インスタンス:プログラムを動かす実体
ICTを知りたい
先生、「インスタンス」ってよく聞くんですけど、どういう意味ですか?
ICT研究家
「インスタンス」は、簡単に言うと「実際に動く状態にしたもの」という意味だね。例えば、クッキーの型があって、それで実際にクッキーを作ると、その作ったクッキー一つ一つが「インスタンス」と言えるんだ。
ICTを知りたい
なるほど。じゃあ、コンピュータで言うと、どういうものが「インスタンス」になるんですか?
ICT研究家
例えば、ホームページの設計図があるとしよう。その設計図を元に、実際にホームページを作って、インターネット上で公開したものが「インスタンス」ということになるね。設計図はあくまで設計図で、実際に動く状態になったものが「インスタンス」なんだ。
Instanceとは。
「情報通信技術でよく使う『インスタンス』という言葉について説明します。『インスタンス』はもともと『事実』とか『実態』という意味です。情報通信技術の分野では、あらかじめ作られたコンピュータプログラムやデータのまとまりを、メインメモリ上に展開して、実際に使える状態にしたものを指します。『実体』と訳されることもありますが、間違えやすいのは、『インスタンス』は『サーバー』と同じ意味で使われることもあるということです。
インスタンスとは
– インスタンスとは
コンピュータプログラムは、家などの建築物の設計図に例えることができます。設計図には、家の構造や材料、デザインなどが詳細に記されていますが、設計図そのものは、実際に住むことはできませんよね。
同様に、コンピュータプログラムも、そのままではただの指示書に過ぎず、実際に動作することはありません。そこで、設計図に基づいて実際に家を建てるように、プログラムに基づいて、コンピュータ上で動作する実体を作成する必要があります。この実体のことを「インスタンス」と呼びます。
例えば、ウェブサイトを表示するためのプログラムがあるとします。このプログラムは、ウェブサイトの構成やデザイン、表示する情報などを定義していますが、プログラムそのものはウェブサイトとして機能しません。このプログラムを元に、実際にインターネット上でアクセスできるウェブサイトを作り出す必要があります。この実際に動作するウェブサイトこそが「インスタンス」です。
インスタンスは、プログラムという設計図から作り出された、現実世界で実際に動作する実体と言えるでしょう。
実体化のイメージ
実体化とは、設計図から実際に物を作るように、プログラムの中で具体的な存在を作り出すことを指します。例えば、家の設計図だけでは実際に住むことはできません。木材やコンクリートなどを使い、設計図に基づいて家を建てることで、初めて住むことができるようになります。
プログラムの世界でも同じことが言えます。プログラムは、いわば家の設計図のようなものです。この設計図に基づいて、コンピュータの中で実際に動く形にすることを実体化と呼びます。
例えば、ゲームでキャラクターを作ることを考えてみましょう。キャラクターの強さや速さ、 Aussehenなどをプログラムで定義します。しかし、これだけではゲームの中で実際にキャラクターを動かすことはできません。プログラムで定義した情報に基づいて、コンピュータの中でキャラクターを実際に動く存在として作り出す必要があります。この作業こそが実体化です。
実体化によって、抽象的な存在であったプログラムが、コンピュータの中で具体的な存在として動き出します。これは、設計図から家を建てるように、プログラムを現実の世界で利用できる形にするために欠かせないプロセスと言えるでしょう。
サーバーとの関係
私たちは普段、インターネットを通じて様々なウェブサイトを閲覧したり、サービスを利用したりしています。では、これらのウェブサイトやサービスは、どのようにして私たちのもとに届けられているのでしょうか?その裏側では、「インスタンス」と呼ばれるものが重要な役割を担っています。
インスタンスは、しばしば「サーバー」と同じ意味で使われます。サーバーとは、ネットワーク上で他のコンピュータに対して情報やサービスを提供するコンピュータのことです。ウェブサイトを例に挙げると、私たちがウェブサイトを閲覧する際には、そのウェブサイトのデータやプログラムを保存しているサーバーにアクセスする必要があります。そして、このサーバーの役割を担うものがインスタンスなのです。
インスタンスは、ウェブサイトのプログラムを実行するための環境を提供し、私たちからのアクセスに応じて必要な情報を送受信します。つまり、インスタンスはインターネット上における「デジタルの世界の家」のようなものであり、私たちはその家を訪れることでウェブサイトを閲覧したり、サービスを利用したりすることができるのです。
このように、インスタンスは私たちが普段意識することなく利用しているインターネットサービスを支える、重要な役割を担っています。
まとめ
「インスタンス」とは、簡単に言うと、プログラムを実行するための具体的な存在のことです。 例えば、音楽を聴くためのアプリがあるとします。このアプリは、形のないプログラムとして存在していますが、実際に音楽を聴くためには、このプログラムを実行するための「実体」が必要になります。この「実体」が「インスタンス」です。
インターネット上で提供されている様々なサービスも、同じように「インスタンス」の上で動いています。私たちが普段何気なく利用しているウェブサイトやアプリも、裏側ではたくさんの「インスタンス」が稼働し、私たちのリクエストに応じて情報を処理したり、画面を表示したりしています。
「インスタンス」という言葉は、「サーバー」という言葉と密接に関係しています。サーバーとは、ネットワークを通じて様々なサービスを提供するコンピュータのことですが、「インスタンス」は、このサーバー上で実際にプログラムが動くための領域や環境を提供します。
つまり、「インスタンス」は、私たちが目にすることはありませんが、インターネット上のサービスを支える、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。
用語 | 説明 | 例 |
---|---|---|
インスタンス | プログラムを実行するための具体的な存在、サーバー上でプログラムが動くための領域や環境 | 音楽を聴くためのアプリを動かすための実体 |
プログラム | 形のない、指示や処理手順を記述したもの | 音楽を聴くためのアプリのソフトウェア |
サーバー | ネットワークを通じてサービスを提供するコンピュータ | ウェブサイトやアプリを動かすためのコンピュータ |