SIPとは? インターネット電話の仕組みを解説

SIPとは? インターネット電話の仕組みを解説

ICTを知りたい

先生、この資料に『SIPは、通信相手の状況をリアルタイムで確認できる「プレゼンス機能」が搭載されている』って書いてあるんですけど、どういうことですか?

ICT研究家

いい質問だね!例えば、LINEを使っている時を想像してみて。友だちリストを見ると、誰が今オンラインで、誰がそうでないか分かるよね?SIPのプレゼンス機能もあれと似たような役割を持つんだ。

ICTを知りたい

なるほど!LINEで誰が通話可能か分かるのと同じように、SIPでも相手の状態が分かるんですね!

ICT研究家

その通り!だからSIPは、インターネット電話やビデオ会議など、相手の状態を確認することが必要なサービスで特に役立つんだね。

SIPとは。

「情報通信技術でよく聞く『セッション開始プロトコル』について説明します。これは、インターネット上で複数の相手とデータのやり取りをする際に、やり取りに必要な接続を準備したり、変更したり、切断したりする手順を決めたものです。インターネット電話では標準的に使われていて、インターネットの仕組みを使って、相手とデータのやり取りをするための道筋を作る役割を担っています。データを間違いなくやり取りするためには、相手のインターネット上の住所を確認したり、データの種類を共有したりするなど、いくつか決まりごとが必要です。セッション開始プロトコルは、これらの決まりごとを管理する役割を担っています。また、相手の状況をすぐに確認できる機能も備わっているため、音声通話やテレビ電話、テレビ会議、チャットなど、様々なサービスに利用されています。このプロトコルでは、機器やサーバーに専用のアドレスを割り振ることで、誰と通信するのかを特定します。音声や映像データは、別の専用の決まり事に従って送受信されます。セッション開始プロトコルは、インターネットで使う技術の標準化を進める団体によって、標準化が進められています。」

SIPの概要

SIPの概要

– SIPの概要SIP(セッション開始プロトコル)は、インターネット上で音声通話やビデオ会議などを実現するための通信の決まり事です。インターネット上で複数の機器が音声や映像などのデータをリアルタイムにやり取りするためには、データの送受信を管理し、通信をスムーズに行う仕組みが必要です。SIPは、このような役割を担うプロトコルの一つであり、インターネット電話の標準規格として広く普及しています。SIPは、通信を行う機器同士が通信セッション(データのやり取りを行う一連の流れ)を確立・管理・切断する際に必要な手順を定めています。例えば、インターネット電話をかけるとき、SIPは相手の機器と接続するための経路を確立し、通話に必要な情報を交換します。また、通話中に別の相手を追加したり、逆に通話を終了したりする際にも、SIPがその手順を制御します。SIPは、IPネットワーク上で動作するため、インターネットに接続できる環境であれば、場所を問わず利用できます。また、SIPは柔軟性が高く、音声通話だけでなく、ビデオ会議やインスタントメッセージなど、様々なリアルタイム通信サービスに応用できます。このように、SIPは現代のインターネット社会において欠かせない通信技術の一つと言えるでしょう。

項目 内容
SIPの定義 インターネット上で音声通話やビデオ会議などを実現するための通信の決まり事
SIPの役割 – インターネット上で複数の機器が音声や映像などのデータをリアルタイムにやり取りするための、データの送受信を管理し、通信をスムーズに行う仕組み
– 通信を行う機器同士が通信セッション(データのやり取りを行う一連の流れ)を確立・管理・切断する際に必要な手順を定めている
SIPの動作環境 IPネットワーク
SIPの用途例 – インターネット電話
– ビデオ会議
– インスタントメッセージ
SIPの特徴 – インターネットに接続できる環境であれば、場所を問わず利用できる
– 柔軟性が高く、様々なリアルタイム通信サービスに応用できる

SIPの役割と機能

SIPの役割と機能

– SIPの役割と機能SIP(Session Initiation Protocol)は、インターネット上で音声通話やビデオ通話、インスタントメッセージなどを実現するための通信規約です。 その役割は、まるで手紙の宛先確認や書式のように、データのやり取りをスムーズに行うためのルールを定めることです。SIPは、通信を行う機器同士がお互いのIPアドレスを把握し、音声や映像などのデータ形式を共有するための仕組みを提供します。 これにより、異なる種類の機器間でも問題なく通信できるようになります。 また、SIPは通信セッションの開始や終了、転送などを制御する機能も備えており、音声通話やビデオ会議などを円滑に行うことを可能にしています。さらにSIPは、「プレゼンス機能」と呼ばれる、通信相手の状態をリアルタイムで確認できる機能も提供します。 これは、相手が通話中なのか、応答可能なのかを事前に知ることを可能にするため、より便利で効率的なコミュニケーションを実現できます。このように、SIPはインターネット上の様々なリアルタイムコミュニケーションを支える重要な役割を担っています。

機能 説明
宛先確認と形式の定義 機器同士がデータのやり取りをスムーズに行うためのルールを提供
IPアドレスの把握とデータ形式の共有 異なる種類の機器間での通信を可能にする
セッション制御 通信セッションの開始、終了、転送などを制御し、円滑なコミュニケーションを実現
プレゼンス機能 通信相手の状態をリアルタイムで確認することを可能にする

SIPの仕組み

SIPの仕組み

– SIPの仕組み

インターネット上で音声や映像を使った通話を実現する技術であるSIP。この技術では、通話を行う機器やサーバーの一つ一つに、インターネット上の住所のような役割を果たすSIP URI(Uniform Resource Identifier)と呼ばれる識別子が割り当てられます。このSIP URIは、例えば電話番号のようなもので、これを使って相手を特定し、接続を確立します。

SIPは、電話をかける際の呼び出し音や、通話終了の処理など、通話全体の制御を司ります。しかし、実際に音声や映像のデータを送受信しているのは、RTP(Real-time Transport Protocol)と呼ばれる別のプロトコルです。SIPは、RTPが円滑にデータを送受信できるように、データ伝送のための経路を確保し、セッションと呼ばれる通信回線を確立・管理する役割を担っています。

例えるなら、SIPは電話交換手、RTPは手紙を運ぶ配達員のようなものです。電話交換手が相手を探して回線を繋ぎ(セッションの確立)、配達員が手紙(音声や映像データ)をやり取りすることで、私たちはスムーズに会話ができるのです。

SIPの仕組み

SIPの標準化

SIPの標準化

– SIPの標準化SIPは、インターネット上で様々な機器やアプリケーションが通信を行うための手順を定めたものです。このSIPの普及を大きく後押ししたのが、インターネット技術の標準化を進める組織であるIETF(Internet Engineering Task Force)による標準化です。IETFは、世界中の技術者が集まり、インターネット技術の標準仕様を策定している組織です。この組織によってSIPが標準化されたことで、異なるメーカーが開発した機器やソフトウェアであっても、SIPを用いて互いに通信できるという相互接続性が保証されました。これは、まるで異なる言語を話す人々が、共通の翻訳機を用いることで円滑にコミュニケーションを取れるようになるのと同じように、非常に重要な意味を持ちます。もし、SIPが標準化されていなかったとしたら、特定のメーカーの機器だけでしか通信できない、いわば「方言」のようなSIPが乱立していた可能性があります。そうなれば、利用者は自分の使いたい機器やサービスを選ぶ自由が制限され、SIPの普及は大きく妨げられていたでしょう。IETFによる標準化は、SIPが世界中で広く利用されるための礎となりました。そして、SIPは現在も進化を続けており、より安全で高機能なコミュニケーションを実現するための基盤技術として、更なる発展が期待されています。

項目 内容
SIP (Session Initiation Protocol) インターネット上で様々な機器やアプリケーションが通信を行うための手順を定めたもの
IETF (Internet Engineering Task Force) インターネット技術の標準化を進める組織。世界中の技術者が集まり、インターネット技術の標準仕様を策定。
SIPの標準化によるメリット 異なるメーカーの機器やソフトウェア間での相互接続性を保証
SIP標準化の重要性
  • 特定メーカーの機器だけでしか通信できない「方言」のようなSIPが乱立することを防止
  • 利用者の機器やサービスを選択する自由を保証
  • SIPの普及を促進
今後の展望 SIPは進化を続けており、より安全で高機能なコミュニケーションを実現するための基盤技術として、更なる発展が期待される。