シェアードサービス

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企業グループの進化:SSC導入のススメ

- 企業グループにおける共通課題多くの企業が、事業拡大やリスク分散などを目的に、複数のグループ会社で構成される企業グループを形成しています。しかし、このような企業グループにおいては、各社がそれぞれ人事、総務、経理といったコーポレート業務を個別に行っているケースが一般的です。このような体制は、一見すると各社の独立性を保つ上で適切なように思えますが、実際には様々な課題を生み出す要因となっています。まず、各社が個別に業務を行うことで、業務の重複が発生し、非効率な運用体制に陥りやすくなります。例えば、人事システムや経理システムなどが各社バラバラに導入されていると、システムの維持管理やバージョンアップに多大な時間と費用を費やすことになります。また、同様の業務を各社で行う必要があるため、人材の有効活用が阻害される可能性もあります。さらに、品質のばらつきも大きな問題です。人事評価やコンプライアンス対応など、企業グループ全体で統一性を図ることが重要な業務においても、各社独自のやり方で行っていると、グループ全体での統一的な基準やルールを徹底することが難しくなります。これは、企業グループ全体のブランドイメージを損なったり、法的リスクを高めたりすることに繋がりかねません。企業規模が大きくなり、グループ会社の数が増加するほど、これらの課題はより深刻化します。そのため、企業グループ全体としての競争力を維持・強化するためには、グループ全体で業務を標準化し、効率化・高品質化を図ることが喫緊の課題と言えるでしょう。
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グループ経営を効率化するシェアードサービス

- シェアードサービスとは企業グループ全体で、業務の効率化やコスト削減を目指す取り組みの一つに、シェアードサービスがあります。多くの企業で共通して存在する、いわゆる間接部門の業務を集約し、専門組織が一括して処理を行う仕組みです。具体的には、総務、人事、経理、法務といった業務がシェアードサービスの対象となります。これらの業務は、企業の規模や業種に関わらず、共通して発生する業務です。従来は、各企業が個別にこれらの業務を行っていましたが、それでは人材やコストの面で非効率が生じがちでした。そこで、シェアードサービスセンターと呼ばれる専門組織を設立し、グループ全体でこれらの業務を集約・処理することで、効率化を図ろうという動きが生まれてきました。 シェアードサービスセンターでは、業務の標準化やシステム化を進めることで、業務の効率化とコスト削減を実現します。また、専門性の高い人材を育成・配置することで、業務の質の向上も期待できます。シェアードサービス導入によるメリットは、コスト削減だけではありません。業務の標準化やシステム化によって、業務プロセス全体の可視化が進み、内部統制の強化やコンプライアンス遵守にも役立ちます。また、各企業はコア業務に集中できるようになり、競争力強化につながるという効果も期待できます。