コンサル業界で頻出?「行って来い」の意味とは
ICTを知りたい
先生、『行って来い』って言葉、ICTの授業で出てきたんですけど、証券用語から来てるってホントですか?
ICT研究家
そうだね。もともとは証券用語で、株価が上がったかと思えば、結局元の値に戻る様子を指していたんだよ。それが、今では他の分野でも使われるようになって、ICTの分野ではどんな意味で使われていたかな?
ICTを知りたい
えーっと、複雑な処理をしても、結局、元のデータと何も変わってないって時です。
ICT研究家
その通り!まさにそういう意味だね。複雑な処理をしても、結果がプラスマイナスゼロになることを『行って来い』って表現するんだね。
行って来いとは。
情報通信技術の分野で使われる「行って来い」という言葉について説明します。 この言葉はもともと株の売買で使われていた言葉で、一日の間に株価が上がったり下がったりした後で、結局は前日と同じ値に戻ることを指していました。コンサルタントの世界では、ある数字に足し算と引き算を何回か繰り返した結果、最終的にその数字が変わらなかった場合に「行って来い」と表現します。これは「プラスマイナスゼロ」と同じ意味です。
「行って来い」の語源
「行って来い」という表現、日常会話でよく耳にしますよね。でも、この言葉が元々証券業界で使われていた専門用語だったと知っていましたか?
株式投資の世界では、株価は常に変動しています。一日の中でも上がったり下がったりと、まるで激しい波のように上下を繰り返します。そして、取引終了時にたまたま前日と同じ株価になった時、つまり一日で上がった分だけきっちり下がってプラスマイナスゼロになった状態を、証券マンたちは「行って来い」と呼んでいました。
「行って来い」は、まさに株価が元の位置に戻ってくる様子を表した言葉なのです。上がって喜んだのも束の間、結局は元の木阿弥。そんな投資家たちの悲喜こもごもが込められている表現とも言えるでしょう。
その後、この「行って来い」という言葉は、証券業界だけでなく、より広い範囲で使われるようになりました。意味合いも変化し、現在では「元の場所に戻ってくる」という意味だけでなく、「無駄な努力」や「結局は何も変わらない」といったニュアンスも含むようになっています。
用語 | 意味 | 由来 | 使用例 |
---|---|---|---|
行って来い | 1. 株価が1日を通して変動したものの、終値が前日と同じになること 2. 元の場所に戻ってくること 3. 無駄な努力、結局は何も変わらないこと |
証券業界で、株価が前日と同じ水準に戻ることを指した言葉 | 1. 今日の株価は結局行って来いだったね。 2. あれだけ頑張ったのに、結局行って来いでがっかりだよ。 |
コンサル業界における「行って来い」
コンサルタントの仕事では、様々な要因を分析し、最終的な結論を導き出すことが求められます。その過程でよく耳にする言葉の一つに「行って来い」があります。これは、一見複雑そうに見える現象も、よく見るとプラスとマイナスの要素が相殺しあって、結果的に現状維持となる状態を指します。
例えば、大規模なプロジェクトの工程表を作成する場面を考えてみましょう。当初の計画では、工程Aに10日間かかる予定だったとします。ところが、経験豊富なメンバーの投入により、工程Aを2日間短縮できる見込みが立ちました。これは喜ばしい進捗ですが、同時に別の問題が発生します。工程Bで、当初想定していなかった追加作業が発生し、3日間余分に必要になったのです。このように、工程Aの短縮(マイナス2日)と工程Bの延長(プラス3日)により、差し引き1日の増加となり、当初の予定から変更がない、すなわち「行って来い」の状態になります。
コンサルタントは、このような「行って来い」を見抜く鋭い観察眼を持つことが重要です。表面的な変化にとらわれず、様々な要因を多角的に分析することで、物事の本質を見極めることができるのです。
「行って来い」と「プラスマイナスゼロ」の違い
「行って来い」と「プラスマイナスゼロ」は、どちらも最終的に元の状態に戻ることを表す点で、非常によく似た表現です。しかし、微妙なニュアンスの違いが存在します。
「プラスマイナスゼロ」は、計算の結果がゼロになることを意味します。例えば、収入と支出が同じ場合や、ある地点から移動した距離と戻ってきた距離が同じ場合などに用いられます。これは、客観的な事実に基づいた表現と言えるでしょう。
一方、「行って来い」は、何かが出たり入ったりする動きをイメージさせます。例えば、人に物を貸して返ってきた時や、仕事で出張に行って帰ってきた時などに用いられます。この表現からは、単なるゼロではなく、一連の動きや変化があったことが感じられます。
このように、「行って来い」と「プラスマイナスゼロ」は、どちらも最終的には同じ状態に戻ることを表しますが、前者は動きや変化を伴う場合に、後者は客観的な計算結果を表す場合に、それぞれ使われることが多いと言えるでしょう。
項目 | 行って来い | プラスマイナスゼロ |
---|---|---|
意味 | 最終的に元の状態に戻る | 最終的に元の状態に戻る(計算結果がゼロ) |
ニュアンス | 動きや変化がある | 客観的な事実 |
使用例 | 物を貸して返ってきた時、出張に行って帰ってきた時 | 収入と支出が同じ場合、移動距離と帰還距離が同じ場合 |
「行って来い」の使用例
「行って来い」という言葉は、ある場所に行って戻ってくることを意味しますが、ビジネスシーンなどでは異なる意味合いで使われることがあります。これは、一見プラスに思える変化があったとしても、結局元の状態に戻ってしまう状況を指す際に用いられます。
例えば、新規事業を立ち上げる際に、綿密な市場調査や収益予測は欠かせません。もし、初期投資に見合うだけの売上を見込めない場合、たとえ一時的に利益が出たとしても、長い目で見れば投資を回収できず、結果的に損失が出てしまうことがあります。このような状況も「行って来い」の一例と言えるでしょう。
また、コスト削減も重要な経営課題の一つですが、安易な考えは禁物です。ある費用を削減したことで、別の費用が発生したり、品質が低下して結局は顧客満足度を下げてしまうこともあります。この場合も、一時的にコストが削減できたとしても、最終的には企業の利益を損なう可能性があり、「行って来い」の状態に陥ってしまいます。
このように、「行って来い」という言葉は、物事の本質を見極めることの重要性を教えてくれます。目先の変化にとらわれず、多角的な視点から分析し、本当にプラスになるかどうかを判断する必要があると言えるでしょう。
場面 | 一見プラスの変化 | 結局元に戻る理由 | 結果 |
---|---|---|---|
新規事業 | 一時的な利益 | 投資を回収できない | 損失 |
コスト削減 | 一時的なコスト削減 | 別の費用発生、品質低下による顧客満足度低下 | 企業利益損失 |
「行って来い」を避けるには
顧客からの依頼にただ応えるだけでなく、顧客にとって真に価値のある提案をするためには、「言われたことだけをやる」という姿勢を改め、「顧客にとって何が最善なのか」という視点を持つことが重要です。そのためには、目先の数字にとらわれず、その背後にある原因や課題を深く掘り下げていく必要があります。
例えば、顧客からコスト削減の依頼があったとします。短絡的に考えれば、特定の項目の費用を削減すれば immediate には効果が現れます。しかし、それは一時的な効果しかもたらさず、根本的な解決にはなりません。
真に顧客のためになる提案をするためには、まず、現状のコスト構造全体を分析し、非効率な部分や無駄なプロセスがないかを徹底的に見直す必要があります。そして、業務プロセスそのものを見直し、抜本的に改善することで、より大きな効果を生み出すことができるかもしれません。
顧客の真のニーズを捉え、本質的な課題解決に繋がる提案をすることが、顧客との信頼関係を築き、長期的な関係を構築していく上で非常に重要です。