ナローバンドとは? – インターネットの昔話?

ナローバンドとは? – インターネットの昔話?

ICTを知りたい

先生、「ナローバンド」って言葉、ICTの授業で出てきたんですけど、どういう意味ですか?

ICT研究家

良い質問ですね!「ナローバンド」は、インターネットの回線速度が遅いことを表す言葉です。昔はナローバンドが主流でしたが、今はもっと速い「ブロードバンド」が主流になっています。

ICTを知りたい

そうなんですね。でも、具体的にどれくらい遅かったんですか?

ICT研究家

そうですねえ。例えば、ナローバンドでホームページを見る場合、写真1枚を表示するにも数秒から数十秒かかっていました。今では考えられないですよね。

ナローバンドとは。

「情報通信技術に関連して使われる言葉、『ナローバンド』は、55.6kbps以下のモデムを使った接続やISDNなど、速度の遅いインターネット接続回線のことを指します。これは、高速なインターネット接続回線である『ブロードバンド』と対比される言葉です。」

ナローバンドの定義

ナローバンドの定義

– ナローバンドの定義インターネットの回線速度には、様々な種類があります。その中で「ナローバンド」と呼ばれるものは、比較的遅い速度の回線を指します。一体どれくらい遅いかというと、一般的には毎秒55.6キロビット(55.6kbps)以下の速度をナローバンドと定義しています。この「kbps」という単位は、「キロビット毎秒」の略称で、1秒間にどれだけの量のデータを送受信できるかを示す単位です。現在では、光回線などを利用した高速なインターネット回線が普及しており、1秒間に数ギガビット(Gbps)ものデータを送受信することが可能です。それに比べると、55.6kbpsという速度は非常に遅く、画像を一つ表示するにも時間がかかってしまうこともあります。かつては、電話回線を利用したアナログ回線が主流でしたが、現在ではADSLや光ファイバーといった高速なブロードバンド回線が普及したため、ナローバンドはあまり利用されなくなりました。しかし、IoT機器など、大量のデータを送受信する必要がない機器においては、現在でもナローバンドが利用されることがあります。

項目 内容
定義 毎秒55.6キロビット(55.6kbps)以下の回線速度
単位 kbps(キロビット毎秒)
速度感 現在主流の光回線(Gbps)と比較して非常に遅い。画像1枚の表示にも時間がかかることも。
現状 ADSLや光ファイバーなどのブロードバンド回線普及により、あまり利用されなくなった。
用途例 IoT機器など、大量のデータ送受信が必要ない機器

ナローバンドの例

ナローバンドの例

– ナローバンドの例

かつて、インターネットの黎明期から広く利用されていた通信方式にナローバンドがあります。ナローバンドは、現在の主流であるブロードバンドと比較して、通信速度が遅いという特徴があります。

ナローバンド接続の代表例としては、モデム接続が挙げられます。モデム接続は、電話回線を利用してインターネットに接続する方法でした。電話をかけるときに耳にする「プーップーッ」という発信音とは異なる、「ピーガガガ・・・」という独特の接続音が、当時を懐かしく思い出す人もいるのではないでしょうか。

また、ISDNもナローバンド接続の一種です。ISDNは、電話回線と同じ銅線を利用するものの、デジタル信号を用いることで、モデム接続よりも高速な通信を実現していました。しかし、ISDNもブロードバンドの普及とともに、その姿を消していきました。

ナローバンドは、現在ではブロードバンドに取って代わられましたが、その歴史はインターネットの進化の過程を物語る上で欠かせないものです。

区分 説明 備考
ナローバンド 通信速度が遅い – かつて主流
– インターネット黎明期から利用
ナローバンド接続の例 モデム接続 – 電話回線を利用
– 「ピーガガガ・・・」という接続音
ナローバンド接続の例 ISDN – 電話回線と同じ銅線を利用
– デジタル信号を用いる
– モデム接続より高速

ブロードバンドとの違い

ブロードバンドとの違い

– ブロードバンドとの違いかつて主流だったナローバンドとは異なり、現在広く普及している高速インターネット接続はブロードバンドと呼ばれています。一体、何が違うのでしょうか。ナローバンドは、電話回線を用いてデータ通信を行うため、通信速度に限界がありました。回線を音声通話と共有するため、インターネット利用中は電話が使えなくなることも不便でした。一方、ブロードバンドは光ファイバーや高速デジタル回線を使用するため、ナローバンドとは比較にならないほどの高速なデータ通信が可能です。光ファイバーは、髪の毛よりも細いガラス繊維の中で光信号を伝送するため、大容量のデータを高速かつ安定して送受信できます。この高速性により、ブロードバンドは動画視聴や大容量ファイルの送受信も快適に行えます。高画質・高音質の動画配信サービスも、ストレスなく楽しめるようになりました。さらに、オンラインゲームのようにリアルタイム性が求められるサービスも、快適に利用できるようになっています。このように、ブロードバンドは通信速度の面でナローバンドを凌駕し、私たちのインターネット体験を大きく変えました。動画配信やオンラインゲームなど、現代のインターネットサービスの多くは、ブロードバンドの高速性があってこそ実現していると言えるでしょう。

項目 ナローバンド ブロードバンド
通信方式 電話回線 光ファイバーや高速デジタル回線
通信速度 遅い 非常に速い
データ容量 小容量 大容量
同時利用 電話とインターネットを同時利用不可 電話とインターネットを同時利用可能
用途例 テキストベースのWebサイト閲覧、メール送受信 動画視聴、大容量ファイルの送受信、オンラインゲーム
メリット 安価 高速、大容量、安定した通信
デメリット 低速、同時利用不可 料金が高い場合がある

ナローバンドの今

ナローバンドの今

高速なデータ通信が可能なブロードバンドが広く普及した現代において、低速なデータ通信方式であるナローバンドは主流の座を譲ることとなりました。しかし、ブロードバンドの普及は地域によってばらつきがあり、現在でもさまざまな理由からナローバンド接続が利用されているケースが存在します。

地理的な条件が大きな要因となって、ブロードバンド回線を敷設することが難しい地域では、依然としてナローバンド接続が重要な役割を担っています。山間部や離島など、インフラ整備が進んでいない地域では、高速なインターネット接続を利用することが困難な場合があります。また、都市部と比較して利用者が少ない地方では、採算性の問題からブロードバンドサービスの提供が遅れているケースも見られます。

コスト面もナローバンドが選択される理由の一つです。ブロードバンドと比較して、ナローバンドは月額料金が低廉であることが多く、経済的な負担を抑えたい利用者にとって魅力的な選択肢となっています。特に、インターネットをあまり利用しないユーザーや、電子メールや簡単な情報収集など、限られた用途でしかインターネットを利用しないユーザーにとっては、ナローバンドでも十分な場合があります。

さらに、近年注目を集めているIoT分野においても、ナローバンドは重要な役割を担っています。IoT機器は、センサーデータなど、比較的小さなデータを送受信することが多く、高速なデータ通信は必ずしも必要ありません。そのため、低消費電力、低コストであるナローバンドは、IoT機器との相性が良く、さまざまな分野で活用されています。

項目 内容
ブロードバンド普及の影響 ナローバンドは主流ではなくなったが、地域によって普及状況は異なる
ナローバンドが利用される理由 – 地理的条件: 山間部や離島など、インフラ整備が難しい地域ではブロードバンド敷設が困難
– コスト: ブロードバンドより月額料金が安く、経済的負担が少ない
– IoT分野での活用: 低消費電力、低コストであるため、IoT機器との相性が良い

まとめ

まとめ

インターネットが広く普及し始めた頃、欠かせない技術であったのがナローバンドです。ナローバンドは、電話回線を使ってデータ通信を行うため、電話を使っている間はインターネットに接続できないという制限がありました。また、通信速度も現在主流のブロードバンドに比べて非常に遅く、画像が多いページの表示やファイルのダウンロードには時間がかかっていました。
しかし、技術の進歩は目覚ましく、光ファイバーなどを使った高速通信技術が登場しました。これがブロードバンドと呼ばれる技術です。ブロードバンドはナローバンドと比べて圧倒的に通信速度が速く、インターネットを快適に利用できるようになりました。そのため、現在では多くの地域でブロードバンドが主流となり、ナローバンドは姿を消しつつあります。
とはいえ、ナローバンドは完全に姿を消したわけではありません。ブロードバンドが普及していない地域や、コストを抑えたい場合など、限られた状況では現在も利用されています。また、そのシンプルな仕組みから、特定の分野では信頼性の高い通信手段として活用されることもあります。
このように、ナローバンドはインターネットの進化において重要な役割を果たしてきました。そして、時代の流れとともに主流の座を譲った現在でも、特定の場面においてその存在意義を放っています。

項目 ナローバンド ブロードバンド
通信方式 電話回線 光ファイバーなど
通信速度 遅い 速い
普及率 低い(現在では限られた地域で利用) 高い(現在主流)
メリット コストが低い、信頼性が高い 高速通信
デメリット 電話と同時利用不可、速度が遅い コストが高い