FireWire:高速データ転送を可能にする接続規格
ICTを知りたい
先生、「FireWire」って、コンピューターと周辺機器をつなぐ規格だって聞いたんですけど、USBとどう違うんですか?
ICT研究家
良い質問ですね! FireWireはUSBと比べると、動画などをやり取りするときに有利な規格なんです。たくさんの機器をつなげたり、速いスピードでデータを送ったりできる特徴があります。
ICTを知りたい
へえー、そうなんですね。じゃあ、動画を扱う機器ではFireWireが使われていることが多いんですか?
ICT研究家
そうですね。以前はビデオカメラなどでよく使われていました。最近はUSBでも高速な規格が出てきたので、FireWireを見かける機会は減ってきたかもしれませんね。
FireWireとは。
「情報通信技術に関連して『FireWire』という言葉があります。これは、コンピューターと周辺機器をケーブルで繋ぐ際の通信の決まり事の一つで、『IEEE1394』という世界共通の規格として広く使われています。最大で63台もの機器を数珠繋ぎに接続することができ、情報のやり取りの速さは最大で毎秒3.2メガビットと高速です。元々はアメリカのアップル社が開発した『FireWire』という通信技術を基に標準化が進められたため、この名前が使われています。日本のソニー株式会社がビデオカメラなどの機器に搭載している『i.LINK』も、ほぼ同じ規格です。」
FireWireの概要
– FireWireの概要FireWireは、パソコンと周辺機器を繋ぐための通信の規格です。国際規格としてはIEEE1394として知られており、世界中で広く利用されています。FireWireの最大の特徴は、その高速なデータ転送速度にあります。従来のUSB接続と比べて、圧倒的に速いスピードでデータのやり取りが可能なため、動画編集などの大容量データの転送が必要な作業にも適しています。FireWireのもう一つの特徴は、複数の機器を数珠つなぎに接続できる点です。最大で63台もの機器を一つのFireWireポートに接続することができ、それぞれの機器は独立したデータ転送経路を持つことができます。このため、複数の機器を同時に接続しても、データ転送速度が遅くなる心配がありません。FireWireは、デジタルビデオカメラや外付けハードディスクなどの周辺機器に広く採用されてきましたが、近年ではUSBの高速化に伴い、徐々にその姿を消しつつあります。しかし、その高速なデータ転送速度と、複数の機器を接続できる柔軟性は、現在でも評価されています。
項目 | 内容 |
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規格名 | FireWire (IEEE1394) |
用途 | パソコンと周辺機器の接続 |
特徴 | – 高速なデータ転送速度 – 最大63台の機器を数珠つなぎに接続可能(デイジーチェーン接続) |
メリット | – 動画編集などの大容量データ転送に最適 – 複数の機器を接続しても速度低下が少ない |
現状 | USBの高速化に伴い、徐々に姿を消しつつある |
Apple社が開発した技術を基に標準化
アップル社が開発した「ファイヤーワイヤー」という技術。この技術を元にして、様々な機器で使えるように標準化されたものが「IEEE1394」です。しかし、現在でも「ファイヤーワイヤー」の名前で広く知られています。
この技術は、デジタルビデオカメラや外付けハードディスクのような、大容量のデータを高速でやり取りする必要がある機器にとって最適です。従来のUSB接続よりも高速なデータ転送が可能になるため、動画編集などの作業をスムーズに行うことができます。
IEEE1394は、パソコンと周辺機器を接続するための規格として、一時期は広く普及しました。しかし、その後登場したUSB2.0やThunderboltなどの、より高速な規格に取って代わられ、現在では新しいパソコンでは対応していない場合も見られます。
項目 | 内容 |
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技術名 | ファイヤーワイヤー (IEEE1394) |
開発元 | アップル社 |
特徴 | 高速データ転送、デジタルビデオカメラや外付けハードディスクに最適 |
メリット | 動画編集などの作業がスムーズ |
現状 | USB2.0やThunderboltなどに取って代わられつつある |
最大63台までの機器を接続可能
FireWireは、最大で63台もの機器を繋いでいくことができる接続方式です。この接続方法は「デイジーチェーン接続」と呼ばれ、機器同士を数珠のように繋いでいくため、信号を増幅したり、接続を管理したりする中継地点となる機器(ハブ)を必要としません。このため、機器の追加も容易に行うことができます。
例えば、パソコンに外付けのハードディスクを接続する場合を考えてみましょう。FireWireであれば、パソコンに直接ハードディスクを繋ぐだけでなく、そのハードディスクにさらに別のハードディスクを繋ぎ、さらにその先にまた別の機器を繋ぐ…といったように、次々と機器を追加していくことができます。このように、FireWireは複数の機器を繋いでいく必要がある環境において、非常に便利な接続方式と言えます。
また、FireWireは高速なデータ転送速度も特徴の一つです。そのため、動画編集や音楽制作など、大容量のデータを扱う作業にも適しています。このように、FireWireは多くの利点を持つ接続方式であり、様々な場面で活用されています。
項目 | 内容 |
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接続方式 | デイジーチェーン接続(最大63台) |
特徴 |
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メリット |
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高速なデータ転送速度
近年、デジタル機器の普及に伴い、動画や音楽など、扱うデータの容量はますます増大しています。それに伴い、データ転送速度の速さは、快適な作業環境を実現する上で非常に重要な要素となってきています。
FireWireは、このような時代の要求に応える高速なデータ転送方式の一つです。その速度は最大で3.2Mbpsに達し、これは従来のUSB1.1と比較すると約20倍という速さです。この高速性により、例えばDVD1枚分のデータであっても、わずかな時間で転送が完了します。
FireWireは、特に大容量データのやり取りが発生しやすい、動画編集や音楽制作などの分野でその真価を発揮します。これらの分野では、高画質・高音質のデータが扱われることが多く、データ転送に時間がかかってしまうと、作業効率が著しく低下してしまいます。FireWireであれば、ストレスを感じることなく、リアルタイム処理が必要な作業にもスムーズに対応できます。また、FireWireは接続の安定性にも優れているため、データ転送中のエラー発生率が低い点も大きなメリットです。
特徴 | 説明 |
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データ転送速度 | 最大3.2Mbps (USB1.1の約20倍) |
メリット |
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活用分野 | 動画編集、音楽制作など、大容量データのやり取りが発生しやすい分野 |
ソニーのi.LINKとの互換性
ソニーが自社のデジタルビデオカメラやレコーダーなどに搭載している「i.LINK」という規格は、アップルとテキサス・インスツルメンツが共同開発した「FireWire」とほぼ同じ規格です。そのため、「i.LINK」端子と「FireWire」端子は接続ケーブルを用いて相互に接続することができ、異なるメーカーの機器同士でも映像や音声をデジタルでやり取りすることができます。例えば、ソニーのビデオカメラで撮影した映像を、アップルのパソコンに搭載された「FireWire」端子を通じて直接取り込むといったことが可能です。このように、「FireWire」は異なるメーカーの機器間でも接続を容易にする規格として、多くの機器で採用されてきました。この互換性の高さは、「FireWire」が広く普及した大きな要因の一つと言えるでしょう。
規格名 | 開発元 | 説明 |
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i.LINK | ソニー | ソニーのデジタルビデオカメラやレコーダーなどに搭載されている規格 |
FireWire | アップル、テキサス・インスツルメンツ | i.LINKとほぼ同じ規格 |