eSIMとは?仕組みやメリット、日本の普及状況について解説
ICTを知りたい
先生、「eSIM」って最近よく聞くけど、普通のSIMカードと何が違うんですか?
ICT研究家
いい質問だね! eSIMは、簡単に言うとスマホに内蔵されたSIMカードなんだ。従来のSIMカードみたいに小さなカードを差し込む必要がないんだよ。
ICTを知りたい
へえー!じゃあ、スマホを買い換えるときはどうするの?
ICT研究家
eSIMなら、オンラインで手続きするだけで新しいスマホに情報を移せるんだ。だから、お店に行ってSIMカードを交換してもらう手間も省けるんだよ!
eSIMとは。
携帯電話やインターネットに関係する言葉「eSIM」について説明します。eSIMは、スマートフォンの中に最初から組み込まれているSIMのことです。SIMとは、契約者の情報を記録した小さな電子部品で、これまでは小さなカード型のSIMカードが使われてきました。従来は、SIMカードをスマートフォンに差し込んでいましたが、eSIMは内蔵されているのでその手間が省けます。インターネット上で契約手続きが完了するため、携帯会社を変えるのも簡単になり、差し替えによる故障のリスクも減ります。また、SIMカードとeSIMの両方に対応した「デュアルSIM」のスマートフォンであれば、それぞれのSIMで異なる携帯会社を設定して使い分けることもできます。仕事用とプライベート用で複数のスマートフォンを持っている人もいるかもしれませんが、デュアルSIM対応スマートフォンであれば、設定を切り替えるだけで使うネットワークを変えることができます。日本ではまだ目新しいものと思われていますが、欧米を中心にすでに普及している国も多いです。日本でも普及に向けて、注意点などをまとめた「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」を総務省が2021年8月10日に発表しました。日本政府も推進するeSIMは、従来のSIMカードよりも多くの利点があるため、今後広く使われていくと予想されます。
eSIMの概要
– eSIMの概要スマートフォンやタブレット端末の普及に伴い、通信サービスへの加入や解約も手軽に行いたいというニーズが高まっています。従来のSIMカードでは、新しいサービスに加入するたびに、通信事業者の店舗に出向いたり、郵送で受け取ったりする必要がありました。しかし、eSIMの登場により、そうした手間は不要になりつつあります。eSIMは、端末に直接内蔵されたSIMのことであり、従来のような物理的なカードの挿入は必要ありません。eSIM対応端末であれば、通信事業者のウェブサイトやアプリから申し込むだけで、オンラインですぐに通信サービスを利用開始できます。従来のようにSIMカードが届くまで待つ必要もありませんし、SIMカードを端末に挿入する手間も省けます。また、eSIMは複数の通信事業者のプロファイルを保存できるため、海外渡航時などにも簡単に通信事業者を切り替えられます。従来のように現地のSIMカードを購入する必要がなく、安心して海外旅行を楽しめるようになりました。このように、eSIMは従来のSIMカードの煩わしさを解消し、より便利で快適なモバイル通信を実現する技術として期待されています。
項目 | 従来のSIMカード | eSIM |
---|---|---|
形態 | 物理的なカード | 端末に内蔵 |
サービス加入 | 店舗訪問や郵送が必要 | オンラインで即時利用開始 |
事業者変更 | SIMカードの差し替えが必要 | プロファイルの切り替えで容易に変更可能 |
海外利用 | 現地のSIMカードの購入が必要 | 簡単に事業者変更が可能 |
利便性 | 手間がかかる | 便利で快適 |
eSIMの仕組み
– eSIMの仕組み
eSIMは、従来のSIMカードとは異なり、機器に直接組み込まれた小さな電子チップです。
このチップには「プロファイル」と呼ばれる契約者情報が記録されており、ここには携帯電話番号や通信事業者に関する情報など、通信サービスを受けるために必要なデータがすべて含まれています。
従来のSIMカードでは、新しい通信事業者と契約するたびにSIMカードを差し替える必要がありました。
しかし、eSIMの場合、プロファイルを遠隔で書き換えたり、追加したりすることが可能です。
そのため、携帯ショップに出向くことなく、オンラインで簡単に通信サービスの契約や変更手続きを行うことができます。
eSIMの登場により、スマートフォンやタブレットなどのデバイスはよりコンパクトになり、また、複数のプロファイルを保存できるため、状況に応じて簡単に通信事業者やプランを切り替えることが可能になりました。
項目 | 内容 |
---|---|
種類 | 電子チップ |
特徴 | 機器に組み込み プロファイルを遠隔で書き換え・追加可能 |
メリット | – SIMカードの差し替え不要 – オンラインで契約・変更手続きが可能 – デバイスのコンパクト化 – 複数のプロファイルの保存 – 状況に応じた通信事業者・プランの切り替え |
eSIMのメリット
– eSIMのメリット従来のSIMカードと比べて、eSIMには多くの利点が存在します。まず、eSIMは物理的なカードではありません。端末に直接組み込まれた電子的なSIMであるため、SIMカードスロットが不要になります。そのため、スマートフォンやウェアラブル端末など、様々なデバイスのデザインをより自由なものにすることができます。例えば、SIMカードスロットをなくすことで、端末の小型化や軽量化、防水性能の向上が期待できます。また、eSIMは紛失や盗難のリスクがありません。従来のSIMカードは、紛失してしまうと悪用される可能性がありました。しかし、eSIMは端末に内蔵されているため、SIMカード自体をなくしてしまう心配がなく、セキュリティ面でも安心です。さらに、eSIMはオンラインで通信サービスの契約や変更が可能です。従来のSIMカードのように、新しいSIMカードが届くまで待つ必要はありません。手続きが迅速かつ簡単に行えるため、利便性が大幅に向上します。このように、eSIMは従来のSIMカードと比べて多くのメリットがあります。今後、eSIM対応のデバイスやサービスがますます普及していくことが予想されます。
メリット | 詳細 |
---|---|
デバイスデザインの自由度向上 | eSIMは物理的なカードではないため、SIMカードスロットが不要になり、端末の小型化や軽量化、防水性能の向上が期待できます。 |
紛失・盗難のリスク軽減 | eSIMは端末に内蔵されているため、SIMカード自体をなくしてしまう心配がなく、セキュリティ面でも安心です。 |
手続きの利便性向上 | eSIMはオンラインで通信サービスの契約や変更が可能なので、手続きが迅速かつ簡単に行えます。 |
eSIMの普及状況
近年、従来のプラスチック製のSIMカードに代わり、端末に直接組み込まれた電子的なSIMであるeSIMが注目を集めています。特に欧米諸国では、eSIMの導入が急速に進んでおり、主要な通信事業者がこぞってeSIMサービスを提供しています。
日本国内においても、総務省が中心となりeSIMサービスの普及促進に取り組んでいます。2018年には、総務省がeSIMサービスの普及促進に向けたガイドラインを公開し、通信事業者に対してeSIMサービスの提供を促しています。また、携帯電話端末メーカーもeSIM対応端末の開発・販売に力を入れており、徐々にではありますが、国内でもeSIM対応端末の選択肢が増えてきています。
eSIMは、従来のSIMカードのように物理的な交換が不要であるため、通信事業者の乗り換え手続きが簡単になる、端末の小型化・軽量化に繋がるなど、多くのメリットがあります。そのため、今後ますますeSIMの普及が進んでいくと予想されます。日本国内においても、2020年以降、eSIM対応端末の発売が相次いでおり、今後、eSIMが主流になっていく可能性は高いと言えるでしょう。
項目 | 内容 |
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eSIMの現状 |
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日本国内の動向 |
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eSIMのメリット |
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今後の展望 | eSIMの普及拡大、日本国内でも主流になる可能性が高い |
デュアルSIMとの関係性
– デュアルSIMとの関係性近年、一台のスマートフォンで複数の電話番号や通信プランを使い分けられる「デュアルSIM」機能が注目されています。このデュアルSIM機能を搭載した端末では、従来のSIMカードに加えて、eSIMを利用することも可能です。デュアルSIMの利用方法は大きく分けて二つあります。一つは、eSIMとSIMカードを組み合わせて使う方法です。例えば、メインの電話番号はSIMカードで契約し、データ通信専用のプランをeSIMで契約するといった使い方ができます。もう一つは、eSIMのみで二つの回線を運用する方法です。この場合、例えば仕事用とプライベート用で異なる電話番号を使い分けたい場合などに便利です。このように、eSIMはデュアルSIM機能と組み合わせることで、より柔軟で利便性の高いモバイル通信環境を実現することができます。従来のSIMカードに比べて、物理的な制約が少ないeSIMは、今後のモバイル通信においてますます重要な役割を担っていくと考えられます。
eSIMの今後の展望
近年、スマートフォンやタブレット端末に搭載され、注目を集めているeSIM。従来の物理的なSIMカードとは異なり、機器に直接組み込まれた電子的なSIMであるeSIMは、今後ますます普及していくことが予想されます。
eSIMの普及が期待される理由の一つとして、その利便性の高さが挙げられます。従来のSIMカードのように、物理的な交換作業が不要となるため、新しい携帯電話会社との契約や、プラン変更などが、より簡単に行えるようになります。また、複数のプロファイルを保存できるため、仕事用とプライベート用など、複数の電話番号を使い分けたいユーザーにとっても便利です。
eSIMは、スマートフォンやタブレット端末だけでなく、IoT機器への搭載も期待されています。例えば、自動車や家電製品などにeSIMが搭載されることで、インターネットへの接続が容易になり、様々なサービスの利用が可能になります。
さらに、eSIMは、新しいサービスの創出にもつながると期待されています。例えば、旅行者向けの短期的なデータ通信プランなどを、簡単に利用できるようになる可能性があります。
eSIMの普及により、私たちの生活はより便利で快適なものになると期待されています。今後、eSIMがどのように進化し、私たちの生活にどのような変化をもたらすのか、注目していく必要があるでしょう。
項目 | 内容 |
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従来のSIMカードとの違い | 機器に直接組み込まれた電子的なSIM |
メリット | – 物理的な交換作業が不要 – 複数のプロファイルを保存可能 |
普及が期待される分野 | – スマートフォン、タブレット端末 – IoT機器 |
eSIMによる新しいサービスの可能性 | – 旅行者向けの短期的なデータ通信プランなど |
将来展望 | 生活の利便性向上、新たな変化に期待 |