SCSI: パソコンと周辺機器をつなぐ技術
ICTを知りたい
先生、「SCSI」って、パソコンと周辺機器をつなぐものって習ったんですけど、具体的にどんなものかわからないんです。USBとは違うんですか?
ICT研究家
良い質問ですね!SCSIは、昔のパソコンでよく使われていた接続方法の一つです。USBと比べると、データを一度にたくさん送ったり、複数の機器を繋げたりするのが得意でした。
ICTを知りたい
へえー、USBより高性能だったんですね!じゃあ、なんで今はUSBが主流になったんですか?
ICT研究家
SCSIは高性能でしたが、USBに比べると値段が高くなってしまったり、接続するのが少し難しかったりしたんです。USBは安くて使いやすいので、だんだん主流になっていきました。
SCSIとは。
「『SCSI』っていう言葉は、情報通信技術でよく使われるんだけど、これは『スモールコンピュータシステムインターフェース』の略なんだ。アメリカ国家規格協会っていうところが作った規格で、パソコンとかその周辺機器をどうやって繋ぐかっていうのを決めたものなんだって。今では、もっと性能が良くなって使いやすくなった『SCSI-2』とか『SCSI-3』っていう規格がよく使われているみたいだよ。」
SCSIとは
– SCSIとはSCSIは、「スモール コンピュータ システム インターフェース」の略称で、パソコンなどのコンピュータと、ハードディスクやCD/DVDドライブ、スキャナーといった周辺機器を接続するための規格です。パソコンで文書を作成したり、画像を編集したりする際には、データの保存や読み込みが欠かせません。こうしたデータのやり取りを行う際に、コンピュータと周辺機器の間で共通のルールが必要です。SCSIは、データの送受信方法や信号の種類、接続するコネクタの形状などを細かく定めることで、様々な機器間の接続を円滑にする役割を担っています。SCSIが登場する以前は、機器ごとに接続方法が異なり、特定のメーカーのコンピュータでしか使えない周辺機器も多くありました。しかし、SCSIが米国国家規格協会(ANSI)によって規格化されたことで、異なるメーカーの機器でも容易に接続できるようになり、システム構築の自由度が飛躍的に向上しました。現在では、USBやPCI Expressといった、より高速なインターフェースが登場し、SCSIは以前ほど広くは使われていません。しかし、SCSIは長年培われてきた信頼性の高さや、複数の機器を接続できる柔軟性を持ち合わせており、現在でも特定の分野では利用され続けています。
項目 | 内容 |
---|---|
SCSIの定義 | スモール コンピュータ システム インターフェースの略称。パソコンと周辺機器を接続するための規格。 |
SCSIの役割 | データの送受信方法、信号の種類、コネクタの形状を定めることで、機器間の接続を円滑にする。 |
SCSI登場以前の問題点 | 機器ごとに接続方法が異なり、特定メーカーの機器でしか使えないことが多かった。 |
SCSI登場による変化 | 異なるメーカーの機器でも接続が容易になり、システム構築の自由度が向上した。 |
SCSIの現状 | USBやPCI Expressなど高速な規格が登場したため、以前ほど広くは使われていない。しかし、信頼性と柔軟性から、現在でも特定の分野では利用されている。 |
SCSIの登場背景
– たくさんの機器とつながるための共通の規格
1980年代前半まで、コンピュータは周辺機器と繋がるために、それぞれ独自の接続方法を用いていました。例えば、あるメーカーのプリンターは、同じメーカーのコンピュータでなければ接続できないといった具合です。このため、利用者はコンピュータを選ぶ際に、接続できる周辺機器の種類が限られてしまうという不便さを抱えていました。
また、新しい周辺機器が開発されても、すぐに利用できないという問題もありました。新しい技術に対応する接続方法が、コンピュータ側にも周辺機器側にも必要となるためです。この状況は、技術の進歩を阻害する要因の一つとなっていました。
このような背景から、異なるメーカーの機器同士でも共通して使用できる接続方法の必要性が高まりました。そこで開発されたのがSCSI (Small Computer System Interface) です。
SCSIは、コンピュータと周辺機器の接続方法を統一することで、メーカー間の壁を取り払い、互換性を飛躍的に向上させました。これにより、利用者はメーカーを気にすることなく、自由にコンピュータや周辺機器を選べるようになりました。また、新しい周辺機器もSCSIに対応していれば、簡単に接続して利用できるようになりました。SCSIの登場は、コンピュータシステムの柔軟性と拡張性を大きく向上させ、その後の技術発展に大きく貢献しました。
時代 | 状況 | 課題 |
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1980年代前半まで | – コンピュータ周辺機器はメーカー独自の接続方式 – 特定メーカーの機器同士でしか接続できない |
– 利用者はコンピュータ・周辺機器の選択肢が限定される – 新しい周辺機器の利用がすぐにできない – 技術進歩の阻害要因 |
SCSI 開発後 | – SCSIによりメーカー問わず共通の接続方式が確立 | – メーカーの壁がなくなり、互換性が向上 – 利用者は自由に機器を選べる – 新しい周辺機器もSCSI対応で簡単に接続可能 – コンピュータシステムの柔軟性・拡張性が向上 |
SCSIの進化
– SCSIの進化SCSI(スカジー)は、コンピュータと周辺機器を接続するためのインターフェース規格として、長年にわたり広く利用されてきました。初めて登場した頃のSCSIは、データの送受信速度が遅く、接続できる機器の数も限られていました。しかし、時代と共に技術は進歩し、SCSIもまた進化を遂げてきました。SCSI-2やSCSI-3といった新しい規格が登場したことで、データの送受信速度は飛躍的に向上し、接続できる機器の数も大幅に増加しました。また、これらの後継規格では、従来のSCSIが抱えていた課題を克服するために、様々な機能が追加されました。例えば、エラー発生時のデータ復旧機能や、複数の機器を同時に接続して効率的にデータ転送を行う機能などが挙げられます。これらの後継規格は、従来のSCSIとの互換性を維持しながら、より高性能な周辺機器に対応できるよう設計されています。このため、従来のシステム環境を変更することなく、より高速で高機能な周辺機器を導入することが可能になりました。このように、SCSIは時代に合わせて柔軟に進化することで、長年にわたりコンピュータと周辺機器の接続を支える重要な技術として、幅広い分野で利用され続けてきました。
SCSIの進化 | 特徴 |
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初期のSCSI |
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SCSI-2, SCSI-3 等 |
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SCSIの利点
– SCSIの利点SCSIは、コンピューターと周辺機器を接続するためのインターフェース規格の一つであり、他の接続方式と比較して多くの利点を備えています。SCSIの最大の利点は、その高速なデータ転送速度です。大量のデータを扱うサーバーやワークステーション、高速なデータ転送が求められる映像編集機器など、高い性能が求められる環境において、SCSIは他のインターフェースと比較して圧倒的な性能を発揮します。また、SCSIは複数の機器を同時に接続することができ、それぞれの機器に対して並行処理を行うことが可能です。これは、複数のハードディスクを同時に読み書きするRAIDシステムなどで大きな威力を発揮します。さらに、SCSIは高い信頼性を誇り、安定したデータ転送を実現します。これは、データの損失が許されない重要なシステムにおいて非常に重要な要素となります。加えて、SCSIはホットスワップと呼ばれる機能をサポートしています。ホットスワップとは、コンピューターの電源を入れたまま周辺機器の接続や取り外しが可能な機能です。この機能により、システムを停止することなく、故障した機器の交換や、新しい機器の追加を行うことが可能になります。これにより、システムの稼働時間を最大限に維持することができます。これらの利点から、SCSIは高い性能と信頼性が求められる環境において、現在でも幅広く利用されています。
利点 | 説明 |
---|---|
高速なデータ転送速度 | 大量のデータを扱うサーバーやワークステーション、高速なデータ転送が求められる映像編集機器など、高い性能が求められる環境において最適。 |
複数機器の同時接続と並列処理 | 複数のハードディスクを同時に読み書きするRAIDシステムなどで有効。 |
高い信頼性 | 安定したデータ転送を実現し、データ損失が許されない重要なシステムに最適。 |
ホットスワップのサポート | システムを停止することなく、故障した機器の交換や、新しい機器の追加が可能。 |
SCSIの現在
– SCSIの現在近年、コンピュータ周辺機器の接続インターフェースとして、USBやSATAといった新しい規格が登場し普及してきました。特に、個人向けのパソコンでは、その使いやすさからUSBやSATAが主流となり、SCSIは以前ほど広くは使われなくなってきています。しかし、SCSIは、USBやSATAと比べて、データ転送速度が速く、信頼性が高いという特徴があります。そのため、大容量のデータのやり取りが発生するサーバーや、安定した動作が求められるワークステーションといった、業務用のコンピュータシステムでは、現在でも重要な役割を担っています。さらに、SCSIの技術は、後継規格であるSAS (Serial Attached SCSI) へと受け継がれ、更なる進化を遂げています。SASは、SCSIの利点である高速性と信頼性をさらに向上させ、より多くの機器を接続できるようになっています。このSASの登場により、SCSIは、その活躍の場を、より高度なシステムへと広げていると言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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近年の傾向 | USBやSATAといった新しい規格が登場し普及 |
USBやSATAの特徴 | 使いやすさから個人向けパソコンで主流 |
SCSIの特徴 | データ転送速度が速く、信頼性が高い |
SCSIの用途 | – 大容量のデータのやり取りが発生するサーバー – 安定した動作が求められるワークステーション |
SCSIの後継規格 | SAS (Serial Attached SCSI) |
SASの特徴 | – SCSIの利点である高速性と信頼性をさらに向上 – より多くの機器を接続可能 |