VoIPとは:インターネット電話の基本と利点
ICTを知りたい
先生、「VoIP」って最近よく聞くんですけど、どういう意味ですか?
ICT研究家
「VoIP」は、インターネットを使って電話ができる技術のことだよ。例えば、LINE電話とか使ったことあるかな?
ICTを知りたい
LINE電話はよく使います!あれってインターネット回線を使ってるんですね。でも、なんでインターネットだと通話料がかからないんですか?
ICT研究家
いい質問だね!普通の電話は、専用の電話回線を使っているから通話料がかかるんだ。でも、「VoIP」はインターネット回線を使うから、通話料はかからず、インターネットの利用料金だけで済むんだよ。
VoIPとは。
「インターネットなどのネットワークを使って、音声で会話ができる技術を『VoIP』と言います。この技術を使うと、自分の声を相手にすぐに届けて、相手側のスピーカーなどで音を出すことができます。お互いに同じことをすることで、まるで電話のように会話ができるのです。しかも、インターネットの利用料金だけで使えるので、通話料はかかりません。」
VoIPの概要
– VoIPの概要
VoIPは、”Voice over Internet Protocol”の略称で、インターネットなどのコンピューターネットワークを通じて音声通話を実現する技術です。
従来の電話は、音声を送受信するために専用の電話回線を使用していました。一方、VoIPは、音声データをインターネット上でやり取りする仕組みです。
具体的には、音声はデジタルデータに変換され、パケットと呼ばれる小さなデータの塊に分割されます。そして、これらのパケットがインターネットを経由して相手に届けられ、再び音声として復元されます。
このように、VoIPは従来の電話回線ではなく、インターネット回線を利用するため、通話料金が安価になるというメリットがあります。また、インターネット回線があれば利用できるため、場所を選ばずに通話が可能です。さらに、音声通話だけでなく、ビデオ通話やチャットなどの機能を統合することも容易です。
VoIPは、近年、その利便性の高さから、企業や個人を問わず、広く利用されるようになっています。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | インターネットなどのコンピュータネットワークを通じて音声通話を実現する技術 |
仕組み | 音声をデジタルデータに変換し、パケット化してインターネット上で送受信 |
メリット |
|
利用状況 | 企業や個人問わず広く利用されている |
VoIPの仕組み
インターネットを使って音声を届ける技術、VoIP。まるで電話のように、遠くの人と会話ができる仕組みは、実は巧みな技術で成り立っています。
VoIPは、音声をインターネットで送受信できる形に変換するところから始まります。まず、マイクに向かって話した声が、コンピュータなどに取り込まれ、0と1のデジタル信号に変換されます。デジタル化された音声は、そのままでは大きすぎるため、「パケット」と呼ばれる小さなデータの単位に分割されます。
次に、宛先情報を記した電子的な封筒に、分割された音声パケットが詰められます。こうして準備が整ったパケットは、インターネットという広大なネットワークへと送り出されます。
インターネット上では、無数のデータが世界中を飛び交っていますが、VoIPのパケットは、宛先の情報に従って、最適な経路を選びながら、相手のもとへ届けられます。
そして最後に、相手のパソコンやスマートフォンに届いた音声パケットは、再び順番に組み立てられ、デジタル信号から音声信号へと変換されます。こうして、まるで直接話しているかのように、相手の声がスピーカーから聞こえてくるのです。
VoIPのメリット
– VoIPのメリットVoIPは、従来の電話と比べて様々な利点を持つ革新的な通信技術です。中でも最大のメリットは、通話料金が格安になる点です。従来の電話は、音声を通話専用の回線を使ってやり取りするため、距離が離れるほど料金が高額になる傾向がありました。一方、VoIPはインターネット回線を使って音声データを送受信します。そのため、国内外問わず、インターネットに接続できる環境さえあれば、基本的に無料で通話することができます。さらに、VoIPは国際電話も非常に低料金で利用できます。従来の国際電話は高額な料金が設定されていることが多かったですが、VoIPはインターネットを経由して通話するため、海外との通話が多い方にとって大きな経済的メリットとなります。従来の電話回線を利用した国際電話と比較して、VoIPは大幅なコスト削減を実現できるため、ビジネスシーンにおいても広く活用されています。
項目 | 従来の電話 | VoIP |
---|---|---|
通話料金 | 距離によって高額になる傾向 | 基本的に無料 |
国際電話 | 高額な料金設定 | 非常に低料金 |
メリット | – | – 国内外問わず低料金 – 国際電話の大幅なコスト削減 – ビジネスシーンでの活用 |
VoIPの利用シーン
インターネット回線を利用した音声通話サービスであるVoIPは、従来の電話に比べて通話料が安く、機能も豊富であることから、様々な場面で利用されています。
家庭では、固定電話の代わりとしてVoIPを利用するケースが増えています。VoIPサービスを提供する事業者は、全国一律の料金体系や、従来の固定電話と変わらない電話番号を提供しているため、気軽に乗り換えられます。また、スマートフォンにVoIPアプリをインストールすれば、外出先でもWifi環境があれば、低料金で通話をすることが可能です。
企業においても、VoIPは広く導入されています。社内の内線電話としてVoIPを利用することで、拠点が離れていても内線通話が可能となり、コミュニケーションの円滑化に繋がります。さらに、VoIPは音声データだけでなく、映像データも送受信できるため、遠隔会議システムの構築にも役立ちます。資料を共有しながら会議を行ったり、遠隔地にいる社員への研修などにも活用できます。このように、VoIPは企業の業務効率化やコスト削減に大きく貢献しています。
特徴 | 家庭での利用 | 企業での利用 |
---|---|---|
通話料 | 安い | 安い |
機能 | 豊富 | 音声・映像データの送受信が可能 |
メリット | – 固定電話からの乗り換えが容易 – 外出先でも低料金で通話可能 |
– 拠点間での内線通話が可能 – 遠隔会議システムの構築 – 業務効率化 – コスト削減 |
具体例 | – 全国一律料金体系 – 従来の固定電話と変わらない電話番号 – スマートフォンアプリでの利用 |
– 社内の内線電話 – 遠隔会議 – 遠隔研修 |
VoIPの今後の展望
– VoIPの今後の展望インターネットを使って音声通話を可能にするVoIPは、今後ますます私たちの生活に浸透していくと予想されています。その理由は、高速なインターネット回線の普及が挙げられます。インターネットが速くなれば、よりクリアで途切れにくい、高品質な音声通話が可能になるからです。
さらに、VoIP技術自体も日々進化を続けています。将来的には、さらに音声品質が向上するだけでなく、ビデオ通話やチャット機能など、より多くの機能が利用できるようになると期待されています。
また、近年注目を集めている5Gなどの次世代通信技術との連携も見逃せません。5Gは、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続といった特徴を持つことから、VoIPとの組み合わせによって、より高品質で安定したコミュニケーション手段として期待されています。
このように、VoIPは技術革新やインフラ整備によって、私たちの生活に欠かせないコミュニケーションツールとして、今後ますます発展していくと考えられています。