GPUとは?CPUとの違いや活用事例を解説

GPUとは?CPUとの違いや活用事例を解説

ICTを知りたい

ICTの授業でGPUって言葉を聞いたんだけど、CPUとどう違うのかよくわからないんだ。先生、教えてください!

ICT研究家

なるほどね。どちらもコンピューターの中で計算をしているんだけど、得意な計算の種類が違うんだ。CPUは色々な計算を順番にするのが得意で、GPUはたくさんの簡単な計算を同時に行うのが得意なんだよ。

ICTを知りたい

じゃあ、GPUはたくさんの計算を同時にできるから、CPUより速いってこと?

ICT研究家

その通り!簡単な計算をたくさん同時にやる場合はGPUの方がずっと速いんだ。だから、ゲームの映像みたいに複雑な絵を動かすにはGPUがすごく役立つんだよ。でも、複雑な計算はCPUの方が得意な場合もあるから、両方協力して動いているんだね。

GPUとは。

「情報通信技術に欠かせない『GPU』という言葉について説明します。GPUは、画像処理装置の略称で、絵や動画を滑らかに表示するために必要な計算を専門に行う小さな電子部品です。たくさんの計算を同時に行えるのが特徴で、近年では、大量のデータから学習する技術にも使われています。コンピューターの頭脳であるCPUという部品も計算を行いますが、GPUは同時処理を得意とするため、単純な計算処理の速さではCPUをはるかに上回ります。ただし、GPUは複雑な計算が苦手なので、CPUと協力して作業を行います。コンピューターの中にGPUとCPUの両方が搭載されており、それぞれ得意な処理を分担することで、効率よく作業を進めているのです。GPUは膨大な量の計算を処理するため、小さな処理装置が数千個も搭載されています。GPUは、主に画像処理に特化した部品として取り付ける方法と、CPUと一体化する方法の二つがあります。画像処理に特化した部品として搭載するGPUは、立体的な映像表示などに適していますが、電力消費が大きく、発熱量が多いという欠点があります。一方、CPUと一体化したGPUは、省電力で場所も取りませんが、画像処理能力は劣ります。元々はゲームなどの立体的な映像を処理するために開発されましたが、最近では、大量のデータから学習する技術や仮想通貨の計算にも利用されています。これらの処理は高度な計算能力が必要とされるため、同時処理を得意とするGPUが適しているのです。」

画像処理に特化したプロセッサ

画像処理に特化したプロセッサ

– 画像処理に特化したプロセッサ

私たちのコンピュータの中で、画像や映像を専門に扱う部品があります。それが「画像処理装置」、英語ではGraphics Processing Unit、略してGPUと呼ばれるものです。まるで人間でいえば視覚を司る部分のように、GPUは画面に映る全ての色や形、動きを瞬時に作り出し、私たちに届けています。

日頃何気なく目にしているゲーム画面を想像してみてください。キャラクターが動き、背景が流れ、光や影が複雑に表現される、その鮮やかで滑らかな映像は、GPUの高い処理能力があってこそ実現できるものです。もしGPUがなければ、映像はカクカクと途切れ、とても見ていられないものになってしまうでしょう。

GPUは、ディスプレイに表示する画像の生成や処理を得意としています。膨大な量のデータを高速で処理できる構造になっているため、特にリアルタイムでの画像処理が求められる場面でその真価を発揮します。ゲームの他にも、動画編集ソフトや画像編集ソフトなど、高度な画像処理が必要とされる場面でGPUは活躍しています。私たちの身の回りにある美しい映像体験は、この小さなプロセッサの大きな力によって支えられているのです。

名称 別名 機能 特徴 用途例
画像処理装置 Graphics Processing Unit (GPU) 画像や映像の処理 膨大な量のデータを高速で処理できる、リアルタイム処理に最適 ゲーム、動画編集ソフト、画像編集ソフト

GPUとCPUの違い

GPUとCPUの違い

コンピューターの心臓部である中央処理装置、すなわちCPUは、パソコン全体の動作を制御する重要な役割を担っています。例えるなら、CPUは処理速度を重視した単一の強力な頭脳と言えます。複雑な計算や論理的な処理を高速で行うことに長けており、様々なソフトウェアを効率的に動かします。一方、GPUは、画像処理装置と呼ばれるように、元々はディスプレイに表示する画像や映像の処理を専門に行うために開発されました。

CPUが複雑な処理を一つずつこなしていくのに対し、GPUは単純な処理を同時並行で膨大にこなすことに秀でています。これは、CPUが少数の優秀な職人による精密作業を得意とする一方、GPUは大人数の作業員による流れ作業を得意とすることに例えられます。

画像処理は、一つ一つの画素に対して同じ処理を何度も繰り返す必要があるため、GPUの得意とするところです。そのため、近年では画像処理だけでなく、GPUは人工知能の開発やビッグデータの解析など、膨大な量のデータを高速処理する必要がある分野でも活躍しています。このように、CPUとGPUはそれぞれ異なる特徴を持つため、目的に応じて使い分けることが重要です。

項目 CPU GPU
別名 中央処理装置 画像処理装置
特徴 複雑な処理を高速処理
少数のエリートによる精密作業
単純な処理を同時並行処理
大人数による流れ作業
得意分野 全体の制御、計算、論理処理 画像処理、AI開発、ビッグデータ解析など
イメージ 単一の強力な頭脳

GPUの並列処理能力

GPUの並列処理能力

コンピューターの頭脳に例えられる中央処理装置(CPU)は、高度な計算を順番にこなしていくことに長けています。一方、画像処理装置(GPU)は、無数の計算を同時に行う並列処理を得意としています。

この違いを生み出すのが、処理を行う最小単位であるコアの数です。CPUが数個から数十個程度のコアを搭載しているのに対し、GPUは数千個ものコアを搭載しています。

この膨大な数のコアを同時稼働させることで、GPUはCPUでは時間がかかる複雑な処理も、高速でこなすことができます。

例えば、高画質の画像処理を考えてみましょう。CPUは高画質画像を処理する際に、画像全体を順番に処理していくため、時間がかかります。一方GPUは、画像を小さな領域に分割し、それぞれの領域を別々のコアで同時に処理します。

このように、GPUは並列処理によって、CPUよりも遥かに高速に画像処理を行うことができるのです。

項目 CPU GPU
得意な処理 順番にこなす計算 同時に行う計算 (並列処理)
コア数 数個~数十個 数千個
処理速度 比較的遅い 高速
高画質画像処理 画像全体を順番に処理するため時間がかかる 画像を分割し、各領域を同時に処理するため高速

GPUの用途の広がり

GPUの用途の広がり

– GPUの活躍の場の広がり

GPUといえば、リアルで迫力のあるゲーム画面を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。もともとGPUは、複雑な画像処理を高速に行うために開発されました。しかし近年、その並列処理能力の高さに注目が集まり、ゲーム以外にも活躍の場を広げています。

特に注目されているのが、人工知能(AI)の分野です。AIの学習方法の一つである深層学習では、膨大な量のデータからパターンや規則を見つけ出す必要があります。この膨大なデータの処理に、GPUの並列処理能力が非常に有効なのです。GPUを活用することで、AIの学習を高速化し、より高性能なAIを開発することが可能になります。

また、仮想通貨の取引記録を計算によって作成する「マイニング」の分野でも、GPUは活躍しています。マイニングでは、複雑な計算をいち早く解くことが求められます。GPUの高い計算能力は、このマイニングの処理にも最適であり、多くのマイナーに利用されています。

このように、GPUはゲーム以外にも、様々な分野でその能力を発揮しています。今後、さらに技術革新が進めば、私たちの想像を超えた分野でGPUが活躍する未来が来るかもしれません。

分野 GPUの役割 GPUの特徴
ゲーム リアルで迫力のあるゲーム画面の描画 複雑な画像処理を高速に行う
人工知能(AI) 深層学習における膨大なデータの処理 高い並列処理能力により、AIの学習を高速化
マイニング 仮想通貨の取引記録を作成するための複雑な計算処理 高い計算能力により、マイニングの処理を高速化

GPUの搭載方式

GPUの搭載方式

– GPUの搭載方式コンピューターの画像処理を担うGPUには、大きく分けて二つの搭載方式があります。一つは、グラフィックボードに搭載する方法です。グラフィックボードとは、GPUを搭載した拡張カードのことで、マザーボードに接続することで、コンピューターに画像処理機能を追加したり、強化したりすることができます。この方式のメリットは、高い処理能力を持つGPUを選択できる点にあります。そのため、3Dゲームや画像編集など、高い処理能力を必要とする用途に適しています。しかし、グラフィックボードは比較的高価であり、消費電力も大きいため、ノートパソコンなど省電力性が求められる機器には搭載が難しいという側面もあります。もう一つは、CPUにGPUを統合する方法です。この方法では、CPUの中にGPUの機能が組み込まれているため、グラフィックボードを別途搭載する必要がありません。そのため、省スペース化や省電力化を実現できるというメリットがあります。また、グラフィックボードを搭載するよりも安価であるという点も魅力です。しかし、CPU統合型のGPUは処理能力がグラフィックボード搭載型に比べて低い場合が多いため、インターネットの閲覧や動画の視聴など、比較的負荷の軽い用途に適していると言えます。このように、GPUの搭載方式にはそれぞれメリットとデメリットがあります。自身の用途や環境に応じて、最適な方式を選ぶことが重要です。

搭載方式 メリット デメリット 適した用途
グラフィックボード 高い処理能力を持つGPUを選択できる 高価である
消費電力が大きい
省電力性が求められる機器には搭載が難しい
3Dゲーム
画像編集など
高い処理能力を必要とする用途
CPUに統合 省スペース化
省電力化
安価である
処理能力が低い場合が多い インターネットの閲覧
動画の視聴など
比較的負荷の軽い用途

GPUのメリット・デメリット

GPUのメリット・デメリット

– GPUの利点と欠点GPUは、その高い処理能力が最大の利点です。特に、画像処理や並列処理を得意としており、CPUでは扱うことのできないような膨大な量のデータも、GPUは高速に処理することができます。例えば、高画質なゲームや動画編集ソフトなど、複雑な処理が求められる場面において、GPUはCPUの負担を軽減し、よりスムーズな動作を実現します。しかし、GPUには、消費電力と発熱量の大きさという欠点も存在します。高性能なGPUは、多くの電力を消費するため、パソコン全体の消費電力が増加し、電気料金が高くなる可能性があります。また、高負荷な処理を行う際にGPUは大量の熱を発生するため、適切な冷却機構を備えていない場合、パソコンの動作が不安定になったり、最悪の場合は故障する可能性もあります。GPUを選ぶ際には、これらの利点と欠点を踏まえ、自分の使用用途に合った性能と消費電力のバランスを考慮することが重要です。例えば、普段使いのパソコンに高性能なGPUは過剰であり、消費電力の少ないGPUを選ぶ方が経済的です。一方、ゲームや動画編集など、高い処理能力を必要とする場合は、高性能なGPUと適切な冷却機構を備えたパソコンを選ぶ必要があります。

項目 内容
利点
  • 高い処理能力 (特に画像処理、並列処理)
  • CPUの負担軽減、スムーズな動作
欠点
  • 消費電力と発熱量の大きさ
  • 電気料金増加の可能性
  • 冷却不足による動作不安定や故障の可能性
注意点
  • 使用用途に合った性能と消費電力のバランスを考慮
  • 高性能GPUは高消費電力、適切な冷却機構が必要