
複数台の連携による処理能力向上:クラスターとは
複数の計算機を繋げて、あたかも一つの巨大な計算機のように動かす技術を「クラスター」と呼びます。それぞれの計算機は「ノード」と呼ばれ、互いに連携しながらデータの処理やサービスの提供を行います。クラスター技術は、一台の計算機では到底処理しきれないような、膨大なデータの処理や複雑な計算を高速で行うことを可能にします。
クラスターには、主に二つの目的があります。一つは「高性能化」です。多数のノードを並列処理に活用することで、処理時間を大幅に短縮し、計算能力を飛躍的に向上させることができます。もう一つは「高可用性」です。万が一、一つのノードに障害が発生した場合でも、他のノードが処理を引き継ぐことで、システム全体が停止するリスクを減らし、安定稼働を実現します。
このような特徴から、クラスター技術は大規模な科学技術計算や、金融機関における取引処理、インターネットサービスの提供など、高い処理能力と安定性が求められる様々な分野で広く活用されています。