金融機関の遠隔取引を支えるANSERとは
ICTを知りたい
先生、ANSERって遠隔地からお金の出し入れができるサービスのことですよね?具体的にどんな仕組みになっているんですか?
ICT研究家
よく知っているね!その通り、ANSERは銀行に行かなくてもお金の出し入れができるサービスだよ。仕組みとしては、NTTデータという会社が作った『ANSERセンター』がみんなの銀行と繋いでいて、このセンターを通して銀行のシステムにアクセスする仕組みになっているんだ。
ICTを知りたい
へえー、そうなんですね!ということは、銀行はANSERセンターと繋がることでサービスを提供しているんですね。でも、銀行は独自のシステムを持っているのに、わざわざANSERセンターを経由するメリットは何ですか?
ICT研究家
素晴らしい質問だね!実はANSERセンターと繋がることで、銀行は自前でシステムを構築するよりもコストを抑えらたり、専門の会社が管理してくれるので、セキュリティ面も安心というメリットがあるんだよ。
ANSERとは。
「情報通信技術に関係する言葉、『アンサー』について説明します。『アンサー』は、銀行のお金のやり取りを、インターネットや電話を使って、遠く離れた場所からでもできるようにするサービスのことです。このサービスは、1981年にNTTデータという会社が開発し、今では全国で500以上の銀行で使われています。『アンサー』は、NTTデータの『アンサーセンター』という場所が、お客さまの機械からの接続を受け取り、それぞれの銀行のシステムへと繋ぎます。今まで銀行の窓口やATMなどの機械でしかできなかった、残高の確認や取引履歴の確認、お金の振り込みなどが、遠く離れた場所にいてもできるようになります。パソコンやスマートフォン、固定電話などを使うことで、これらのサービスが利用できます。銀行は『アンサーセンター』と繋がることで、『アンサー』に対応した機械やサービスを使えるようになります。また、必要なソフトや設備をみんなで使うことができるので、システムを作る時や、その後も使い続けるためにかかるお金を減らすことができます。銀行が顧客に提供する『アンサー』を使ったサービスは、一般的に「ホームバンキング(個人の人向け)」、「ファームバンキング(会社の顧客向け)」、「テレホンバンキング(電話での確認や手続き)」、「インターネットバンキング」などと呼ばれています。
ANSERの概要
– ANSERの概要ANSER(Automatic answer Network System for Electronic Request)は、インターネットや電話回線を通じて、場所を選ばずに金融機関のサービスを利用できるシステムです。1981年にNTTデータによって開発され、その利便性の高さから急速に普及しました。現在では全国500以上の金融機関で導入されており、私たちの生活にとって欠かせない存在となっています。従来の金融機関のサービスは、窓口やATMが設置されている場所に直接出向く必要がありました。しかし、ANSERの登場により、自宅や外出先からでも、預金の残高照会や振込、公共料金の支払いなど、様々な取引を簡単に行うことができるようになりました。ANSERの大きな特徴の一つに、24時間365日いつでも利用できるという点があります。そのため、急な支払いが必要になった場合や、銀行の営業時間外でも、安心して取引を行うことができます。また、ANSERは高度なセキュリティ技術によって保護されており、安心して利用できることも大きな魅力です。
項目 | 内容 |
---|---|
システム名 | ANSER (Automatic answer Network System for Electronic Request) |
概要 | インターネットや電話回線を通じて、場所を選ばずに金融機関のサービスを利用できるシステム |
開発 | 1981年 NTTデータ |
利用状況 | 全国500以上の金融機関で導入 |
従来のサービスとの比較 | 窓口やATMに出向く必要があったが、ANSERにより自宅や外出先からでも利用可能に |
特徴 | 24時間365日利用可能、高度なセキュリティ技術 |
利用可能なサービス例 | 預金の残高照会、振込、公共料金の支払い |
ANSERの仕組み
– ANSERの仕組み
ANSERは、株式会社NTTデータが運営するANSERセンターを中核としたシステムであり、顧客と金融機関を安全につなぐ重要な役割を担っています。
顧客が自宅や外出先からパソコンやスマートフォンを使って取引を行う場合、その情報はまずANSERセンターに送信されます。ANSERセンターは、いわば金融取引の窓口のような役割を果たしており、顧客と金融機関の間でやり取りされる情報を一手に引き受けるのです。
顧客からの情報を受け取ったANSERセンターは、セキュリティを確保した上で、情報の内容に応じて適切な金融機関のシステムへと転送します。例えば、銀行口座への入金指示であれば銀行のシステムへ、クレジットカードの利用であればクレジットカード会社のシステムへと転送されます。
そして、情報は最終的に取引先の金融機関のシステムへと届けられ、取引が実行されるのです。このように、ANSERセンターを介することで、顧客は時間や場所を問わず、安心して金融取引を行うことができるようになっています。
ANSERでできること
近年、金融機関のサービスは大きく進化しており、その中心的な役割を担っているのがANSERです。ANSERを利用することで、従来は窓口やATMまで足を運ばなければならなかった多くの手続きが、自宅や外出先からでも簡単に行えるようになりました。
例えば、預金口座の残高確認や取引履歴の照会は、パソコンやスマートフォンを使って、いつでもどこでも行うことができます。また、自身の口座間での資金移動や、家族や友人の口座への振り込みも、ANSERを通じて24時間365日いつでも手続き可能です。さらに、公共料金や税金の支払いも、画面上の指示に従って操作するだけで完了します。
これらの基本的なサービスに加えて、近年では、投資信託の購入や為替取引などの金融商品取引にも対応している金融機関も増えています。従来は対面で説明を受ける必要があった複雑な取引も、ANSERを通じて手軽に利用できるようになりつつあります。
サービス分野 | 具体的なサービス |
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口座管理 | – 残高確認 – 取引履歴の照会 – 口座間送金 |
決済サービス | – 振り込み – 公共料金支払い – 税金支払い |
金融商品取引 | – 投資信託の購入 – 為替取引 |
ANSERのメリット
近年、金融業界においても急速に普及が進んでいる「アンサー」。その最大の利点は、利用者にとって時間や場所の制限がなくなるという点にあります。従来の銀行のように、窓口が開いている時間帯に行く必要も、わざわざ足を運ぶ必要もなくなるのです。インターネットに接続できる環境さえあれば、自宅や外出先でも、24時間365日いつでも、残高照会や振り込みといった取引をスムーズに行うことが可能となります。このサービスは、時間に追われる現代人の生活様式にまさに合致しており、大きなメリットと言えるでしょう。
もちろん、利点は利用者だけにとどまりません。金融機関側にとっても、窓口業務を効率化し、人件費などのコストを抑えることができるというメリットがあります。窓口対応に割いていた人員を、より専門性の高い業務に配置することも可能になるでしょう。さらに、顧客とのやり取りをオンライン化するということは、従来の枠にとらわれない、新しいサービスを生み出すきっかけにもなりえます。アンサーは、金融業界に革新をもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。
項目 | アンサーのメリット |
---|---|
利用者 | – 時間や場所の制限なく利用可能 – 24時間365日いつでも取引可能 |
金融機関 | – 窓口業務の効率化 – 人件費などのコスト削減 – 専門性の高い業務への人員配置 – 新しいサービス創出の可能性 |
ANSERの種類
金融機関の勘定系システムと接続し、預金残高照会や資金移動などのサービスを提供するANSER。このANSERを利用したサービスは、利用する顧客や利用場面に応じて、大きく四つの種類に分類できます。
まず、個人顧客を対象としたサービスが「ホームバンキング」です。これは、自宅のパソコンやスマートフォンから銀行口座にアクセスし、残高照会や振り込みなどの取引を可能にするものです。銀行に出向く手間を省き、時間を問わず利用できる点が大きなメリットと言えるでしょう。
次に、法人顧客を対象とした「ファームバンキング」は、企業の財務管理を効率化するサービスです。インターネットを通じて、複数口座の一括管理や給与振込などの業務を処理できます。業務の効率化だけでなく、人為的なミスを減らす効果も期待できます。
そして、電話を使って取引を行う「テレホンバンキング」は、音声ガイダンスに従って操作することで、口座残高照会や振り込みなどが行えます。インターネット環境がない場合でも利用できるため、利便性の高いサービスとして根強い人気があります。
最後に、インターネットを通じて様々な取引を行う「インターネットバンキング」は、現在最も普及しているサービスの一つです。パソコンやスマートフォンから、いつでもどこでも取引できる手軽さが魅力です。近年では、振込手数料が無料になるなど、従来の銀行窓口よりもお得に利用できるケースも増えています。
このように、ANSERを利用したサービスは、顧客の多様なニーズに対応する形で進化を遂げてきました。今後も、更なる技術革新やサービス拡充により、私たちの生活をより便利にする存在として、その重要性を増していくと考えられています。
サービスの種類 | 対象顧客 | 主な機能 | メリット |
---|---|---|---|
ホームバンキング | 個人顧客 | 残高照会、振り込みなど | 時間と場所を選ばず利用可能 |
ファームバンキング | 法人顧客 | 複数口座の一括管理、給与振込など | 業務の効率化、人為的なミスの削減 |
テレホンバンキング | インターネット環境がない顧客など | 口座残高照会、振り込みなど | インターネット環境がなくても利用可能 |
インターネットバンキング | パソコンやスマートフォンを利用する顧客 | 様々な取引 | いつでもどこでも利用可能、手数料が安い場合もある |
ANSERの将来
– ANSERの将来ANSERは、日本の金融業界において、30年以上もの間、重要な役割を担ってきました。銀行の預金業務や融資業務などを支えるシステムとして、その安定稼働は、私たちの日常生活にとっても欠かせないものとなっています。
しかし、金融業界を取り巻く環境は、大きな変化の渦中にあります。スマートフォンやインターネットの普及に伴い、FinTechと呼ばれる新しい金融サービスが次々と登場し、従来の金融機関のあり方に変革を迫っています。また、異なる企業のシステム同士を繋ぐAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の公開も進んでおり、金融機関は、自社のシステムを外部サービスと連携させることで、新たな価値を生み出すことが求められています。
このような変化の激しい時代において、ANSERもまた、進化を続けています。従来のシステムの安定稼働を維持しながら、FinTechの技術やオープンAPIを活用した新たなサービスの提供を目指しています。例えば、銀行口座の情報を利用した家計簿アプリとの連携や、人工知能を活用した融資審査の自動化など、利便性や効率性を向上させる様々な取り組みが進められています。
ANSERは、今後も、顧客のニーズを的確に捉え、時代の変化に対応したサービスを提供することで、日本の金融業界の発展に貢献していくことが期待されます。
項目 | 内容 |
---|---|
ANSERの現状 | – 30年以上、日本の金融業界を支えてきた – 銀行の預金業務や融資業務などを支えるシステム – 安定稼働が重要 |
金融業界を取り巻く変化 | – スマートフォンやインターネットの普及 – FinTechの登場 – API公開の進展 |
ANSERの進化 | – 従来の安定稼働の維持 – FinTechやオープンAPIを活用した新たなサービス提供 – 例:家計簿アプリとの連携、AIを活用した融資審査の自動化 |
ANSERの将来 | – 顧客ニーズに対応したサービス提供 – 日本の金融業界の発展に貢献 |