コンピューティング

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ITシステム

複数台の連携による処理能力向上:クラスターとは

複数の計算機を繋げて、あたかも一つの巨大な計算機のように動かす技術を「クラスター」と呼びます。それぞれの計算機は「ノード」と呼ばれ、互いに連携しながらデータの処理やサービスの提供を行います。クラスター技術は、一台の計算機では到底処理しきれないような、膨大なデータの処理や複雑な計算を高速で行うことを可能にします。 クラスターには、主に二つの目的があります。一つは「高性能化」です。多数のノードを並列処理に活用することで、処理時間を大幅に短縮し、計算能力を飛躍的に向上させることができます。もう一つは「高可用性」です。万が一、一つのノードに障害が発生した場合でも、他のノードが処理を引き継ぐことで、システム全体が停止するリスクを減らし、安定稼働を実現します。 このような特徴から、クラスター技術は大規模な科学技術計算や、金融機関における取引処理、インターネットサービスの提供など、高い処理能力と安定性が求められる様々な分野で広く活用されています。
IT

ユビキタス:いつでもどこでも繋がる社会

- ユビキタスとは 「ユビキタス」は、ラテン語で「遍在する」、つまり「どこにでもある」という意味を持つ言葉です。 この言葉が情報通信技術(ICT)の分野で使われるようになったのは、1990年代のこと。当時、 Xerox社のマーク・ワイザー氏が提唱した「ユビキタスコンピューティング」という概念が始まりと言われています。 ワイザー氏は、コンピュータが私たちの身の回りに、まるで電気や水道のように当たり前に存在し、意識することなく利用できる未来を予見していました。そして、今日、私たちの身の回りには、スマートフォンやタブレット端末、インターネットに接続された家電製品、街中のセンサーなど、様々なコンピュータが存在しています。 これらの機器は、インターネットを通じて互いに情報をやり取りし、私たちに最適な情報やサービスを提供しています。例えば、スマートフォンの地図アプリは、私たちの位置情報を利用して、目的地までの最適な経路を案内してくれます。また、スマート家電は、私たちの生活パターンを学習し、自動で照明を調整したり、エアコンの温度を調節したりしてくれます。 このように、コンピュータの存在を意識することなく、いつでもどこでも、必要な情報やサービスにアクセスできる環境が、ユビキタスな社会です。そして、ユビキタス社会の実現は、私たちの生活をより便利で快適なものにしてくれると期待されています。