巧妙化する脅威:Emotetとは?

巧妙化する脅威:Emotetとは?

ICTを知りたい

先生、『Emotet(エモテット)』って、どんなものなんですか?ニュースで見たことはあるんですけど、よく分からなくて。

ICT研究家

そうだね。『Emotet』は、人をだましてパソコンに悪いプログラムを感染させる、とても危険なウイルスなんだ。特に、仕事で使う大事なデータを狙うことが多いんだよ。

ICTを知りたい

悪いプログラムって、どんなものですか?

ICT研究家

例えば、パソコンの中身を勝手に盗み見たり、データを開けなくして、お金を要求するプログラムもあるんだ。Emotetは、そういったさらに悪いウイルスを、こっそりパソコンに送り込む役割をするんだよ。

Emotetとは。

「情報通信技術に関連した言葉、『Emotet(エモテト)』について説明します。これは、他のコンピュータウイルスに感染を広げるために悪用される、悪意のあるプログラムの一種です。感染力が非常に強く、身代金を要求するウイルスなどと一緒に感染することが特徴です。例えば、取引先からの返信を装って、コンピュータに侵入しようとします。2014年頃から出現し、2019年後半から猛威を振るいました。2021年1月には、ヨーロッパの警察組織と欧米諸国が協力して、攻撃の元となるサーバーを押さえましたが、同年11月頃から再び攻撃活動が確認されています。」

Emotetの概要

Emotetの概要

– Emotetの概要Emotetは、他のコンピュータウイルスに感染するための道筋を作る、悪意のあるソフトウェアです。このようなソフトウェアは、一般的にマルウェアと呼ばれています。Emotetは、非常に感染力が強く、一度コンピュータに侵入すると、その後に金銭を要求する「ランサムウェア」など、さらに危険なウイルスをダウンロードして実行します。Emotetの最も恐ろしい点は、一見すると、普通のメールのように見えることです。過去には、取引先からの返信メールを装ったり、請求書などの添付ファイルを開くように仕向けたりする事例が報告されています。このような巧妙な偽装によって、受け取った人はそれが危険なメールだと気づかず、添付ファイルを開いたり、メール本文に記載されたリンクをクリックしてしまうのです。Emotetに感染すると、個人情報や重要なファイルが盗まれたり、コンピュータが勝手に操作されたりするなど、様々な被害を受ける可能性があります。最悪の場合、企業の重要なシステムが停止し、業務に大きな支障をきたすことも考えられます。Emotetから身を守るためには、不審なメールを開封しない、安易に添付ファイルを開いたり、リンクをクリックしたりしないなどの基本的な対策を徹底することが重要です。また、セキュリティソフトを常に最新の状態に保ち、コンピュータの脆弱性を解消しておくことも大切です。

項目 内容
Emotetとは 他のコンピュータウイルス感染の道筋を作る悪意のあるソフトウェア(マルウェア)
一度侵入すると、ランサムウェアなど、さらに危険なウイルスをダウンロードして実行する
特徴 一見すると普通のメールのように見える

取引先からの返信メールを装ったり、請求書などの添付ファイルを開くように仕向けたりする
感染による被害 個人情報や重要なファイルの盗難

コンピュータの無断操作

企業の重要なシステム停止による業務への支障
対策 不審なメールの開封、添付ファイルの開封、リンクのクリックをしない

セキュリティソフトを最新の状態に保つ

コンピュータの脆弱性を解消する

Emotetの流行と衰退

Emotetの流行と衰退

Emotetは、2014年頃に初めて確認された、コンピューターウイルスの一種です。
当初は金融機関を狙った攻撃が中心で、銀行口座の情報などを盗み出すことを目的としていました。しかし、Emotetはその後の数年で、手口を巧妙化させながら世界中に拡散していきました。
2019年後半には、日本を含む世界中で猛威を振るい、企業や官公庁など、多くの組織が被害を受けました。中には、業務システムが長期間にわたって停止に追い込まれるなど、深刻な被害を受けたケースもありました。

こうした状況を受け、国際刑事警察機構(ユーロポール)と欧米各国が協力し、Emotetの撲滅作戦に乗り出しました。そして2021年1月、ついにEmotetの攻撃活動を支えていたサーバーを差し押さえることに成功したのです。
この作戦により、Emotetによる被害は一時的に減少したかに見えましたが、安心することはできませんでした。2021年11月頃から再び活動が活発化しているという報告が相次ぎ、現在も予断を許さない状況が続いています。
Emotetは、メールの添付ファイルやリンクを介して感染を広めることが多いため、不審なメールを開封しない、メールに記載されたリンクを安易にクリックしないなど、一人ひとりが基本的な対策を徹底することが重要です。

項目 内容
出現時期 2014年頃
初期の目的 金融機関への攻撃、銀行口座情報の窃取
拡散 世界中に拡散、特に2019年後半に猛威を振るう
被害状況 企業、官公庁など多くの組織が被害、業務システムの長期停止などの深刻なケースも
対策 国際刑事警察機構(ユーロポール)と欧米各国が協力し撲滅作戦を実施
撲滅作戦の結果 2021年1月、Emotetの攻撃活動を支えていたサーバーを差し押さえ
一時的に被害は減少したものの、2021年11月頃から再び活動が活発化
感染経路 メールの添付ファイルやリンクを介して感染を広める
対策 不審なメールを開封しない、メールに記載されたリンクを安易にクリックしないなど、基本的な対策を徹底する

Emotetへの対策

Emotetへの対策

近年、巧妙化するサイバー攻撃の中で、特に「Emotet(エモテット)」による被害が深刻化しています。Emotetは、感染したパソコンを乗っ取り、機密情報を盗み出すだけでなく、そのパソコンを他の攻撃の踏み台として悪用するなど、大変危険なマルウェアです。

Emotetの脅威から身を守るためには、セキュリティ対策ソフトを導入し、常に最新の状態に保つことが重要です。セキュリティ対策ソフトは、Emotetのようなマルウェアを検知し、パソコンへの侵入を防ぐための防御壁としての役割を果たします。しかし、Emotetは日々進化を遂げているため、セキュリティ対策ソフトも常に最新版に更新することで、新たな脅威に対応できるようにする必要があります。

また、身に覚えのないメールや、不審な添付ファイルには、決して触れないという意識を持つことも大切です。Emotetは、実在する企業や組織、あるいは取引先を装ったメールを送りつけ、添付ファイルを開かせることで感染を広げる手口を用います。怪しいと感じたら安易に開かず、送信元を確認したり、内容をよく確認したりするなど、慎重に対応するように心がけましょう。

さらに、Emotetに関する情報収集も有効な対策の一つです。Emotetは日々進化しているため、常に最新の情報を把握しておくことが重要です。警察庁や情報処理推進機構(IPA)などの公的機関のウェブサイトやセキュリティ関連のニュースサイトなどを定期的にチェックし、注意喚起に留意することで、被害を未然に防ぐことができる可能性が高まります。

脅威 対策
Emotetによる情報窃取、攻撃の踏み台にされる – セキュリティ対策ソフトの導入と最新の状態維持
– 身に覚えのないメールや不審な添付ファイルを開かない
– Emotetに関する情報収集(警察庁、IPA、セキュリティニュースサイト)