ITサービスの品質保証、SLAとは?

ITサービスの品質保証、SLAとは?

ICTを知りたい

「ICTに関連する用語『SLA』について教えてください。」

ICT研究家

「SLA」は、サービスの提供者と利用者の間で結ばれる、サービスの品質に関する約束事のことだよ。例えば、インターネットの回線速度をどれくらい保証するか、といったことを決めておくんだ。

ICTを知りたい

なるほど。でも、なぜそのような約束事が必要なのですか?

ICT研究家

良い質問だね。目に見える商品と違って、サービスは品質を事前に確かめるのが難しいよね。そこで、SLAを設けることで、利用者は安心してサービスを利用できるようになるんだ。また、もし約束した品質が守られなかった場合の補償なども明確になるんだよ。

SLAとは。

「情報通信技術にまつわる言葉、『サービスレベル合意』について説明します。これは、サービスを提供する側と利用する側の間で、サービスの質について取り決める約束事です。 物を売る場合は、たいてい品質保証がついていますが、形のない情報通信サービスでも同じように品質を保証するのが、この『サービスレベル合意』です。 例えば、インターネットやデータ保管などのサービスでよく使われています。 利用者は、この合意内容を見ることで、そのサービスがどれくらい使いやすいか、安定しているかを判断する目安にできます。 例えば、アマゾンのウェブサービスでは、「一ヶ月のうち、99%以上の時間使えるようにします」のように、具体的な数値で示しています。もし、約束したレベルよりもサービスが悪かった場合は、利用者は払ったお金の一部を返してもらうことができます。 情報通信サービスは、形がないものなので、サービスの内容や責任の範囲でトラブルが起きやすいと言えるでしょう。 ですから、サービスを提供する側が、あらかじめ『サービスレベル合意』をはっきりさせておくことで、責任の所在を明確にしたり、他社との違いを打ち出したりすることができます。 また、利用者も安心してサービスを利用でき、信頼関係を築くことにもつながります。」

SLAとは何か

SLAとは何か

– SLAとは何かSLAとは、サービスレベル合意と訳され、サービスの提供者と利用者が、サービスの品質について合意した内容を記したものです。これは、いわばサービスの品質保証書のような役割を果たします。SLAには、サービスの品質を測る具体的な指標とその目標値が明記されます。 例えば、ウェブサイトを運営するサービスであれば、「ウェブサイトの稼働率を99.9%以上とする」といったように、具体的な数値目標が定められます。その他にも、問い合わせへの応答時間やシステム障害発生時の復旧時間なども、SLAで規定される一般的な項目です。SLAは、特にITサービスにおいてその重要性を増しています。 ITサービスは形のないものが多いため、その品質や信頼性を目に見える形で示すことが容易ではありません。そこで、SLAによってサービスレベルを明確化することで、利用者は安心してサービスを利用できるようになり、提供者はサービス品質に対する責任を明確に示すことができるようになります。SLAは、単に文書を作成すればよいというものではありません。 サービス提供者と利用者が、SLAの内容について十分に協議し、互いに合意することが重要です。 また、SLAで定めたサービスレベルを維持・向上するための努力も欠かせません。

項目 内容
SLAとは サービスレベル合意。サービス提供者と利用者の間で、サービスの品質に関する合意内容を記した文書。サービスの品質保証書のような役割。
SLAの内容 サービスの品質を測る具体的な指標とその目標値を明記。

例:ウェブサイト稼働率99.9%以上、問い合わせ応答時間、システム障害発生時の復旧時間
SLAの重要性 特にITサービスにおいて重要。ITサービスは形のないものが多いため、SLAでサービスレベルを明確化することで、利用者は安心してサービスを利用でき、提供者はサービス品質に対する責任を明確に示せる。
SLA運用上の留意点 サービス提供者と利用者がSLAの内容について十分に協議し、互いに合意することが重要。SLAで定めたサービスレベルを維持・向上するための努力も必要。

SLAの必要性

SLAの必要性

– SLAの必要性従来、私たちが購入する製品の品質は、保証書などによって明確に示されていました。しかし、近年、目に見えないサービスに対しても、製品と同様の品質保証が求められるようになってきました。形のないサービスだからこそ、その品質や信頼性を明確に示す必要があるのです。そこで登場したのがSLA(サービス品質保証制度)です。SLAは、サービスの提供者と利用者の間で、サービスの品質に関する合意を文書化したものです。具体的には、サービスの稼働時間、応答時間、セキュリティレベル、障害発生時の対応などが細かく規定されます。利用者にとってSLAは、サービスの品質を事前に把握できるため、安心して利用できるというメリットがあります。従来は、サービスの品質が曖昧なまま契約を結ぶことも少なくありませんでしたが、SLAによって、サービス内容を明確に理解した上で契約することが可能となります。一方、サービスを提供する側にとっても、SLAは重要な役割を果たします。SLAを満たすことで、顧客に対してサービスの品質を保証できるため、顧客の信頼獲得に繋がります。また、SLAに基づいてサービスを提供することで、サービス品質の維持・向上が図れるとともに、顧客とのトラブル発生を未然に防ぐ効果も期待できます。このように、SLAは、利用者と提供者の双方にとって、多くのメリットをもたらす重要な制度と言えるでしょう。

項目 内容
SLAの定義 サービスの提供者と利用者の間で、サービスの品質に関する合意を文書化したもの
SLAで規定される内容 サービスの稼働時間、応答時間、セキュリティレベル、障害発生時の対応など
利用者側のメリット – サービスの品質を事前に把握できるため、安心して利用できる
– サービス内容を明確に理解した上で契約することが可能
提供者側のメリット – 顧客に対してサービスの品質を保証できるため、顧客の信頼獲得に繋がる
– サービス品質の維持・向上が図れる
– 顧客とのトラブル発生を未然に防ぐ効果

SLAの内容例

SLAの内容例

– SLAの内容例

サービスレベルアグリーメント(SLA)は、サービスの提供者と利用者の間で、サービスの品質に関する合意を文書化したものです。
この合意には、サービスの可用性、性能、セキュリティ、サポート体制など、様々な項目が具体的に記載されます。

例えば、Webサービスを提供する会社であれば、SLAには以下のような内容が盛り込まれます。

* -月間の稼働率- サービスが正常に利用できる時間を「月間の稼働率99.9%以上」のように、具体的な数値で保証します。これは、利用者が安心してサービスを利用できるよう、サービスの安定性を示す指標となります。
* -問い合わせ対応- 利用者からの問い合わせに対して、「24時間以内に回答する」「3営業日以内に回答する」など、対応時間を明確に定めます。これは、利用者にとって迅速かつ適切なサポートを提供することを約束するものです。
* -障害発生時の対応- 万が一、サービスに障害が発生した場合、「速やかに復旧に努める」だけでなく、「〇時間以内に復旧する」「復旧までの進捗状況を定期的に報告する」など、具体的な対応策を定めます。これは、障害発生時の影響を最小限に抑え、利用者への影響を軽減することを目的としています。

このように、SLAでは数値目標や対応時間を明確にすることで、サービス提供者と利用者の間で誤解のない合意形成が可能になります。
SLAを締結することで、サービスの品質を担保し、利用者との信頼関係を構築することができます。

項目 内容 目的
月間の稼働率 サービスが正常に利用できる時間を具体的な数値で保証 (例:月間の稼働率99.9%以上) サービスの安定性を示し、利用者が安心してサービスを利用できるようにする
問い合わせ対応 利用者からの問い合わせに対する対応時間を明確化 (例:24時間以内に回答する、3営業日以内に回答する) 利用者にとって迅速かつ適切なサポートを提供することを約束する
障害発生時の対応 障害発生時の具体的な対応策を定める (例:〇時間以内に復旧する、復旧までの進捗状況を定期的に報告する) 障害発生時の影響を最小限に抑え、利用者への影響を軽減する

SLA違反時のペナルティ

SLA違反時のペナルティ

サービスを提供する側と受ける側の間で交わされるサービスレベル合意(SLA)において、定められたサービス水準を満たせなかった場合、提供側はその責任を負い、ペナルティが発生することがあります。ペナルティの内容は、契約内容によって多岐に渡ります。

一般的なペナルティとしては、利用料金の一部を返金する方法や、あらかじめ決められた違約金を支払う方法が挙げられます。サービスを提供する側にとっては、このようなペナルティの存在が、SLAで定められたサービス水準を維持するための強い動機付けとなります。

一方、サービスを受ける側にとっても、ペナルティは重要な意味を持ちます。万が一、SLAで保証されたサービス水準が満たされなかった場合でも、ペナルティによって金銭的な補償を受けられるため、安心してサービスを利用することができます。SLAにペナルティ規定を盛り込むことは、サービス提供側と受ける側の双方にとって、信頼関係を築き、より良いサービス提供と利用を実現するために重要な要素と言えるでしょう。

項目 内容
SLA違反時のペナルティ サービスレベル合意(SLA)で定められたサービス水準を満たせなかった場合、提供側は責任を負い、ペナルティが発生する。
ペナルティの内容 契約内容によって多岐に渡る。
・利用料金の一部返金
・あらかじめ決められた違約金の支払い
サービス提供側への影響 ペナルティの存在が、SLAで定められたサービス水準を維持するための強い動機付けとなる。
サービス利用側への影響 SLAで保証されたサービス水準が満たされなかった場合でも、ペナルティによって金銭的な補償を受けられるため、安心してサービスを利用することができる。
まとめ SLAにペナルティ規定を盛り込むことは、サービス提供側と受ける側の双方にとって、信頼関係を築き、より良いサービス提供と利用を実現するために重要な要素と言える。

まとめ

まとめ

– まとめ

情報通信技術サービスの品質を維持するために、サービス品質保証契約(SLA)は非常に重要な役割を担っています。利用者は、契約内容をよく理解することで、安心してサービスを利用できるようになります。

サービス品質保証契約には、サービスの提供レベルや可用性、性能、障害発生時の対応などが明確に定められています。利用者は、これらの項目を確認することで、自身のニーズに合ったサービスを選択することができます。また、万が一問題が発生した場合でも、契約内容に基づいた迅速かつ適切な対応を期待することができます。

サービス提供事業者にとっても、サービス品質保証契約は顧客の信頼獲得に繋がり、ひいてはビジネスの成功へと繋がります。契約内容を遵守することで、顧客との間で共通認識を形成し、トラブルを未然に防ぐことができます。また、サービスの品質向上を図るための指標としても活用することができます。

このように、サービス品質保証契約は、利用者とサービス提供事業者の双方にとってメリットがあり、情報通信技術サービスの健全な発展を支える上で、必要不可欠な要素と言えるでしょう。

項目 利用者側のメリット 提供者側のメリット
サービス品質保証契約(SLA)
  • 安心してサービスを利用できる
  • ニーズに合ったサービスを選択できる
  • 問題発生時の迅速な対応を期待できる
  • 顧客の信頼獲得
  • ビジネスの成功
  • 顧客との共通認識形成
  • トラブル防止
  • サービス品質向上の指標