イノベーション

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その他

誰でも創造者!:ファブラボの可能性

- ファブラボとはファブラボは、「ほぼあらゆるもの」を形にすることができる、デジタル工作機械を備えた工房のことです。まるで、誰でも気軽に利用できる、「ものづくりのための秘密基地」のような場所と言えるでしょう。ファブラボには、三次元の設計データから立体物を作り出すことができる3Dプリンターや、レーザー光線を使って材料を切断したり彫刻したりするレーザーカッターなど、最新のデジタル工作機械が備わっています。もちろん、のこぎりやドライバーといった、昔から親しまれている工具も揃っています。これらの道具を使うことで、これまで専門的な知識や技術が必要とされてきたものづくりを、誰もが気軽に体験し、自分のアイデアを形にすることができるのです。ファブラボは、2002年にアメリカの有名な大学であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボで始まりました。「パーソナルファブリケーション」と呼ばれる、個人が簡単にものづくりを行える環境を広めることを目的としたこの取り組みは、世界中の人々の共感を呼び、瞬く間に広がっていきました。現在では、世界112カ国、2,000カ所以上でファブラボが運営されており、日本でも約200カ所のファブラボが活動しています。ファブラボは、子供たちの創造力を育む教育の場として、地域の人々が交流するコミュニティスペースとして、また、新しいビジネスを生み出すイノベーションの拠点として、様々な役割を担っています。近年では、地域課題の解決や、持続可能な社会の実現に向けて、ファブラボを活用する動きも活発化しています。
その他

既存市場を揺るがす「破壊者」、ディスラプターとは?

「ディスラプター」という言葉をご存知でしょうか?近年、ビジネスの世界で頻繁に耳にするようになったこの言葉は、既存の市場や産業に大きな変化をもたらす革新者や、その技術を指します。 まるで静かな水面に石を投げ込むように、ディスラプターの登場は、従来の常識や秩序を大きく揺さぶり、新たな時代を切り開く力強い波を生み出します。 従来の技術やサービスを大きく上回る、革新的な技術やアイデアを持った製品やサービスを、ディスラプターは生み出します。それは既存の市場を破壊し、新たな市場を創造するほどのインパクトを持っています。 例えば、従来の携帯電話市場に革命を起こしたスマートフォンは、まさにディスラプターと呼ぶにふさわしいでしょう。高機能携帯電話が主流であった時代に、全く新しい概念と技術で市場を一変させました。 ディスラプターの特徴は、既存の大企業が目を向けなかったニッチな市場や、顧客層の潜在的なニーズを巧みに捉えている点にあります。彼らは、既存のルールにとらわれず、斬新な発想と行動力で、これまでにない製品やサービスを世に送り出していくのです。
開発

攻めの研究開発!STUとは?

- STUの概要STU(Strategic Technology Unit)は、戦略技術単位とも呼ばれ、企業の未来を担うような革新的な技術や製品を生み出すことを目的とした少人数で構成された研究開発チームです。限られた予算、人員、期間の中で、従来の研究開発の枠にとらわれず、全く新しい発想と技術で他に類を見ない開発成果を生み出すことが期待されています。大企業などでは、既存事業の収益を維持しながら、新しい技術や製品を生み出すことは容易ではありません。既存事業の規模が大きくなればなるほど、組織の慣習や意思決定のプロセスが複雑化し、全く新しい分野の研究開発や、リスクの高い挑戦的なプロジェクトには着手しにくくなる傾向があります。そこで、STUは、既存の組織とは独立した小規模なチーム体制を構築することで、意思決定の迅速化、柔軟な予算運用、迅速な開発サイクルを実現します。これにより、従来の組織では難しかった、スピード感を持った研究開発や、リスクを取った挑戦的なプロジェクトへの取り組みが可能になります。さらに、STUは、その小規模なチーム体制から、予算の無駄を抑制し、仮に一定の成果に結びつかなかった場合でも、撤退が容易でコストを抑えられるというメリットがあります。これは、大規模な組織では難しい、リスク管理の面でも優れている点と言えるでしょう。