LGWAN-ASPとは:行政サービスを支える仕組み
ICTを知りたい
『LGWAN-ASP』って、何だか難しそうな言葉だけど、どういう意味ですか?
ICT研究家
そうだね。『LGWAN-ASP』は『総合行政ネットワーク』と『アプリケーションサービスプロバイダー』を組み合わせたものなんだ。簡単に言うと、地方公共団体が使うコンピューターネットワーク上で、様々なサービスを提供する仕組みのことだよ。
ICTを知りたい
サービスって、具体的にどんなものがあるんですか?
ICT研究家
例えば、住民票の交付サービスなどが有名だね。コンビニで住民票を取れるのも、このLGWAN-ASPのおかげなんだよ。
LGWAN-ASPとは。
「地方公共団体向けの情報通信技術サービス『エルジーワン・エーエスピー』について説明します。『エルジーワン・エーエスピー』は、『総合行政ネットワーク』と呼ばれる、全国の地方公共団体のコンピューターネットワークをつなぐ広域ネットワーク『エルジーワン』を利用したサービスです。このサービスでは、国や企業などがサービス提供者となり、『エルジーワン』を通じて地方公共団体へ様々な行政事務サービスを提供しています。『エルジーワン』は、電子メールやホームページの閲覧などにも使われる、非常に安全性の高いネットワークです。『エルジーワン・エーエスピー』は、地方公共団体における情報通信技術の活用を進め、地域間の情報技術格差をなくし、行政事務を効率化し、住民サービスを向上させることを目的としています。具体的には、以下の4つのサービスを提供しています。1つ目は、様々なアプリケーションや情報コンテンツを提供するサービス、2つ目は、アプリケーションや情報コンテンツを動かすために必要なサーバーや通信機器を提供・管理するサービス、3つ目は、これらの機器を設置するためのスペースや電源、空調などの設備を提供するサービス、4つ目は、『エルジーワン』に接続するための専用回線を提供するサービスです。『エルジーワン・エーエスピー』への登録は2002年から始まりましたが、2014年頃から、アプリケーションや情報コンテンツを提供するサービスへの登録が急増しています。これは、住民票などの各種証明書をコンビニで取得できるサービスの利用が増加したことが要因だと考えられています。」
LGWAN-ASPの概要
– LGWAN-ASPの概要LGWAN-ASPとは、「総合行政ネットワーク(LGWAN)」と「アプリケーションサービスプロバイダー(ASP)」を組み合わせた言葉です。地方公共団体が抱える様々な課題に対して、ネットワークを通じて行政事務サービスを提供する新しい仕組みとして注目されています。従来、地方公共団体は、住民票発行システムや税金収納システムなど、それぞれの業務に必要なシステムを個別に構築・運用していました。しかし、この方法では、システムの導入や維持管理に多大な費用と時間がかかり、担当職員の負担も大きくなっていました。そこで登場したのがLGWAN-ASPです。LGWAN-ASPは、国や民間企業が開発・運用する行政事務サービスを、インターネットではなく、より安全性の高いLGWANを通じて利用できるサービスです。地方公共団体は、必要なサービスを必要な時に必要なだけ利用することができ、システムの構築・運用にかかる費用や時間、職員の負担を大幅に削減することができます。LGWAN-ASPの導入により、地方公共団体は、限られた資源をより住民サービスの向上に充てることができるようになり、ひいては行政サービスの効率化や質の向上につながると期待されています。
項目 | 従来の方法 | LGWAN-ASP |
---|---|---|
サービス提供元 | 各自治体で個別に構築・運用 | 国や民間企業が開発・運用 |
ネットワーク | – | LGWAN |
費用 | 高額な構築・運用費用 | 利用した分だけの費用 |
時間 | 構築・運用に時間が必要 | 必要な時に必要なだけ利用可能 |
職員の負担 | システムの構築・運用に人員が必要 | 職員の負担を軽減 |
メリット | – | 行政サービスの効率化や質の向上 |
高いセキュリティレベル
– 高いセキュリティレベル地方公共団体が扱う情報は、住民の個人情報などを含むため、非常に機密性が高いものです。そのため、情報のやり取りには万全なセキュリティ対策が求められます。LGWANは、そのような重要な情報を安全に送受信するために構築された、非常に強固な閉域ネットワークです。LGWANは、インターネットとは完全に分離された専用回線で接続されているため、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃のリスクを大幅に低減できます。また、接続には厳格な認証システムが採用されており、許可された端末しかネットワークにアクセスできません。この高いセキュリティレベルによって、地方公共団体は安心して機密性の高い情報を扱うことが可能となります。例えば、住民からの税金の申告や福祉サービスの申請など、重要な個人情報を含む手続きも、LGWANを通じて安全に行われています。LGWANは単なるネットワークの基盤としてだけでなく、電子メールやWebページの利用など、地方公共団体の様々な業務を支える重要なインフラとなっています。今後も、更なるセキュリティ強化や機能拡充が進められることで、より安全で効率的な情報共有が実現すると期待されています。
項目 | 内容 |
---|---|
セキュリティレベル | 高い |
対象情報 | 住民の個人情報など機密性の高い情報 |
セキュリティ対策 | 万全 |
ネットワーク形態 | 閉域ネットワーク (インターネットと完全分離) |
接続方法 | 専用回線 (厳格な認証システム) |
メリット | – 外部からの不正アクセスやサイバー攻撃リスクの大幅な低減 – 機密性の高い情報を安心して扱える環境を提供 |
利用例 | – 税金の申告 – 福祉サービスの申請 – 電子メール – Webページの利用 |
今後の展望 | 更なるセキュリティ強化や機能拡充 |
LGWAN-ASPの目的
– LGWAN-ASPの目的
LGWAN-ASPは、地方公共団体における情報通信技術の活用を推進し、より良い行政サービスの実現を目指しています。
従来、地方公共団体では、情報システムの整備・運用に多大な費用と時間、そして専門知識が必要とされていました。また、自治体ごとにシステムが異なるため、情報共有や連携が難しいという課題もありました。
LGWAN-ASPは、これらの課題を解決するために作られました。
LGWAN-ASPは、複数の地方公共団体が共同で利用できるクラウドサービスです。これにより、各自治体は個別にシステムを構築する必要がなくなり、コスト削減と導入期間の短縮を実現できます。また、共通のシステムを利用することで、自治体間の情報共有や連携もスムーズに行えるようになります。
LGWAN-ASPの導入により、地方公共団体は、住民サービスの向上や行政事務の効率化、そして情報セキュリティの強化といった様々なメリットを享受できます。
LGWAN-ASPは、都市部と地方のIT活用格差を解消し、全国すべての住民に質の高い行政サービスを届けるための重要な役割を担っています。
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 地方公共団体における情報通信技術の活用を推進し、より良い行政サービスの実現 |
従来の課題 | – 情報システムの整備・運用に多大な費用と時間、専門知識が必要 – 自治体ごとにシステムが異なり、情報共有や連携が難しい |
LGWAN-ASPのメリット | – 複数自治体で共同利用可能なクラウドサービス – コスト削減と導入期間の短縮 – 自治体間の情報共有や連携の円滑化 – 住民サービスの向上 – 行政事務の効率化 – 情報セキュリティの強化 |
LGWAN-ASPの役割 | 都市部と地方のIT活用格差を解消し、全国すべての住民に質の高い行政サービスを届ける |
4つのサービス形態
– 4つのサービス形態地方公共団体向けネットワークであるLGWANにおいて、アプリケーションやデータなどをインターネットを経由せずに利用できるサービス形態であるLGWAN-ASP。このLGWAN-ASPには、大きく分けて4つのサービス形態が存在します。1つ目は、-「アプリケーションおよびコンテンツサービス」-です。これは、自治体業務に必要な様々なアプリケーションや、住民向けの情報コンテンツなどを提供するサービスです。例えば、住民記録管理システムや税金徴収システムといった基幹業務系システムから、ホームページ作成ツールや広報誌作成ツールまで、多岐にわたるアプリケーションやコンテンツが提供されています。2つ目は、-「ホスティングサービス」-です。これは、前述の「アプリケーションおよびコンテンツサービス」を安定して稼働させるために必要なサーバーやネットワーク機器、ストレージなどを貸し出すサービスです。自治体は、自前でこれらの機器を準備して運用する必要がなく、必要な時に必要なだけ利用することができます。3つ目は、-「ファシリティサービス」-です。このサービスでは、「ホスティングサービス」で利用するサーバーなどの機器を設置するためのスペースや、安定稼働に必要な電源設備、空調設備などを提供します。強固なセキュリティ対策が施されたデータセンターで運用されるため、災害時にも安心して利用することができます。4つ目は、-「通信サービス」-です。これは、LGWANに接続するための専用回線を貸し出すサービスです。LGWANは、閉鎖性の高いネットワークであるため、セキュリティレベルが高く、安心して重要な情報をやり取りすることができます。
サービス形態 | 内容 | 例 |
---|---|---|
アプリケーションおよびコンテンツサービス | 自治体業務に必要なアプリケーションや住民向け情報コンテンツを提供 | 住民記録管理システム、税金徴収システム、ホームページ作成ツール、広報誌作成ツール |
ホスティングサービス | アプリケーションやコンテンツを稼働させるためのサーバー、ネットワーク機器、ストレージなどを貸し出す | – |
ファシリティサービス | ホスティングサービスで利用する機器を設置するためのスペース、電源設備、空調設備などを提供 | – |
通信サービス | LGWANに接続するための専用回線を貸し出す | – |
普及と進化
地方公共団体が共同で利用できる行政情報システムであるLGWAN-ASPは、2002年からサービスが始まりました。
当初は利用者が限られていましたが、2014年を境に利用者が急増しました。これは、コンビニエンスストアで住民票などの各種証明書を取得できるサービスの普及が大きく影響しています。
このサービスの裏側では、LGWAN-ASPを通じて、地方公共団体とコンビニエンスストアの間で住民情報が安全にやり取りされています。
近年では、人工知能やクラウドコンピューティングといった最新の技術を活用したサービスも登場しており、LGWAN-ASPは単なる情報共有の仕組みを超えて、より高度な行政サービスを提供する基盤へと進化を遂げようとしています。
今後も、地方公共団体の業務効率化や住民サービスの向上に向けて、LGWAN-ASPは進化を続けていくことが期待されます。
項目 | 内容 |
---|---|
サービス名 | LGWAN-ASP |
開始時期 | 2002年 |
利用状況 | 2014年を境に利用者が急増 |
急増の要因 | コンビニ交付サービスの普及 |
サービス内容 | – 地方公共団体とコンビニエンスストア間での住民情報連携 – 人工知能やクラウドコンピューティングを活用した高度な行政サービス |
今後の展望 | – 地方公共団体の業務効率化 – 住民サービスの向上 |