企業の情報資産を守る!DLPとは?

企業の情報資産を守る!DLPとは?

ICTを知りたい

「DLP」ってよく聞くけど、具体的にどんな対策なのですか?

ICT研究家

良い質問だね!DLPは「情報漏えい防止対策」のことだけど、具体的には、会社の重要な情報が外に漏れるのを防ぐための対策だよ。例えば、顧客リストや開発中の製品の設計図などが漏れたら大変だよね。

ICTを知りたい

確かに大変ですね…。でも、具体的にどうやって防ぐのですか?

ICT研究家

DLPは、情報を扱う人自身を監視するのではなく、情報そのものに対するアクセスや操作を監視するんだ。例えば、USBメモリに情報がコピーされるのを監視したり、特定のメールアドレスに情報が送られないようにしたりするんだよ。

DLPとは。

「情報通信技術に関連して、『DLP』という言葉があります。これは、『情報損失防止』または『情報漏えい防止』の略で、企業が持つ秘密の情報などが外に漏れるのを防ぐための対策全体を指します。この対策では、情報を扱う人を監視するのではなく、情報そのものに対して、誰がどのようにアクセスし、どのように操作しているのかを監視します。そのため、うっかりミスなどで情報が漏れてしまうのを防ぐこともできます。」

DLPの概要

DLPの概要

– DLPの概要DLPとは、データ損失防止またはデータ漏えい防止を意味する言葉で、企業にとって重要な情報資産が社外に流れ出すのを防ぐための対策を指します。昨今、企業活動においては、顧客情報や社外秘資料など、取り扱う情報量が増加の一途を辿っています。それと同時に、情報漏えいの危険性も高まっており、企業は安全対策の強化を求められています。DLPは、このような状況下で注目されている対策の一つです。

DLPは、具体的には、機密情報を含むデータの送受信を監視し、ルールに違反する行為を検知した場合に、その動作をブロックしたり、管理者に警告を発したりする仕組みです。例えば、社員が顧客情報を含むファイルをメールで外部に送信しようとした場合、DLPシステムがそれを検知し、送信を自動的に遮断することができます。

DLPは、情報漏えいによる企業の損害を最小限に抑えるために非常に有効な対策です。情報漏えいは、金銭的な損失だけでなく、企業の信頼失墜にも繋がりかねません。そのため、企業はDLPをはじめとするセキュリティ対策に積極的に取り組む必要があります。

DLPとは データ損失防止またはデータ漏えい防止を意味する言葉
企業にとって重要な情報資産が社外に流れ出すのを防ぐための対策
背景 企業活動において、顧客情報や社外秘資料など、取り扱う情報量が増加
情報漏えいの危険性が高まっている
企業は安全対策の強化が必要
DLPの仕組み 機密情報を含むデータの送受信を監視
ルールに違反する行為を検知した場合、動作をブロックしたり、管理者に警告
DLPのメリット 情報漏えいによる企業の損害を最小限に抑える
金銭的な損失だけでなく、企業の信頼失墜も防ぐ

情報漏えいによるリスク

情報漏えいによるリスク

企業にとって、顧客情報や技術情報など、様々な情報が重要な資産となっています。もし情報漏えいという事態が発生すれば、企業は経済的な損失だけでなく、長年かけて築き上げてきた社会的信用をも失墜させてしまう可能性があります。

例えば、顧客の氏名や住所、クレジットカード情報などの個人情報が流出した場合、顧客からの信頼は大きく損なわれ、企業に対する不信感へと繋がってしまうでしょう。最悪の場合、訴訟問題に発展し、多額の賠償金を支払わなければならない事態も考えられます。

また、企業が競争優位性を保つために重要な技術情報や営業秘密などが流出すれば、開発や販売戦略に大きな支障が出てしまい、競争力を失うことにもなりかねません。

情報漏えいは、企業の経済的な損失、社会的信用の失墜、そして事業継続の困難さなど、企業活動の根幹を揺るがす深刻な事態を引き起こす可能性があります。そのため、情報漏えい対策は、企業にとって存続を左右する重要な課題と言えるでしょう。

情報漏えいによるリスク

DLPで対策できること

DLPで対策できること

– DLPでできることDLPは、様々な経路で発生する情報漏えいに対応できる、包括的な対策として有効です。例えば、従業員が顧客情報を含むメールを誤って社外に送信してしまう、といったケースを考えてみましょう。DLPを導入していれば、メールに含まれる個人情報や機密情報といった重要な情報が、あらかじめ設定したルールに違反して外部に送信されそうになると、それを検知して自動的に遮断することができます。そのため、情報漏えいによる顧客への影響や、企業の信用失墜といったリスクを未然に防ぐことが可能となります。また、USBメモリなどの記録媒体に機密データが持ち出されてしまうケースも、DLPで対策できます。DLPは、ファイルの種類や内容、送信先、アクセス権限などを細かく設定できるため、ルールに違反したファイルの持ち出しを検知し、ブロックすることができます。DLPは、このような情報漏えい対策だけでなく、内部不正対策としても有効です。例えば、従業員が不正な目的で顧客情報を持ち出そうとした場合でも、DLPによって検知、遮断することができます。このように、DLPは企業にとって重要な情報資産を様々な脅威から守るための有効な手段と言えるでしょう。

機能 説明
情報漏えい対策(メール) 重要な情報を含むメールが、設定したルールに違反して外部に送信されるのを検知・遮断 顧客情報を含むメールの誤送信防止
情報漏えい対策(記録媒体) ファイルの種類や内容、送信先などに基づいて、ルールに違反したファイルの持ち出しを検知・ブロック USBメモリへの機密データ持ち出し防止
内部不正対策 不正な目的での情報持ち出しを検知・遮断 従業員による顧客情報の不正持ち出し防止

従来のセキュリティ対策との違い

従来のセキュリティ対策との違い

– 従来のセキュリティ対策との違い
従来の情報セキュリティ対策は、ファイアウォールやウイルス対策ソフトなどを用いて、いわば城壁を築くように、外部からの脅威を遮断することに重点を置いていました。しかし近年、増加しているのは内部の人間による意図的、あるいは過失による情報漏えいです。これは、いくら強固な城壁を築いても、内部の人が持ち出したり、うっかり門を開けてしまったりするのを防ぐことは難しいという課題を浮き彫りにしました。

そこで注目されているのがDLP(Data Loss Prevention情報漏えい対策)です。DLPは、従来のように情報を取り扱うユーザーを監視するのではなく、情報そのものに対してアクセス制限をかけたり、操作を監視したりすることで、ユーザーの意図や過失に関わらず情報漏えいを防ぎます。これは、城壁の外だけでなく、城内の人々の動きにも気を配り、重要な宝を厳重に守るようなものです。

項目 従来のセキュリティ対策 DLP(情報漏えい対策)
概要 ファイアウォールやウイルス対策ソフトで外部からの脅威を遮断 情報そのものに対してアクセス制限や操作監視を実施
特徴 – 外部からの脅威遮断に重点
– 城壁を築くようなイメージ
– 内部からの情報漏えい対策に重点
– 城内の人々の動きにも気を配り重要な宝を守るイメージ
課題 内部の人間による意図的・過失による情報漏えいに対応困難

DLP導入のメリット

DLP導入のメリット

– DLP導入のメリット企業活動において、顧客情報や企業秘密など、重要な情報を守ることは至上命題です。情報漏えいは、企業の信頼失墜や経済的損失に繋がるだけでなく、法的な責任を問われる可能性も孕んでいます。このような状況下、情報漏えい対策として注目を集めているのがDLP(Data Loss Prevention情報漏えい防止)です。DLPを導入することで、企業は様々な恩恵を受けることができます。まず、情報漏えいリスクを大幅に抑え込むことが可能となります。DLPは、機密情報を含むデータの社外への持ち出しや、不正なアクセスを監視・遮断する機能を備えています。これにより、社員による意図的な情報持ち出しや、うっかりミスによる情報漏えいを防ぐことが期待できます。また、セキュリティ対策に係る費用を削減できるという利点もあります。情報漏えいが発生した場合、原因究明や再発防止策の実施、被害者への補償など、多大なコストが発生します。DLPを導入することで、そもそも情報漏えいを未然に防ぐことができるため、結果的にセキュリティ対策にかかる費用を抑えることに繋がります。さらに、企業における法令遵守の強化にも貢献します。近年、個人情報保護法をはじめ、企業は様々な法令を遵守する必要に迫られています。DLPは、これらの法令に準拠した形で情報管理を行うための機能を備えており、企業のコンプライアンス強化を支援します。DLP導入は、企業にとって情報漏えいリスクを低減し、セキュリティ対策コストを抑え、法令遵守を強化するなど、多くのメリットをもたらします。企業は、DLP導入の検討を通じて、より安全な情報管理体制を構築していくことが重要と言えるでしょう。

メリット 説明
情報漏えいリスクの低減 機密情報の社外への持ち出しや不正なアクセスを監視・遮断することで、意図的・偶発的な情報漏えいを防ぐ。
セキュリティ対策コストの削減 情報漏えい発生時の原因究明、再発防止策、被害者への補償などにかかるコストを、未然に防ぐことで削減。
法令遵守の強化 個人情報保護法など、法令に準拠した情報管理機能により、企業のコンプライアンス強化を支援。