FTEとは? 人材配置の効率化に役立つ指標を解説
ICTを知りたい
先生、FTEってなんですか?よく聞くんですけど、よく分からなくて。
ICT研究家
FTEはフルタイムで働く人に換算して、どれくらいの仕事量かを示すものだよ。例えば、週20時間働く人がいたら、フルタイムの人の半分働いていることになるよね?
ICTを知りたい
ああ、だから0.5人分ってことですね。それで、FTEは何のために使うんですか?
ICT研究家
プロジェクトに必要な人数を計算したり、コストを計算したりするのに役立つんだ。たくさんの人が関わるプロジェクトだと、特に便利だよ。
FTEとは。
「ICTの分野でよく聞く『FTE』っていう言葉について説明します。『FTE』は『フルタイム・イクイバレント』の略で、簡単に言うと、フルタイムで働く人何人分の働きに当たるのかを表す単位です。会社で働く人の仕事の量を測ったり、計画を立てたりするときに使います。
例えば、週40時間働く人を基準に考えます。週40時間働く人の仕事量を「1」とすると、週20時間働く人の仕事量は「0.5」になります。つまり、週20時間働く人は、フルタイムの人の半分の仕事量をしていることになります。
この『FTE』を使うと、プロジェクトを進めるのに必要な人数や、会社の規模を分かりやすく表すことができます。また、コストをどれくらい減らせるか計算するのにも役立ちます。」
FTEの概要
– 常勤換算(FTE)の概要常勤換算(FTEFull-Time Equivalent)とは、従業員の労働時間をフルタイム勤務の従業員と比較して、何人分の働きに相当するかを表す指標です。例えば、週20時間勤務のパートタイム従業員は、週40時間勤務のフルタイム従業員と比較して0.5FTEと計算されます。FTEは、企業における人員計画やプロジェクト管理において、重要な役割を果たします。特に、以下のような場面で活用されます。* -人員計画の策定- 企業全体の必要人員数を算出する際、FTEを用いることで、パートタイム従業員や派遣社員を含む、すべての種類の従業員を総合的に把握することができます。これにより、より正確な人員計画を立てることが可能となります。* -プロジェクトの人員配置- プロジェクトに必要な人員をFTEで表すことで、必要なスキルを持つ人材を適切な人数だけ配置することができます。* -人件費の管理- 従業員の労働時間をFTEに変換することで、パートタイム従業員や残業時間などを含めた人件費を、より正確に把握することができます。* -生産性分析- FTEを用いることで、従業員一人当たりの生産性を算出し、部門間やプロジェクト間の比較分析を行うことができます。FTEは、様々な雇用形態や労働時間を考慮した上で、人員リソースを効率的に活用するための有効な指標と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 従業員の労働時間をフルタイム勤務の従業員と比較して、何人分の働きに相当するかを表す指標 |
例 | 週20時間勤務のパートタイム従業員は、週40時間勤務のフルタイム従業員と比較して0.5FTE |
用途 | – 人員計画の策定 – プロジェクトの人員配置 – 人件費の管理 – 生産性分析 |
メリット | – パートタイム従業員や派遣社員を含む、すべての種類の従業員を総合的に把握できる – 必要なスキルを持つ人材を適切な人数だけ配置できる – パートタイム従業員や残業時間などを含めた人件費を、より正確に把握できる – 従業員一人当たりの生産性を算出し、部門間やプロジェクト間の比較分析を行える |
FTEの算出方法
– FTE(常勤換算)の算出方法FTE(常勤換算)とは、従業員の労働時間を「週40時間勤務の社員を1」とした場合に、どれだけの割合に相当するかを示す指標です。FTEを算出することで、正社員やパートタイム社員など、雇用形態の異なる従業員も含めた総労働時間を把握することができます。FTEの算出は、原則として週40時間の労働時間を基準として行います。例えば、週40時間勤務の正社員の場合、FTEは1となります。これは、週40時間勤務が1FTEとして定義されているためです。一方、週20時間勤務のパートタイム社員の場合、FTEは0.5となります。これは、週20時間は週40時間の半分であるため、FTEも半分として計算されるためです。計算式は「20時間 ÷ 40時間 = 0.5」となります。このように、FTEは勤務時間に応じて変動します。週10時間勤務のアルバイトであればFTEは0.25、週30時間勤務の短時間勤務社員であればFTEは0.75といったように、それぞれの勤務時間に基づいて算出されます。複数の従業員で構成されるチーム全体のFTEを算出する場合は、各従業員のFTEを合計します。例えば、週40時間勤務の社員が2名、週20時間勤務のパート社員が3名いるチームの場合、チーム全体のFTEは「1 × 2 + 0.5 × 3 = 3.5」となります。FTEを把握することで、企業は適切な人員計画や人件費管理を行うことが可能となります。
従業員の種類 | 勤務時間 | FTE | 計算式 |
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週40時間勤務の正社員 | 週40時間 | 1 | 40時間 ÷ 40時間 = 1 |
週20時間勤務のパートタイム社員 | 週20時間 | 0.5 | 20時間 ÷ 40時間 = 0.5 |
週10時間勤務のアルバイト | 週10時間 | 0.25 | 10時間 ÷ 40時間 = 0.25 |
週30時間勤務の短時間勤務社員 | 週30時間 | 0.75 | 30時間 ÷ 40時間 = 0.75 |
FTE活用のメリット
– FTE活用のメリットFTE(フルタイム当量)は、正社員やパートタイマーなど雇用形態に関係なく、労働時間を基準として従業員を「何人分の労働力としてカウントできるか」を表す指標です。このFTEを活用することで、企業は様々なメリットを享受できます。まず、FTEを用いることで、部門やプロジェクトごとに必要な人員数を明確化できます。従来の人数カウントでは、例えば、パートタイマーを一人とカウントしていた場合、実際の労働時間まで加味することができませんでした。しかし、FTEを用いることで、労働時間ベースで「〇.〇人分の労働力」と把握することが可能になります。これにより、人材配置の適正化を図り、人材の過不足を解消することができます。また、FTEは、人件費の算出や予測にも役立ちます。従来の方法では、雇用形態ごとに異なる給与体系や労働時間を考慮する必要があり、人件費の計算が煩雑になりがちでした。しかし、FTEを用いることで、労働時間ベースで人件費を計算できるため、シンプルかつ正確な人件費管理を実現できます。さらに、将来的な事業計画に基づいて必要なFTEを算出することで、人件費の予測精度を高め、より的確な予算管理を実現することも可能になります。このように、FTEを活用することで、企業は人材管理の効率化とコストの最適化を同時に実現できるのです。
メリット | 内容 |
---|---|
人員数の明確化 | – FTEを活用することで、部門/プロジェクトに必要な人員数を明確化できる – 労働時間ベースで人員を把握できるので、従来の人数カウントよりも正確な把握が可能 |
人材配置の適正化 | – FTEに基づいた人員配置を行うことで、人材の過不足を解消できる |
人件費の算出・予測の効率化 | – 労働時間ベースで人件費を計算できるため、シンプルかつ正確な人件費管理が可能 – 将来の事業計画に基づいてFTEを算出することで、人件費の予測精度を高め、的確な予算管理を実現 |
人材管理の効率化とコストの最適化 | – FTEを活用することで、人材管理の効率化とコストの最適化を同時に実現 |
FTEを用いる際の注意点
社員数を表す指標として「社員換算値」を意味するFTEがよく用いられます。FTEは、正社員以外の社員も含めて、業務量を「何人分の労働力でまかなっているか」を把握する際に役立ちます。しかし、FTEを用いる際には、いくつかの注意点があります。
まず、FTEはあくまでも労働時間に基づいた指標であることを理解する必要があります。社員がどれだけ長時間労働したかを表すものであり、社員一人ひとりの能力や業務の成果を反映したものではありません。そのため、FTEだけをみて社員の評価を行うことは適切ではありません。社員一人ひとりの能力や成果を適切に評価するためには、業務の成果や目標達成度、勤務態度などを総合的に判断する必要があります。
また、FTEを算出する際には、基準となる勤務時間を明確にすることも重要です。企業や業界、または国によって、標準とされる労働時間は異なります。そのため、異なる基準で算出したFTEを単純に比較することはできません。FTEを用いる際は、どのような基準で算出された値なのかを確認する必要があります。
項目 | 内容 |
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FTEとは | 社員数を表す指標。正社員以外も含め、業務量を「何人分の労働力でまかなっているか」を把握する際に役立つ |
注意点1 | FTEは労働時間に基づいた指標であり、社員の能力や成果を反映したものではないため、評価に用いることは適切ではない |
注意点2 | FTEを算出する際には、基準となる勤務時間を明確にする必要がある |
FTEの活用事例
従業員一人当たりの労働力を表す指標であるFTEは、様々なビジネスシーンで活用されています。 新規プロジェクトを立ち上げる際には、必要な人員数を明確にすることが重要です。FTEを用いることで、プロジェクトの規模や期間に応じた適切な人員数を算出することができ、円滑なプロジェクト推進を支援します。また、企業全体の事業計画に基づいて、各部署に適切な人員を配置する際にもFTEは役立ちます。企業の成長戦略に合わせて、人員配置を最適化することで、事業目標の達成をより確実なものとします。
近年では、コスト削減の観点からFTEを指標に人員体制を見直す企業も増加しています。FTEを分析することで、業務の効率化や人員配置の適正化を図り、人件費の最適化を実現することができます。このように、FTEは人員計画やコスト管理において、企業にとって重要な指標として、幅広く活用されています。
まとめ
– まとめ
従業員を「仕事量」という観点から捉え直す「FTE」は、組織にとって、より効率的な働き方を実現するための重要な指標と言えるでしょう。
FTEを適切に活用することで、まず、より精度の高い人員計画の立案が可能となります。 従業員一人ひとりの業務量を可視化することで、各部署における人員の過不足を把握し、適切な人員配置や採用計画に繋げることができるのです。
さらに、FTEは人件費の適正化にも役立ちます。無駄な残業時間を減らし、従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出すような業務分担を実現することで、人件費を抑えながら、より高い成果を上げることも可能となるでしょう。
このように、FTEは組織全体の生産性向上に大きく貢献する可能性を秘めています。しかし、FTEはあくまで指標の一つであることを忘れてはなりません。従業員のモチベーションやエンゲージメント、更には労働環境など、数値化が難しい要素も考慮しながら、総合的に判断することが、組織の成長には不可欠と言えるでしょう。
メリット | 説明 |
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精度の高い人員計画 | 従業員ごとの業務量を可視化し、部署ごとの人員過不足を把握、適切な人員配置や採用計画へ繋げられる。 |
人件費の適正化 | 無駄な残業を減らし、従業員の能力を最大限に活かす業務分担を実現することで、人件費を抑えつつ高い成果を目指す。 |
組織全体の生産性向上 | 上記2点により、組織全体の生産性向上に貢献する可能性がある。 |
注意点 | 説明 |
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FTEは指標の一つ | 従業員のモチベーションやエンゲージメント、労働環境など数値化困難な要素も考慮し、総合的に判断する必要がある。 |