システム開発における外部設計:ユーザー視点の設計

システム開発における外部設計:ユーザー視点の設計

ICTを知りたい

『外部設計』って、システムの画面関連の設計をすることって書いてあるけど、具体的にどんなことをするの?

ICT研究家

良い質問ですね。例えば、あなたがいつも使っているスマホアプリを思い浮かべてみて下さい。ボタンの位置や画面の色使い、入力欄の形など、ユーザーが実際に見て触れる部分のデザインを決めるのが外部設計です。

ICTを知りたい

なるほど!じゃあ、アプリのデザインをするってこと?

ICT研究家

そうとも言えますね。ただ、見た目だけでなく、使いやすさや分かりやすさも重要になります。ユーザーが快適に操作できるように、画面の構成や情報の見せ方を工夫していくことも外部設計の大切な役割ですよ。

外部設計とは。

情報通信技術において、「外部設計」という用語があります。これは、システムの画面、つまり利用者が実際に目にする部分の設計をすることを指します。具体的には、ボタンの位置や画面の構成などを決める作業です。反対に、システムの内部の仕組み、つまり利用者からは見えない部分の設計を「内部設計」と呼びます。外部設計は、内部設計を行うための基礎となるため、先に外部設計を行います。なお、外部設計は「外設」と略して呼ばれることもあります。

外部設計とは

外部設計とは

– 外部設計とは

システム開発は、建物を建てることに似ています。設計図なしに家を建てられないように、システム開発においても、どのようなシステムを作るのかを設計する工程が欠かせません。

システム開発における設計工程は、大きく「外部設計」と「内部設計」の二つに分けられます。

外部設計とは、ユーザーの目に触れる部分、つまりシステムの外観や操作方法などを設計する工程を指します。具体的には、次のような項目が含まれます。

* 画面のレイアウトシステムを使う人が情報を見つけやすく、理解しやすい画面配置を設計します。* ボタンやメニューの配置システムを操作する上で迷うことなく、直感的に使えるようにボタンやメニューを配置します。* 入力フォームの設計必要な情報を入力しやすく、入力ミスを減らすために、分かりやすく使いやすい入力フォームを設計します。

これらの設計を行うことで、ユーザーにとって使いやすく、分かりやすいシステムを構築することができます。

一方、内部設計では、外部設計で決まった仕様を実現するために、プログラムの構造やデータベースの設計など、ユーザーの目に触れないシステム内部の構造を設計します。

つまり、外部設計は、ユーザーが快適にシステムを利用するための使いやすさを設計する工程と言えるでしょう。

外部設計の項目 詳細
画面のレイアウト システムを使う人が情報を見つけやすく、理解しやすい画面配置を設計します。
ボタンやメニューの配置 システムを操作する上で迷うことなく、直感的に使えるようにボタンやメニューを配置します。
入力フォームの設計 必要な情報を入力しやすく、入力ミスを減らすために、分かりやすく使いやすい入力フォームを設計します。

外部設計と内部設計の違い

外部設計と内部設計の違い

システム開発において、利用者が実際に目にする部分を作る「外観設計」と対比して、利用者からは見えないシステム内部の仕組みを作る「内部設計」があります。外観設計が使いやすさや分かりやすさを重視する一方、内部設計ではシステムの処理速度や安定性、保守のしやすさといった、機能面を重視します。

外観設計では、システムを使う人の立場になって、画面の見た目や操作方法などを具体的に決めます。例えば、通販サイトのデザインや商品の購入手順などが挙げられます。一方、内部設計では、外観設計で決まった機能を実現するために、プログラムの構造やデータの扱い方を設計します。具体的には、データベースの設計やシステム内部の処理手順などが挙げられます。

外観設計と内部設計は、車の設計に例えると分かりやすいかもしれません。外観設計は車の見た目や車内空間のデザイン、運転席の計器類の配置などを決める作業に当たります。一方、内部設計はエンジンの種類や性能、サスペンションの構造、ブレーキシステムなど、車を動かすための仕組みを決める作業に当たります。

このように、外観設計と内部設計はそれぞれ異なる役割を担いますが、密接に関係しています。外観設計で決まった機能や性能を実現するために、内部設計が行われます。両者が連携することで、使いやすく高品質なシステムが実現します。

項目 外観設計 内部設計
別名 機能設計
重視する点 使いやすさ、分かりやすさ 処理速度、安定性、保守のしやすさ
具体的な内容 画面の見た目、操作方法、デザインなど プログラムの構造、データの扱い方、データベース設計、処理手順など
通販サイトのデザイン、商品の購入手順 データベース設計、システム内部の処理手順
車の設計に例えると 車の見た目、車内空間のデザイン、運転席の計器類の配置 エンジンの種類や性能、サスペンションの構造、ブレーキシステム

ユーザー中心設計の重要性

ユーザー中心設計の重要性

製品やサービスを開発する上で、利用者の視点に立った設計は非常に重要です。特に、直接目に見える形あるものを作る場合には、利用者のニーズや利用シーンを的確に捉え、使いやすく、分かりやすいものを目指す必要があります。このような考え方を「利用者を軸とした設計」と呼びます。

利用者を軸とした設計を実現するためには、利用者の要求を詳細に分析することが欠かせません。そのために、利用者への聞き取り調査やアンケート調査などを通して、利用者の声を丁寧に集める必要があります。近年では、試作品を作成し、実際に利用者に触れてもらうことで、使い心地や操作性を検証する手法も広く行われています。

利用者を軸とした設計を行うことによって、利用者にとって本当に価値のある製品やサービスを提供することが可能となります。使いやすさや分かりやすさはもちろんのこと、利用者の期待を超えるような、感動や喜びを提供できるよう、設計段階から利用者の視点を意識することが重要です。

外部設計の工程

外部設計の工程

システム開発における外部設計工程は、利用者の要件を具体的にシステム画面として表現していく重要なプロセスです。この工程では、「どのような機能を、どのようにユーザーに操作してもらうか」を明確化していきます。

まず、システム全体の画面構成と画面遷移を図式化した「画面遷移図」を作成します。これは、ユーザーがシステムを利用する際の流れを視覚的に把握するためのもので、開発者間や利用者との認識齟齬を防ぐ役割も担います。

次に、各画面のレイアウトや表示項目、操作方法などを具体的に定義した「画面設計書」を作成します。ここでは、ボタンや入力欄の配置、フォントの大きさや色使いなど、ユーザーが直感的に操作できるよう、使いやすさを考慮した設計が求められます。

これらの設計を行う際には、ユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の観点が重要となります。UIはユーザーがシステムに触れる部分のデザインを指し、UXはユーザーがシステムを通して得られる体験全体を指します。使いやすさだけでなく、快適さや楽しさを感じられる設計にすることで、ユーザー満足度の向上に繋がります。

外部設計工程の成果物 説明 ポイント
画面遷移図 システム全体の画面構成と画面遷移を図式化したもの – ユーザーの利用の流れを視覚的に表現
– 開発者/利用者間での認識齟齬を防ぐ
画面設計書 各画面のレイアウト、表示項目、操作方法などを具体的に定義したもの – ボタンや入力欄の配置、フォントの大きさや色使いなどを設計
– ユーザーが直感的に操作できる使いやすさを考慮

外部設計の成果物

外部設計の成果物

– 外部設計の成果物外部設計では、利用者が実際に目にするシステムの外観や操作方法などを具体的に決めていきます。その際に作成される資料が、外部設計の成果物です。主な成果物には、画面設計書、画面遷移図、スタイルガイドなどがあります。-# 画面設計書画面設計書は、システムの画面一つひとつについて、その構成要素を詳細に定義したものです。例えば、ボタンや入力欄の位置や大きさ、表示される文字列、操作方法などを具体的に記述します。まるで設計図のように、画面の見た目を細かく指定することで、開発者やデザイナーが共通のイメージを持って作業を進めることができるようになります。-# 画面遷移図画面遷移図は、利用者の操作に応じて画面がどのように遷移していくかを視覚的に表現した図です。例えば、ログイン画面からトップページ、商品ページ、カート画面へと、どのような操作をするとどの画面に遷移するのかが一目でわかるように表現されます。これは、システム全体の画面構成や操作の流れを把握するために役立ちます。-# スタイルガイドスタイルガイドは、システム全体のデザインを統一するためのルールをまとめたものです。例えば、使用する色やフォントの種類、ボタンやアイコンのデザイン、文章の表現方法などを規定します。これにより、統一感のある見やすく使いやすいシステムを作り上げることができます。これらの外部設計の成果物は、開発チーム内だけでなく、利用者や顧客との間でも認識を共有するために重要な役割を果たします。

成果物 説明
画面設計書 システムの画面一つひとつの構成要素を詳細に定義した設計図
画面遷移図 利用者の操作に応じた画面の遷移を視覚的に表現した図
スタイルガイド システム全体のデザインを統一するためのルールをまとめたもの