システム開発におけるFDとは?
ICTを知りたい
先生、『FD』って言葉を初めて聞いたんですけど、どういう意味ですか?
ICT研究家
良い質問だね。『FD』は『ファンクショナル・デザイン』の略で、簡単に言うと『機能設計』のことだよ。システムを作る上で、どんな機能が必要か、どんな風に動いてほしいかを具体的に決めていく作業のことなんだ。
ICTを知りたい
機能設計…ですか。難しそうですね。
ICT研究家
最初は難しく感じるかもしれないけど、例えばスマホアプリで例えると、ボタンの位置や画面遷移、データベースとの連携などを決めていく作業だよ。ユーザーにとって使いやすく、分かりやすいシステムを作るためにとても大切なプロセスなんだ。
FDとは。
『情報通信技術』に関する言葉、『機能設計』(『FD』と略すことがあります)について説明します。『機能設計』とは、『基本設計』と同じ意味で、システムに求められる機能について、具体的な仕様を決めていく作業のことです。具体的には、機能の配置や画面の構成、データベースの設計、データの入手先などを決めていきます。
システム開発のFDとは
– システム開発のFDとはシステム開発におけるFDとは、「機能設計」を指す言葉です。これは、システム開発の工程全体で見ると、お客様からの要望をまとめた「要件定義」の後に行われる「基本設計」と同じ意味合いで使われることもあります。FDは、開発するシステムがどのように動作するのか、利用者にどのような機能を提供するのかを具体的に決めていく、とても重要な作業です。システム開発において、FDはまさに建物の設計図を作るようなものであり、この設計図がしっかりしていないと、後々の工程で大きなトラブルを引き起こす可能性があります。例えば、新しいオンラインショップを開発するとします。この時、FDでは「商品の検索機能はどうするのか」「購入手続きはどうすればいいのか」「支払方法には何を選ぶことができるのか」といった、利用者が実際にシステムを使う時のことを想定して、機能を細かく決めていきます。FDがしっかりと行われていれば、開発チーム全体でシステムの完成イメージを共有できますし、後々の工程で「言った言わない」といったトラブルを防ぐことにも繋がります。また、利用者にとっても、使いやすいシステムを作るためにFDは欠かせないプロセスと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
FDとは | システム開発における「機能設計」のこと。 システムがどのように動作し、利用者にどのような機能を提供するかを具体的に決める重要な作業。 |
重要性 | システム開発の設計図を作るようなもので、FDがしっかりしていないと後々の工程で大きなトラブルになる可能性がある。 |
メリット | – 開発チーム全体でシステムの完成イメージを共有できる。 – 後々の工程で「言った言わない」といったトラブルを防ぐことができる。 – 利用者にとって使いやすいシステムを作ることができる。 |
例 | 新しいオンラインショップ開発の場合、「商品の検索機能」「購入手続き」「支払方法」などを具体的に決める。 |
FDで決めること
– FDで決めること
システム開発における要件定義フェーズが終わると、いよいよシステムが具体的にどのような機能を持つのかを決定する「機能定義」のフェーズに入ります。このフェーズは「FD」と略されることも多く、システム開発の成否を分ける重要な工程と言えるでしょう。
FDでは、システム全体の機能をユーザーの目線に立って洗い出し、それぞれの機能を実現するために必要な要素を詳細に決定していきます。例えば、ECサイトであれば「商品をカートに入れる」「購入手続きに進む」「購入履歴を確認する」といった基本的な機能に加え、「お気に入りリストへの追加」「レビューの投稿」「関連商品の表示」など、ユーザーの利便性を高めるための様々な機能が考えられます。
FDで決定する具体的な項目としては、機能の一覧化、画面設計、データベース設計、データの取得元などが挙げられます。機能一覧では、システムが実現すべき機能を全て洗い出し、それぞれに一意なIDを付与して管理します。画面設計では、ユーザーが実際に操作する画面のレイアウトや、表示項目、操作方法などを具体的に定義します。データベース設計では、システムで扱うデータを格納するためのデータベースの構造や、データ項目、データ間の関連などを設計します。さらに、外部システムと連携する場合には、データのやり取りの方法やタイミングなどを明確にする必要があります。
このように、FDではシステム開発に必要な設計の基礎を築き上げるため、その出来映えがシステム全体の品質、開発期間、コストに大きな影響を与えます。FDの結果は、開発チーム内だけでなく、お客様と共有し、認識を一致させることが重要です。綿密なコミュニケーションと調整を行い、高品質なシステム開発を目指しましょう。
フェーズ | 機能定義(FD) |
---|---|
概要 | 要件定義後、システムの具体的な機能を決める重要な工程 |
目的 | ユーザー目線でシステム全体の機能を洗い出し、必要な要素を詳細に決定する |
具体例(ECサイトの場合) |
|
決定事項 |
|
重要性 |
|
FDの重要性
– FDの重要性システム開発は、まるで家を建てることに似ています。家を建てる際に、どのような家に住みたいか、部屋の数や広さ、キッチンやお風呂の設備など、細かく希望を伝える人がいるでしょう。システム開発において、この役割を担うのが-「要件定義」-と呼ばれる工程であり、FD(システムエンジニア)はこの要件定義のプロフェッショナルです。FDは、お客様とのヒアリングを通して、システムにどのような機能が必要なのか、どのようなデータを扱う必要があるのかを丁寧に聞き取り、整理していきます。この作業は、お客様自身も気づいていない潜在的なニーズを引き出す、非常に重要なプロセスです。FDの仕事は、ただ要望を聞き取るだけではありません。お客様の要望を具体的なシステムの仕様に落とし込むことが重要です。例えば、「使い方が簡単なシステム」という要望があった場合、FDは「具体的にどのような操作方法であれば使いやすいと感じるのか」「どのような機能があれば業務が効率化できるのか」などを、お客様と議論を重ねながら明確化していきます。FDが作成した要件定義書は、開発チーム全体で共有され、システム開発の基盤となります。しっかりと要件定義を行うことで、開発チーム全員が同じ方向を向いて開発を進めることができ、認識のずれによる手戻りやトラブルを未然に防ぐことができます。つまり、FDはシステム開発の成功を大きく左右する、いわば「家の設計図を作る」重要な役割を担っていると言えるでしょう。
役割 | 工程 | 詳細 | 重要性 |
---|---|---|---|
システムエンジニア(FD) | 要件定義 | -顧客へのヒアリングを通して、必要な機能やデータ、潜在的なニーズを明確化 -顧客の要望を具体的なシステムの仕様に落とし込む -(例)「使い方が簡単なシステム」という要望に対して、具体的な操作方法や機能を顧客と議論 |
-開発チーム全体で共有されるシステム開発の基盤となる -開発チーム全員が同じ方向を向いて開発を進めることを可能にする -認識のずれによる手戻りやトラブルを防止 -システム開発の成功を大きく左右する |
まとめ
– まとめ
システム開発において、基本設計(FD)はプロジェクトの土台を築く、非常に重要な工程です。FDでは、ユーザーの要望を徹底的に分析し、システム全体の機能や性能、制約条件などを明確化します。具体的には、システムで実現する機能やデータの流れ、画面構成、操作方法などを詳細に定義していきます。
FDで作成される仕様書は、開発者とユーザー間で認識を共有するための重要なツールとなります。開発者は、仕様書に基づいてシステムの設計やプログラミングを進めるため、誤解のない開発が可能となります。また、ユーザーにとっても、仕様書を確認することで、開発中のシステムが自身の要望と合致しているかを確認することができます。
FDを適切に行うことで、開発の効率化、品質向上、コスト削減に大きく貢献します。綿密な設計は、後工程での手戻りを減らし、開発期間の短縮に繋がります。また、ユーザーのニーズに合致したシステムを開発することで、顧客満足度を高め、システムの長期的な利用を促進します。
基本設計(FD)の重要性 | 詳細 | メリット |
---|---|---|
プロジェクトの土台 | ユーザーの要望分析、システム全体の機能/性能/制約条件の明確化 (機能、データの流れ、画面構成、操作方法など) | 開発効率化、品質向上、コスト削減 |
認識共有のツール | 仕様書に基づいた開発による誤解の防止、ユーザーによる開発内容の確認 | 後工程での手戻り削減、開発期間短縮、顧客満足度向上、システムの長期利用促進 |