニングとは何か?

- 準備と提供、それが「プロビジョニング」 「プロビジョニング」とは、本来「準備」や「提供」といった意味を持つ言葉です。特に、情報通信技術(ICT)の分野では、顧客が必要とするコンピューター、ソフトウェア、ネットワークなどのリソースを、必要な時にすぐに使えるように用意しておくことを指します。 例えるなら、レストランのお客さんがスムーズに食事を楽しめるように、事前にテーブルや食器、料理を準備しておくようなイメージです。 飲食店で、お客さんが来てからテーブルや食器を準備したり、注文を受けてから食材を洗ったりしていては、提供までに時間がかかってしまいます。それと同じように、ICTの分野でも、顧客が必要とするタイミングですぐにサービスを提供できるように、あらかじめ必要なリソースを用意しておくことが重要になります。 この「プロビジョニング」というプロセスがあることで、顧客は必要な時にすぐにサービスを利用開始できるというわけです。例えば、新しいオンラインサービスに登録したときに、すぐにアカウントが利用可能になるのも、プロビジョニングのおかげと言えるでしょう。
IT

インシデントとは?その意味と重要性を解説

- インシデントの意味「インシデント」とは、普段利用しているシステムやサービスに何らかの問題が生じ、本来提供されるべき機能や品質が損なわれてしまう出来事を指します。もっと分かりやすく言うと、普段通りに動かない、あるいは本来とは違う動きをしてしまう状態のことです。例えば、誰もが利用するインターネットサービスや、企業が業務で使うシステムなどが突然停止してしまったらどうでしょうか。あるいは、個人情報や機密情報が外部に漏れてしまったら? これらは全て「インシデント」の例です。「インシデント」と混同しやすい言葉に「アクシデント」や「ハプニング」がありますが、これらの言葉は、予期せぬ出来事や偶然起きた出来事を広く指すのに対し、「インシデント」は情報システムやサービスに限定された言葉です。さらに重要なのは、「インシデント」は単なるシステムの不具合やトラブルではなく、事業活動や情報セキュリティに重大な影響を及ぼす可能性がある点です。企業にとっては、顧客に対するサービスの提供が遅延したり、停止したりすることで信用を失墜させ、経済的な損失を被る可能性もあります。また、情報漏えいは、企業の信用問題だけでなく、法的責任や社会的制裁を受ける可能性も孕んでいます。このように、「インシデント」は企業にとって決して軽視できない問題であり、その発生を予防するための対策や、発生した場合の適切な対応が求められます。
セキュリティ

アクセスログ:Webサイトの足跡を辿る

- アクセスログとは アクセスログとは、ウェブサイトやサーバーに誰かがアクセスした際に、その行動が記録されたデータのことです。ウェブサイトを閲覧する人々が、いつ、どこから、どのページを訪れたのかといった情報が、アクセスログには克明に記されます。 例えるなら、ウェブサイトという建物に、訪問者が残していく足跡のようなものです。誰がいつ訪れたのか、どの部屋をどれくらい見て回ったのか、といった情報が、足跡から読み取れるように、アクセスログからも、ウェブサイトへのアクセス状況を把握することができます。 アクセスログには、アクセス日時、アクセス元のIPアドレス、閲覧したページのURL、使用ブラウザやOSの種類、参照元など、様々な情報が含まれます。これらの情報は、ウェブサイトの運営状況を分析し、改善するために活用されます。 例えば、どのページが多く閲覧されているかを分析することで、人気コンテンツを把握したり、逆に、閲覧数が少ないページを改善したりすることができます。また、アクセスが多い時間帯を把握することで、サーバーの増強やコンテンツの更新タイミングを検討することも可能です。 このように、アクセスログは、ウェブサイトをより良いものへと成長させていくために欠かせない、重要な情報源と言えるでしょう。
ITシステム

システムの安定稼働に不可欠な「可用性」とは?

- 「使える状態」を保つこと 「可用性」とは、コンピュータシステムやソフトウェア、インターネット上のサービスなどが、利用者が使いたい時にきちんと使える状態であることを示す言葉です。 システムは常に動き続けてくれるのが理想ですが、実際には機械の調整や、予想外の故障が起こる可能性があり、その間はサービスが使えなくなってしまうことがあります。 可用性は、このようなサービスの停止時間を極力減らし、システムをできるだけ長く動かせる状態にしておくことを目指す考え方です。 例えば、オンラインショップであれば、いつでも利用者が商品を購入できる状態であることが重要です。システムの不具合でサービスが停止してしまうと、売上の損失に繋がりかねません。また、銀行のオンラインバンキングサービスであれば、預金の確認や振込などがいつでも行える状態であることが求められます。 このように、可用性はシステムやサービスの信頼性、ひいては企業の信頼性にも関わる重要な要素と言えます。
ITシステム

ログ:システムの足跡を辿る

私たちが日々何気なく使っているソフトウェアやシステム。これらが正常に動作する裏側では、プログラムの起動や停止、データの送受信など、実に様々な出来事が起こっています。これらの出来事を、いつ、何が、どのように起きたのか、という情報と共に時系列に記録したものが「ログ」と呼ばれるものです。 ログには、大きく分けていくつかの種類があります。例えば、システム内部で起こった事象を記録した「システムログ」、ウェブサイトやアプリケーションへのユーザーのアクセス状況を記録した「アクセスログ」、アプリケーションの動作状況を記録した「アプリケーションログ」などです。 ログは、システムの安定稼働やセキュリティ確保のために非常に重要な役割を担っています。例えば、システムに不具合が発生した場合、ログを調べることで、その原因を突き止めることができます。また、アクセスログを分析することで、ユーザーの行動パターンを把握し、ウェブサイトやアプリケーションの使い勝手を向上させることも可能です。さらに、不正アクセスなどのセキュリティ上の脅威を検知するためにも、ログは欠かせない情報源となります。 このように、ログはシステム開発や運用において、様々な場面で活用される重要な情報源と言えるでしょう。
ITシステム

コンピュータの仕事を管理する: ジョブ管理とは

- ジョブ管理とは何かジョブ管理とは、コンピュータにさまざまな処理を実行させる際に、それらの処理を効率的かつ順番通りに行うための仕組みのことです。 処理を効率化し、ミスなく完了させるために欠かせない技術と言えるでしょう。私たちの身の回りでも、ジョブ管理は活躍しています。例えば、企業では、毎月の給与計算や売上集計など、多くのプログラムを決められた順番通りに実行する必要があります。また、膨大な顧客データの分析や、新商品開発のためのシミュレーションなど、大量のデータを一度に処理する場面も少なくありません。このような場合に、ジョブ管理システムが力を発揮します。ジョブ管理システムは、個々の処理を「ジョブ」という単位で管理します。それぞれのジョブの実行開始や終了時刻を設定したり、ジョブの進捗状況を監視したりすることができます。また、エラーが発生した場合には、自動的に処理を中断したり、担当者に報告したりする機能も備えています。ジョブ管理システムの導入により、これまで人手で行っていた作業を自動化できるため、業務の効率化と正確性の向上が見込めます。さらに、処理の進捗状況をリアルタイムで把握できるため、問題が発生した場合にも迅速に対応できます。このように、ジョブ管理は、現代のビジネスにおいて非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
ITシステム

システムの縁の下の力持ち「バッチ処理」

- 「バッチ処理」とは 「バッチ処理」とは、コンピュータを使ってたくさんの作業をまとめて自動で行う処理のことです。 例えば、銀行のシステムを思い浮かべてみましょう。 日中はお客様がATMを使ったり、オンラインバンキングで取引したりと、その都に対応した処理が行われています。 しかし、夜間になると、日中の取引をまとめて反映して金利を計算したり、口座の残高を集計したりする必要があります。 このような、人が介在せずに、まとめて自動で処理を行うのが「バッチ処理」です。 バッチ処理は、銀行のシステム以外にも、毎月の給料計算や、大量のデータを分析する作業など、様々な場面で使われています。 大量のデータを効率よく処理できることが大きなメリットと言えるでしょう。 また、決まった時間に自動で処理を行うように設定できるので、人手不足の解消にも役立ちます。