企業の安全を守る!攻撃面管理(ASM)のススメ
ICTを知りたい
ICTの授業で『ASM』っていう言葉を聞いたんだけど、攻撃に備えて何か対策するって意味合いなのはわかったんだけど、具体的にはどんなことをするの?
ICT研究家
良い質問ね。『ASM』は攻撃面の管理って意味で、サイバー攻撃から守るための取り組み方の一つだよ。 まずは、会社のパソコンやシステムなど、どんなものが攻撃される可能性があるのかを全部洗い出す。それが『資産の棚卸し』だね。
ICTを知りたい
へえ、会社にあるもの全部ってこと?大変そう…。そのあと、洗い出したものに対して何かするの?
ICT研究家
そう、全部!大変だけど、全部洗い出した上で、それぞれの弱点を調べて、危ないところから対策していくんだ。 だから、ASMは、攻撃される前にあらかじめ備えておく、とても重要なものなんだよ。
ASMとは。
「情報通信技術に関連した言葉である『攻撃対象範囲管理』について説明します。攻撃対象範囲管理とは、組織が持っている情報技術資産のうち、攻撃を受ける可能性のある範囲を把握し、管理することです。攻撃対象範囲とは、攻撃者が悪用する可能性のあるアプリケーションや機器、ネットワーク資産のことを指します。攻撃対象範囲管理の目的は、組織の攻撃対象範囲を目に見えるようにして、リスクを評価することで、サイバー攻撃による被害を事前に防ぐことです。攻撃対象範囲管理を行うことで、次のような利点があります。攻撃対象範囲を把握し管理することで、サイバー攻撃のリスクを目に見えるようにできます。リスクの高い攻撃対象範囲から優先的に対策することで、セキュリティ対策を効率的に行うことができます。攻撃対象範囲の変化を継続的に監視することで、新しい脅威への対応力を高めることができます。具体的な攻撃対象範囲管理の取り組みには、次のようなものがあります。資産の棚卸し:組織が持っている情報技術資産をすべて洗い出すこと。脆弱性の診断:資産に存在する弱点を見つけること。リスク評価:脆弱性の重要度や影響範囲を評価すること。対策の実施:脆弱性を修正したり、影響を小さくしたりする対策を行うこと。攻撃対象範囲管理は、継続的に行うことが重要です。攻撃対象範囲は常に変化するため、定期的に資産の棚卸しや脆弱性の診断を実施して、攻撃対象範囲の変化を把握する必要があります。」
攻撃面管理(ASM)とは
– 攻撃面管理(ASM)とは今日のビジネス環境では、情報通信技術(ICT)の進化に伴い、企業は様々な情報システムやネットワークに依存しています。しかし、これらの技術革新は同時に、サイバー攻撃のリスク増加という新たな課題も生み出しています。攻撃者は、企業のシステムの脆弱性や設定ミスを狙って、機密情報への不正アクセスや業務妨害といった悪意のある行為を行います。このような状況下で、企業にとって自社のセキュリティ対策の現状を正しく把握し、適切な対策を講じることは必要不可欠と言えるでしょう。そこで近年注目されているのが「攻撃面管理(ASM)」です。攻撃面管理(ASM)とは、企業の情報システム全体において、サイバー攻撃を受ける可能性のある範囲を洗い出し、管理する一連の取り組みを指します。具体的には、使用中のソフトウェアやハードウェア、ネットワーク構成、従業員のセキュリティ意識、さらには取引先企業のセキュリティ対策状況まで、多岐にわたる要素を評価します。ASMを実施することで、企業は自社のセキュリティ上の弱点やリスクを把握し、優先順位をつけて対策を講じることができます。従来のセキュリティ対策が個別の脅威への対処に重点を置いていたのに対し、ASMは企業全体のセキュリティ体制を強化し、より包括的にサイバー攻撃から重要な資産を守ることを目的としています。このように、ASMは変化の激しいサイバー脅威から企業を守る上で極めて重要な役割を担っています。
項目 | 内容 |
---|---|
背景 | – ICTの進化に伴い、サイバー攻撃のリスクが増加 – 企業は情報システムやネットワークへの依存度が高く、攻撃による被害が深刻化 |
攻撃面管理(ASM)の必要性 | – セキュリティ対策の現状把握と適切な対策が不可欠 |
攻撃面管理(ASM)とは | – 企業の情報システム全体において、サイバー攻撃を受ける可能性のある範囲を洗い出し、管理する取り組み |
ASMの評価対象 | – 使用中のソフトウェアやハードウェア – ネットワーク構成 – 従業員のセキュリティ意識 – 取引先企業のセキュリティ対策状況 |
ASMの効果 | – セキュリティ上の弱点やリスクを把握 – 優先順位をつけた対策が可能 |
ASMと従来のセキュリティ対策との違い | – 従来:個別の脅威への対処 – ASM:企業全体のセキュリティ体制強化、包括的な資産保護 |
結論 | – ASMは変化の激しいサイバー脅威から企業を守る上で極めて重要 |
攻撃面管理の重要性
今日のビジネス界では、情報技術の活用が急速に広まり、多くの会社が業務システムや顧客情報をはじめとする膨大なデータをネットワーク上で管理するようになりました。それと同時に、悪意を持った第三者によるサイバー攻撃の手法はますます巧妙化しており、企業は常に情報漏洩やシステムの停止といった危険にさらされています。
このような状況下において、企業は自社のシステムやネットワークのどこに脆弱性があり、どのような攻撃を受ける可能性があるのかを把握することが重要です。攻撃を受ける可能性のある箇所全体を明らかにし、管理することを「攻撃面管理」と呼びます。攻撃面管理は、効果的かつ効率的なセキュリティ対策を実現するための基礎となるものです。
攻撃面管理を行うことで、企業は自社のセキュリティ対策の現状を把握し、リスクの高い箇所を特定することができます。そして、限られた資源を重点的に配分することで、より効果的なセキュリティ対策を講じることが可能となります。また、新たなシステム導入やビジネスモデルの変更など、変化の激しいビジネス環境においても、常に最新のセキュリティ状態を維持できるというメリットもあります。
このように、攻撃面管理は、今日の企業にとって、安全なビジネス運営を行うために必要不可欠な取り組みと言えるでしょう。
背景 | 課題 | 解決策 | メリット |
---|---|---|---|
– IT活用によるデータ管理の広まり – サイバー攻撃の巧妙化 |
– 情報漏洩やシステム停止の危険 – 自社の脆弱性の把握不足 |
– 攻撃面管理 – 攻撃を受ける可能性のある箇所を明らかにし、管理する |
– 効果的・効率的なセキュリティ対策 – リスクの高い箇所の特定と資源の重点配分 – 最新のセキュリティ状態の維持 |
攻撃面管理で得られるメリット
攻撃面管理(ASM)は、企業にとって多くの利点をもたらします。まず、自社のシステムやネットワークにおける、攻撃を受ける可能性のある場所や要素を全て洗い出し、全体像を把握することができます。このことで、これまで見落としていた脆弱性やセキュリティ対策の不足点を発見し、より強固な防御体制を築くことが可能になります。
また、洗い出した攻撃対象領域の中から、特にリスクの高い部分を特定することで、限られた時間や予算を効率的に活用し、優先順位の高い対策に集中することができます。
さらに、ASMツールは、実施したセキュリティ対策の効果を分かりやすく可視化する機能も備えています。このため、現状のセキュリティレベルを常に把握し、改善点を見つけ出しながら、継続的にセキュリティ対策を強化していくことができます。この継続的な改善こそが、ASMの大きなメリットと言えるでしょう。
具体的な取り組み
– 具体的な取り組み情報資産の安全を守るためには、現状を正しく把握し、計画的に対策していくことが重要です。そのための具体的な取り組みを、以下に紹介します。まず、自社のネットワーク構成やシステムの利用状況など、保有する情報資産を徹底的に洗い出すことから始めましょう。これは、いわば家の間取りや収納場所を把握するようなものです。どこに何があるのかを把握することで、初めて適切な対策を講じることができます。次に、専門の診断ツールなどを活用して、システムやアプリケーションの弱点を見つけ出します。これは、家の老朽化や欠陥を検査するようなものです。見過ごされがちな小さなひび割れでも、大きな問題に発展する可能性があります。診断の結果、問題が見つかった場合は、そのリスクの大きさに応じて優先順位を決め、適切な対策を講じます。これは、家の修理や補強工事と同様です。緊急性の高いものから順に対処していくことで、被害を最小限に抑えられます。そして、安全な状態を維持するために、定期的に状況を確認し、必要があれば改善策を講じます。これは、家の定期点検やメンテナンスに当たります。定期的な確認と適切な対応によって、初めて安全で快適な状態を保つことができます。これらの取り組みを継続的に行うことで、情報資産を脅威から効果的に守ることができます。
取り組み | 説明 | 例え |
---|---|---|
情報資産の洗い出し | 自社のネットワーク構成やシステムの利用状況など、保有する情報資産を徹底的に洗い出す。 | 家の間取りや収納場所を把握する |
専門ツールによる診断 | 専門の診断ツールなどを活用して、システムやアプリケーションの弱点を見つけ出す。 | 家の老朽化や欠陥を検査する |
リスクに応じた優先順位付けと対策 | 診断の結果、問題が見つかった場合は、そのリスクの大きさに応じて優先順位を決め、適切な対策を講じる。 | 家の修理や補強工事 |
定期的な状況確認と改善 | 安全な状態を維持するために、定期的に状況を確認し、必要があれば改善策を講じる。 | 家の定期点検やメンテナンス |
継続的な改善
– 継続的な改善変化への対応
攻撃対象領域管理(ASM)は、一度実施して終わりというわけではありません。ビジネス環境が目まぐるしく変化する現代において、企業を取り巻く状況は常に変化し続けています。新しい技術の導入、事業の拡大や縮小、取引先の変更など、様々な要因によって企業のシステム構成やデータの保管場所、アクセス権限は変化し、それに伴い攻撃にさらされる危険性のある領域もまた変化していきます。
さらに、サイバー攻撃の手口は日々進化しており、新たな脅威が次々と出現しています。昨日まで安全と思われていたシステムが、今日は既に脆弱性を突かれる危険にさらされているかもしれません。このような状況下では、一度ASMを実施して安全性を確認したとしても、安心し続けることはできません。
ASMを継続的に実施し、常に最新の状態を維持することが、変化するサイバー攻撃の脅威から企業を守るために不可欠です。具体的には、定期的に脆弱性診断を実施し、システムのセキュリティ上の弱点がないかを洗い出す必要があります。また、セキュリティ対策状況を定期的に確認し、設定の誤りやソフトウェアの更新漏れがないかをチェックすることも重要です。そして、これらの活動を通じて明らかになった問題点や改善点があれば、速やかに対応していく必要があります。
このように、ASMは継続的な取り組みとして実施することで、はじめてその効果を最大限に発揮し、企業の大切な資産をサイバー攻撃の脅威から守り続けることができるのです。