Wi-Fiのセキュリティ規格WPAとは?

Wi-Fiのセキュリティ規格WPAとは?

ICTを知りたい

先生、「WPA」ってなんですか?

ICT研究家

「WPA」は、無線でインターネットを使うためのWi-Fiをより安全に使うための仕組みだよ。昔使われていた「WEP」よりも、もっと複雑な方法で情報を守るんだ。

ICTを知りたい

複雑な方法って、どういうことですか?

ICT研究家

簡単に言うと、合言葉をかけるだけでなく、もっと複雑な暗号を使って情報を守っているんだ。だから、他人が勝手にインターネットに接続することを防ぐことができるんだよ。

WPAとは。

「情報通信技術に関係する言葉、『WPA』について説明します。『WPA』は、『ワイファイ プロテクテッド アクセス』の略で、ワイファイ機器の業界団体であるワイファイアライアンスが2002年10月に提案した、ワイファイのセキュリティに関する決まりです。それまでのワイファイ機器で使われていた暗号化方式『WEP』(ワイアードイクイバレントプライバシー)は、比較的簡単に解読されてしまうという問題点があったため、その弱点を補うために『WPA』が作られました。『WPA』では、利用者確認に『EAP』、暗号化方式に『TKIP』と呼ばれる仕組みが使われています。『WPA』に対応した製品には、ワイファイアライアンスが発行する『ワイファイ サーキファイド』のロゴを付けることができます。

WPAの概要

WPAの概要

– WPAの概要WPAは「Wi-Fi Protected Access」の略称で、無線LANのセキュリティ規格の一つです。2002年10月に、無線LANの普及や促進を目的とする業界団体であるWi-Fiアライアンスによって提唱されました。WPAが開発された背景には、それまで広く利用されていた無線LANのセキュリティ規格であるWEPの脆弱性がありました。WEPは、暗号化の仕組みが弱く、比較的簡単に解読されてしまう可能性がありました。そのため、第三者による不正アクセスや盗聴のリスクが懸念されていました。WPAは、このWEPの脆弱性を克服するために開発されました。より強力な暗号化方式を採用し、さらにユーザー認証の仕組みも取り入れることで、WEPよりも安全な無線LAN通信を実現しました。具体的には、WPAではTKIP(Temporal Key Integrity Protocol)と呼ばれる暗号化方式が採用されています。TKIPは、WEPと比較して暗号鍵の長さが長く、また、暗号鍵を定期的に更新する機能があるため、解読がより困難になっています。このように、WPAはWEPの脆弱性を克服するために開発された、より安全性の高い無線LANのセキュリティ規格と言えるでしょう。

項目 内容
名称 WPA (Wi-Fi Protected Access)
定義 無線LANのセキュリティ規格
提唱団体 Wi-Fiアライアンス
提唱年 2002年10月
開発背景 従来規格WEPの脆弱性克服
WEPの問題点 暗号化の脆弱性、不正アクセスや盗聴のリスク
WPAの特徴 – 強力な暗号化方式(TKIP)
– ユーザー認証
– 暗号鍵の長時間化
– 定期的な暗号鍵更新
効果 WEPより安全な無線LAN通信

WPAの特徴

WPAの特徴

– WPAの特徴無線LANのセキュリティ規格であるWPAは、それまでの規格であったWEPの脆弱性を克服するために開発され、多くの特徴を持っています。その中でも大きな特徴の一つが、TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)と呼ばれる暗号化方式の採用です。WEPでは暗号化の鍵が固定されていたため、解読が比較的容易であるという問題点がありました。一方TKIPは、データを送信するたびに暗号鍵を動的に変更することで、セキュリティ強度を大幅に向上させています。そのため、WEPと比べて解読が非常に困難になり、無線LANの安全性を大きく高めました。さらにWPAでは、EAP(Extensible Authentication Protocol)と呼ばれるユーザー認証の仕組みも導入されています。従来のWEPでは、ユーザー名とパスワードのみで認証を行っていたため、盗聴やなりすましのリスクがありました。しかしEAPを採用したWPAでは、ユーザー名とパスワードに加えて、デジタル証明書などを利用したより強固な認証が可能となりました。この柔軟な認証方式により、企業内ネットワークなど、高いレベルのセキュリティが求められる環境にも対応できるようになりました。このようにWPAは、TKIPによる強固な暗号化とEAPによる柔軟な認証の仕組みを導入することで、無線LANのセキュリティを大幅に向上させました。

項目 WEP WPA
暗号化方式 固定鍵 TKIP (動的に鍵を変更)
認証方式 ユーザー名とパスワード EAP (デジタル証明書等も利用可能)
セキュリティ強度 低い 高い
解読の難易度 容易 困難
なりすましのリスク 高い 低い

WPAの普及

WPAの普及

– WPAの普及

無線LANのセキュリティ規格であるWPAは、Wi-Fiアライアンスという団体によって提唱されました。
この団体が定めた規格に適合した製品には、「Wi-Fi CERTIFIED」というロゴマークが貼られるため、消費者は安心して製品を選ぶことができます。
そのため、WPAは多くの企業の支持を集め、世界中に瞬く間に広まりました。

WPAが登場する以前は、無線LANのセキュリティは脆弱であり、企業では導入をためらうケースも見られました。
しかし、WPAによってセキュリティが大幅に向上したことで、企業でも安心して無線LANを導入できるようになりました。
さらに、家庭でも手軽に無線LANを利用できるようになり、インターネットの普及を大きく後押ししました。

このように、WPAは無線LANのセキュリティを向上させることで、企業と家庭の両方に大きな変化をもたらしました。
そして、今日では世界中で広く利用される無線LANの基盤となっています。

WPAのその後

WPAのその後

無線LANの安全性を高める技術として開発されたWPAは、その後も進化を続け、現在ではWPA2やWPA3といった新しい規格が登場しています。

WPA2は、WPAの脆弱性を解消するために開発され、より強力な暗号化方式を採用したことで、セキュリティが大幅に向上しました。現在普及している無線LAN機器の多くは、このWPA2に対応しており、安全な無線LAN環境を実現する上で重要な役割を担っています。

さらに、WPA2の後継規格としてWPA3が登場しました。WPA3では、従来のパスワード認証に加えて、より安全性の高い認証方式が導入され、パスワードが漏洩した場合でも不正アクセスを防ぐことができるようになりました。また、公共の無線LANなど、セキュリティの低い環境下での利用を想定し、通信内容の盗聴を防ぐ機能も強化されています。WPA3は、今後普及が進んでいくことで、より安全な無線LAN環境を実現していくことが期待されています。

このように、無線LANの利用シーンが拡大していく中で、WPAやその後の規格は、私たちの通信の安全を守るために進化を続けています。今後も、新しい技術が開発され、より安全な無線LAN環境が構築されていくことが期待されます。

規格 特徴 セキュリティ 普及状況
WPA 無線LANの安全性を高めるために開発された規格 脆弱性があった
WPA2 WPAの脆弱性を解消
より強力な暗号化方式
大幅に向上
現在主流
普及している
WPA3 WPA2の後継規格
より安全性の高い認証方式
通信内容の盗聴防止機能強化
パスワード漏洩時でも不正アクセスを防げる
セキュリティの低い環境での利用も想定
今後普及予定