プロジェクト成功の鍵！PMBOK入門

プロジェクト成功の鍵！PMBOK入門

プロジェクトマネジメントの基礎知識

– プロジェクトを成功に導くために何か新しいことを始めようとする時、それが製品開発でも、イベント開催でも、はたまた引っ越しであっても、計画を立ててから取り掛かることがほとんどでしょう。

綿密な計画は、目標達成への道筋を明らかにし、迷いを減らし、最終的な成功へと導くための羅針盤となってくれます。

ビジネスの世界では、このような活動を「プロジェクト」と呼び、その成功確率を高めるための体系的な手法が「プロジェクトマネジメント」です。

特に、世界中で広く認められている知識体系として「PMBOK（Project Management Body of Knowledge）」があります。

PMBOKは、プロジェクトマネジメントにおけるベストプラクティスを集約し、あらゆるプロジェクトに適用可能な普遍的な知識体系としてまとめられています。

初めてプロジェクトに関わる方は、PMBOKを学ぶことで、プロジェクトの基本的な考え方や進め方を理解し、スムーズに進めるためのノウハウを習得することができます。

また、豊富な経験を持つプロジェクトマネージャーにとっても、PMBOKは自己の知識や経験を体系的に整理し、客観的な視点を取り入れることで、より高いレベルのプロジェクトマネジメントを実現するための指針となります。

PMBOKは、プロジェクトに関わる全ての人にとって、共通の言語として機能し、円滑なコミュニケーションと協力体制を促進することで、プロジェクトの成功を強力に後押ししてくれるでしょう。

PMBOKとは

– PMBOKとは

PMBOKとは、アメリカの非営利団体であるPMI(プロジェクトマネジメント協会)が発行している、プロジェクトマネジメントに関する知識体系ガイドブックです。1987年の初版発行以来、世界中で広く活用されており、プロジェクトマネジメントの成功事例を集めた知識体系として、国際標準としての地位を築いています。

PMBOKは、プロジェクトを成功に導くためのプロセスを体系的にまとめたものです。プロジェクトの開始から完了までの流れを「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」の5つのプロセス群に分け、各プロセス群を構成する49のプロセスを定義しています。

PMBOKは、プロジェクトの目的を達成するために必要な知識エリアも定義しています。統合マネジメント、スコープマネジメント、スケジュールマネジメント、コストマネジメント、品質マネジメント、資源マネジメント、コミュニケーションマネジメント、リスクマネジメント、調達マネジメント、ステークホルダーマネジメントの10個の知識エリアがあり、プロジェクトマネージャーはこれらの知識エリアを駆使してプロジェクトを管理します。

PMBOKは、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを集約したものであり、プロジェクトの成功確率を高めるための指針となります。プロジェクトマネージャーだけでなく、プロジェクトに関わるすべての人にとって有用な知識体系といえるでしょう。

５つのプロセスと１０の知識エリア

プロジェクトを成功に導くには、体系的な管理手法が欠かせません。そのための世界標準ともいえるフレームワークがPMBOKです。PMBOKでは、プロジェクト管理を大きく「プロセス」と「知識エリア」の二つに分けて捉えています。

まず、プロジェクトのライフサイクル全体を通して、５つの「プロセスグループ」を繰り返します。 プロジェクトの開始となる「立ち上げ」、目標や計画を明確にする「計画」、計画に基づいて実際に作業を行う「実行」、プロジェクトの進捗や成果物をチェックする「監視・管理」、そしてプロジェクトの締めくくりとなる「終結」です。

これらのプロセスを効果的に進めるために、10種類の「知識エリア」を活用します。プロジェクト全体を統括する「総合管理」、組織やチームに関わる「組織管理」、予算や費用を管理する「コスト管理」、プロジェクトの範囲を定める「スコープ管理」、時間配分や工程を管理する「スケジュール管理」、成果物の品質を確保する「品質管理」、円滑な情報伝達を図る「コミュニケーション管理」、潜在的な問題や影響を予測・対処する「リスク管理」、必要な資源を外部から調達する「調達管理」、そしてプロジェクトに関わる人々との関係を築く「ステークホルダー管理」です。

このように、PMBOKでは５つのプロセスと10の知識エリアを相互に関連付けることで、プロジェクトをあらゆる角度から分析し、包括的に管理できるようになっています。

QCDの達成

– QCDの達成

プロジェクトを成功に導くためには、QCD（品質、費用、納期）のバランスを保つことが非常に重要です。プロジェクトマネジメントの国際基準であるPMBOKでは、このQCDの目標達成を重視しています。

品質とは、プロジェクトの成果物が、顧客の要求や期待に応えるものになっているかどうかを示すものです。品質を確保するためには、要件定義を明確に行い、設計レビューやテストなどを適切に実施する必要があります。

費用とは、プロジェクトを完了するために必要な資源にかかる金額を指します。予算内でプロジェクトを完了するためには、資源の適切な配分やコスト管理が欠かせません。

納期とは、プロジェクトをいつまでに完了させる必要があるのかを示すものです。納期を守るためには、スケジュール管理を徹底し、遅延が発生した場合の対策を講じておく必要があります。

PMBOKは、プロジェクトマネージャーが、品質を確保しつつ、費用を抑え、納期を守ることができるように、様々なプロセスやツール、テクニックを提供しています。これらの知識や技術を駆使することで、プロジェクトを成功に導くことができるのです。

常に進化する知識体系

プロジェクトマネジメントの知識体系として世界中で広く活用されているPMBOKは、時代の変化や技術の進歩に合わせて定期的に改定されています。これは、プロジェクトを成功に導くためには、常に最新の知識や手法を身につけておく必要があるという理念に基づいています。

実際に、ビジネス環境が目まぐるしく変化する現代において、ウォーターフォール型の開発手法だけでなく、アジャイル開発のような柔軟性の高い手法が求められるケースも増加しています。このような時代の要請に応えるために、PMBOKもまた進化を続けています。

最新の第7版では、従来の知識体系に加えて、アジャイル開発のような新しいプロジェクトマネジメント手法や、変化への対応力、不確実性への対処法など、現代のプロジェクトマネージャーに求められる重要な要素が強化されています。

このように、PMBOKは常に進化し続けることで、プロジェクトマネジメントの最新動向を反映し、実務に役立つ知識体系であり続けています。プロジェクトマネージャーを目指す方はもちろん、既に活躍されている方も、常に最新のPMBOKを学び続けることで、プロジェクトの成功確率を高めることができます。

世界で認められるPMP資格

世界中で認められるプロジェクトマネジメントの資格、それがPMP®（Project Management Professional）です。PMP®は、プロジェクトマネジメントの知識体系であるPMBOKを基にした国際資格であり、取得することで、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとしての知識と経験を証明することができます。

PMP®は、世界200以上の国と地域で取得者が100万人を超える、グローバルスタンダードの資格です。そのため、国や業界を問わず、プロジェクトマネージャーとして活躍したいと考えている人にとって、非常に有用な資格と言えるでしょう。

PMP®を取得することで、プロジェクトマネジメントに関する幅広い知識やスキルを習得できるだけでなく、プロジェクトを成功に導くための実践的な能力を身につけることができます。また、資格取得を通じて、自身のプロジェクトマネジメント能力に対する自信を高め、周囲からの信頼を獲得することも期待できます。

PMP®は、キャリアアップを目指すプロジェクトマネージャーにとって、大きな武器となるでしょう。PMP®を取得することで、より高度なプロジェクトに挑戦する機会を得たり、給与アップや昇進に繋がる可能性もあります。さらに、世界中のプロジェクトマネージャーと繋がり、交流する機会を得ることもできます。