BASIC ~ 初心者にやさしいプログラミング言語

BASIC ~ 初心者にやさしいプログラミング言語

ICTを知りたい

先生、BASICって最近また注目されてるってホント?昔のパソコンで動たやつでしょ?

ICT研究家

そうだね。BASICは昔広く使われていたけど、今は新しいものが色々出てきてあまり見かけなくなったね。でも、最近また注目されているのは本当だよ!

ICTを知りたい

なんで?古くない?

ICT研究家

BASICは命令が分かりやすく、初心者でもプログラムを組む楽しさを体験しやすいんだ。だから、プログラミング教育が始まる今、改めて見直されているんだよ。

BASICとは。

「情報通信技術に関係する言葉、『BASIC』について説明します。『BASIC』は、初心者向けに作られたプログラミング言語です。命令には英語が使われているため、処理の内容がわかりやすいという特徴があります。1980年代のパソコンの多くには、標準で『BASIC』が搭載されていました。そのため、趣味でパソコンを使う人たちを中心に広く使われていました。しかし、その後は他のプログラミング言語に置き換えられてしまいました。2020年からは、学校でプログラミング教育が必修になったことをきっかけに、『BASIC』は初心者にもわかりやすいプログラミング言語として、教育の分野で再び注目されています。ちなみに、平成27年より前のセンター試験の数学II・Bでは、『BASIC』を使った問題が出題されていましたが、平成28年以降は廃止されました。」

BASICとは

BASICとは

– BASICとはBASICは、「Beginner’s All-purpose Symbolic Instruction Code」の略称で、日本語に訳すと「初心者向け汎用記号命令コード」という意味です。その名の通り、コンピューターの専門知識がない初心者でも簡単にプログラムを組めるように、1964年にアメリカのダートマス大学で開発されました。それまでのプログラミング言語は難解で、コンピューターの専門家しか扱えませんでしたが、BASICはシンプルで分かりやすい構文を採用し、より人間に近い言葉でプログラムを書けるように設計されました。例えば、画面に文字を表示する命令は「PRINT」、計算を行う命令は「LET」といったように、直感的に理解できる単語が用いられています。BASICが登場したことで、コンピューターは限られた専門家だけのものから、一般の人々にも広く普及していくことになりました。特に、1970年代後半から1980年代にかけて、パソコンの普及とともにBASICは爆発的に広まりました。多くのパソコンにBASICが標準搭載され、子どもから大人まで、多くの人がBASICを使ってプログラミングを学び、ゲームや実用的なプログラムを作るようになりました。その後、より高機能なプログラミング言語が登場したことで、BASICが使われる機会は減りましたが、現在でもそのシンプルさと分かりやすさから、プログラミング教育の現場などで使われています。また、BASICの考え方を受け継いだプログラミング言語も数多く開発されており、BASICは現代のプログラミング言語の礎を築いたと言えるでしょう。

項目 内容
名称 BASIC (Beginner’s All-purpose Symbolic Instruction Code)
目的 初心者でも簡単にプログラムを組めるようにする
開発年 1964年
開発者 アメリカのダートマス大学
特徴 – シンプルで分かりやすい構文
– 人間に近い言葉でプログラムを書ける
– 直感的に理解できる単語(例:PRINT、LET)
影響 – コンピューターの一般普及
– パソコン普及期(1970年代後半~1980年代)に爆発的に普及
– プログラミング教育の現場で使用
– 現代のプログラミング言語の礎

わかりやすい命令

わかりやすい命令

– わかりやすい命令BASICは、コンピュータに指示を出すための言葉である命令が、英語に近いわかりやすい単語で書かれているという特徴があります。例えば、画面に文字を表示したい場合は「PRINT」という命令を使います。これは、英語で「印刷する」という意味を持つ単語であり、感覚的に理解しやすいと言えるでしょう。また、計算を行いたい場合は「LET」という命令を使います。これは、英語で「~とする」という意味を持つ単語であり、計算結果を変数に代入するという操作をイメージしやすくなっています。このように、BASICでは専門用語ではなく、日常的に使われる言葉に近い単語が命令として採用されているため、プログラミングの経験がない人でも、命令の意味を理解しやすいというメリットがあります。このわかりやすさが、BASICが初心者向けのプログラミング言語として広く普及した理由の一つと言えるでしょう。

命令 意味 使用例
PRINT 印刷する 画面に文字を表示する
LET ~とする 計算結果を変数に代入する

昔のコンピューターでの普及

昔のコンピューターでの普及

1980年代、家庭にコンピューターが普及し始めた時代がありました。このコンピューターブームの中で、多くのコンピューターには「ベーシック」と呼ばれるプログラミング言語があらかじめ搭載されていました。 「ベーシック」は、比較的分かりやすい言語として設計されており、コンピューター初心者でも簡単にプログラムを組むことができました。そのため、趣味でコンピューターを使う人にとって、「ベーシック」は大変人気のあるプログラミング言語となりました。

人々は「ベーシック」を使って、ゲームを作ったり、家計簿などの簡単なアプリケーションを作ったりしていました。自分でプログラムを組んで、コンピューターを自由に操る喜びを味わえることが、「ベーシック」の魅力でした。 ゲームセンターで人気のあるゲームを「ベーシック」で再現して、自宅で遊んでいた人も少なくありません。このように、「ベーシック」は、当時のコンピューターブームを支えた重要な要素の一つと言えるでしょう。

項目 内容
時代背景 1980年代、家庭用コンピューター普及期
プログラミング言語「ベーシック」 多くのコンピューターに搭載
比較的分かりやすい言語
初心者でもプログラムを組みやすい
ベーシックの用途 ゲーム作成
家計簿などのアプリケーション作成
ベーシックの魅力 自分でプログラムを組んでコンピューターを自由に操作できる
ベーシックの影響 当時のコンピューターブームを支えた重要な要素

他の言語の台頭

他の言語の台頭

しかし、技術の進歩は止まることを知りません。より高性能なコンピューターが登場し、複雑な処理を要求されるようになると、BASICでは限界が見え始めました。処理速度の遅さや、大規模な開発への対応の難しさなどが指摘されるようになったのです。

そんな中、C言語やJavaといった、より高機能なプログラミング言語が登場しました。これらの言語は、複雑な処理を簡潔に記述できるだけでなく、大規模なシステム開発にも柔軟に対応できることから、多くの開発者に支持されるようになりました。

BASICは、初心者にとって学びやすいという大きな利点を持っていましたが、これらの新しい言語の台頭により、その影は薄くなっていきました。かつてはコンピューター教育の主役であったBASICも、時代の流れとともに、その役割を終えようとしていたのです。

時代 代表的なプログラミング言語 特徴 プログラミング言語の変遷
初期 BASIC – 初心者向けに設計されており、学びやすい
– シンプルな構造で、コードが読みやすい
– コンピューターの性能向上に伴い、複雑な処理が求められるようになる
– BASICでは処理速度の遅さや、大規模開発への対応が難しいなどの課題が顕在化
変化 C言語, Java – 複雑な処理を簡潔に記述可能
– 大規模なシステム開発にも柔軟に対応可能
– より高機能なC言語やJavaが登場し、多くの開発者に支持される
– BASICは初心者にとって学びやすいという利点はありつつも、時代の流れとともに、その役割を終えつつある

プログラミング教育での活用

プログラミング教育での活用

近年、子供たちの論理的な思考力を育てることを目的として、プログラミング教育が注目を集めています。2020年には小学校でプログラミング教育が必修化され、子供たちが幼い頃からプログラミングに触れる機会が増加しています。

プログラミング教育において、どのようなプログラミング言語を学ぶかは重要な要素です。その中でも、BASICは、その分かりやすさから、再びプログラミング教育の現場で注目されています。BASICは、命令の単語が英語を基に作られており、比較的理解しやすいという特徴があります。また、プログラムの構造がシンプルであるため、プログラミングの基礎を学ぶ上では最適です。これらの点から、子供たちが初めて触れるプログラミング言語として、BASICは最適な選択肢の一つと言えるでしょう。

BASICを通して、子供たちはプログラミングの楽しさを体験することができます。例えば、簡単なゲームを作成したり、図形を描画したりすることで、プログラミングが創造性を育むツールであることを実感することができます。また、プログラミングを通じて、問題解決能力や論理的思考力を養うことも期待できます。

項目 内容
背景
  • 子供たちの論理的思考力を育てるためにプログラミング教育が注目されている
  • 2020年から小学校でプログラミング教育が必修化
BASICとは
  • 分かりやすいプログラミング言語として、再び注目されている
  • 命令の単語が英語ベースで比較的理解しやすい
  • プログラムの構造がシンプルで、プログラミングの基礎学習に最適
BASICでできること
  • 簡単なゲーム作成
  • 図形の描画
BASICを通して得られる効果
  • プログラミングの楽しさを体験できる
  • 創造性を育むことができる
  • 問題解決能力や論理的思考力を養うことができる

センター試験での出題

センター試験での出題

かつて、大学進学を目指す多くの高校生が受験するセンター試験の数学II・Bで、BASICが使われた問題が出題されていたことは、少し意外に思われるかもしれません。これは、当時の高校生にとってBASICが比較的馴染み深く、プログラミングの基本的な考え方や知識を評価するのに適していたためです。

当時のコンピュータ教育では、BASICは入門的なプログラミング言語として広く使われていました。簡単な計算から複雑な処理まで、比較的分かりやすい文法で記述できるため、プログラミングの基礎を学ぶには最適な教材だったのです。センター試験の出題者は、受験生がプログラミングを通じて論理的な思考力や問題解決能力を身につけているかを測る目的で、BASICを用いた問題を取り入れていたと考えられます。

しかし、時代の流れとともにコンピュータ技術は急速に進歩し、プログラミング言語も多様化しました。それに伴い、教育現場で使われるプログラミング言語も変化し、BASICは次第に姿を消していきました。そして、2015年以降、センター試験の数学II・BからBASICは出題範囲から外されることになりました。

現在では、BASICを目にする機会は減りましたが、かつて多くの高校生がBASICを通じてプログラミングに触れ、その基礎を学んでいたことは事実です。そして、そこで培われた論理的な思考力や問題解決能力は、時代が変わっても色褪せることなく、様々な場面で活かされていると言えるでしょう。

時代 状況 理由
かつて センター試験数学II・BでBASICが使われていた – 当時の高校生にとってBASICが比較的馴染み深く、プログラミングの基本的な考え方や知識を評価するのに適していたため
– 受験生がプログラミングを通じて論理的な思考力や問題解決能力を身につけているかを測る目的があったため
時代の流れに伴い コンピュータ技術の進歩、プログラミング言語の多様化 – 教育現場で使われるプログラミング言語も変化し、BASICは次第に姿を消していった
2015年以降 センター試験数学II・BからBASICは出題範囲から外された
現在 BASICを目にする機会は減った
BASICを通じて培われた論理的な思考力や問題解決能力は、様々な場面で活かされている