Wi-Fiのセキュリティ規格WPA2とは
ICTを知りたい
先生、「WPA2」って、なんですか?
ICT研究家
「WPA2」は、無線LANを安全に使うための仕組みの一つだよ。簡単に言うと、パスワードを使って無線LANに接続する時に、情報を盗み見られないようにする暗号化の技術なんだ。
ICTを知りたい
あ、じゃあ、家の無線LANでも使われているんですね! WPA2は、どんなところが優れているんですか?
ICT研究家
WPA2は、それまでの技術よりも暗号が強くなって、より安全性が向上したんだ。だから、家の無線LANだけでなく、企業でも広く使われているんだよ。
WPA2とは。
「ICTで使われる言葉、『WPA2』について説明します。『WPA2』は『Wi-Fi Protected Access 2』の略で、2004年9月に発表された『WPA』という技術を改良したものです。『WPA2』では、『WPA』の暗号技術に『AES』という共通鍵暗号方式が追加され、256ビットの暗号鍵が使えるようになったため、Wi-Fiを使う際の安全性が向上しました。『WPA2』には、あらかじめ決めておいた共通鍵(パスワード)で認証する家庭向けの『WPA2パーソナル』と、認証サーバーを使って認証する企業向けの『WPA2エンタープライズ』の2種類があります。ちなみに、2018年6月には、さらに新しい『WPA3』が発表されています。」
WPA2の概要
– WPA2の概要無線LANは、ケーブルを使わずにインターネットに接続できる便利な技術ですが、同時に、第三者による不正アクセスというセキュリティ上のリスクも抱えています。そのため、無線LANの利用に当たっては、セキュリティ対策が必須です。
WPA2は、「Wi-Fi Protected Access 2」の略称で、このような無線LANのセキュリティを確保するための規格の一つです。2004年9月に、それまで広く利用されていたWPA(Wi-Fi Protected Access)の脆弱性を克服する強化版として発表されました。
WPA2は、WPAと比べて、より強力な暗号化方式を採用しており、セキュリティ強度が大幅に向上しています。具体的には、WPAではTKIP(Temporal Key Integrity Protocol)と呼ばれる暗号化方式が採用されていましたが、WPA2では、より高度なAES(Advanced Encryption Standard)と呼ばれる暗号化方式が採用されています。AESは、アメリカ合衆国政府標準の暗号化方式であり、その堅牢性は世界中で認められています。
このように、WPA2は、WPAの脆弱性を克服し、より強力なセキュリティを提供する規格として開発されました。そのため、WPA2は、長年にわたり、無線LANのセキュリティ規格の主流として、多くの機器で採用されてきました。しかし、技術の進歩は著しく、近年ではWPA2よりもさらに強力なセキュリティ規格が登場してきています。
項目 | 説明 |
---|---|
WPA2 | 無線LANのセキュリティ規格の一つ。Wi-Fi Protected Access 2の略称。 |
登場時期 | 2004年9月 |
目的 | WPAの脆弱性を克服し、無線LANのセキュリティを強化する。 |
WPA2の特徴 | WPAよりも強力な暗号化方式AESを採用。AESはアメリカ合衆国政府標準の暗号化方式。 |
現状 | 長年、無線LANセキュリティの主流だったが、近年ではWPA2より強力な規格が登場。 |
WPA2の特徴
– WPA2の特徴WPA2は、無線LANの安全性を確保するための重要な技術です。その最大の特徴は、暗号化の仕組みにAESという、高度で信頼性の高い規格を採用している点にあります。AESは、米国政府も採用しているほど、世界中で広く利用されている共通鍵暗号方式です。その強さと信頼性の高さは折り紙付きで、多くの専門家から高い評価を受けています。WPA2では、このAESを用いることで、256ビットという非常に長い暗号鍵を使用することが可能になっています。これは、従来の技術と比べて格段に長く複雑な鍵であるため、第三者による解読は極めて困難です。WPA2は、この強力なAES暗号化を採用することで、無線LANの通信を強固に保護し、盗聴や不正アクセスといった脅威から守っています。そのため、個人情報のやり取りや機密性の高いデータの送受信など、セキュリティが重視される場面でも安心して利用することができます。WPA2は、安全な無線LAN環境を実現するための必須の技術と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
---|---|
技術名 | WPA2 |
特徴 | 無線LANの安全性を確保する技術 高度で信頼性の高いAES暗号化規格を採用 |
AES暗号化の特徴 | – 米国政府も採用 – 世界中で広く利用されている共通鍵暗号方式 – 256ビットの長い暗号鍵を使用可能 – 第三者による解読が極めて困難 |
メリット | – 無線LANの通信を強固に保護 – 盗聴や不正アクセスといった脅威から保護 – 個人情報のやり取りや機密性の高いデータの送受信も安心 |
結論 | 安全な無線LAN環境を実現するための必須の技術 |
WPA2の種類
– WPA2の種類無線LANのセキュリティ規格であるWPA2には、大きく分けて二つの種類があります。一つはWPA2パーソナル(WPA2-PSK)と呼ばれるもので、もう一つはWPA2エンタープライズ(WPA2-EAP)と呼ばれるものです。-# WPA2パーソナル(WPA2-PSK)WPA2パーソナルは、家庭や小規模なオフィスなど、比較的セキュリティレベルが低い環境での利用を想定した規格です。この規格の特徴は、設定が容易であるという点にあります。利用者は、無線LANルーターに設定したパスワードを、接続する端末にも入力するだけで、簡単に無線LANに接続できます。このパスワードは、「事前共通鍵」とも呼ばれ、無線LANルーターと端末の間で暗号化通信を行うために使用されます。しかし、WPA2パーソナルは、パスワードが漏洩してしまうと、第三者に不正アクセスされる危険性があります。そのため、パスワードは定期的に変更したり、推測されにくい複雑なものを設定したりするなどの対策が必要です。-# WPA2エンタープライズ(WPA2-EAP)一方、WPA2エンタープライズは、企業や組織など、より高度なセキュリティレベルが求められる環境での利用を想定した規格です。WPA2エンタープライズでは、RADIUSサーバーと呼ばれる認証サーバーを使用して、利用者ごとに個別の認証を行います。そのため、仮に一つの端末のパスワードが漏洩した場合でも、他の端末への不正アクセスを防ぐことができます。RADIUSサーバーでは、利用者名とパスワードによる認証に加えて、電子証明書を使った認証も可能です。電子証明書を使った認証は、より強固なセキュリティを実現できますが、システムの構築や運用に手間がかかるというデメリットもあります。このように、WPA2には、利用環境やセキュリティレベルに応じて、二つの種類があります。それぞれの規格の特徴を理解した上で、適切な方を選択することが重要です。
項目 | WPA2パーソナル (WPA2-PSK) | WPA2エンタープライズ (WPA2-EAP) |
---|---|---|
想定環境 | 家庭や小規模オフィスなど、セキュリティレベルが低い環境 | 企業や組織など、高度なセキュリティレベルが求められる環境 |
特徴 | 設定が容易 無線LANルーターと端末で同じパスワード(事前共通鍵)を使用 |
RADIUSサーバーによる個別の認証 電子証明書を使った認証も可能 |
メリット | 設定が簡単 | 強固なセキュリティ 一つの端末のパスワード漏洩が他の端末に影響しない |
デメリット | パスワード漏洩のリスクが高い | システム構築や運用に手間がかかる |
WPA2の安全性
– WPA2の安全性について長年にわたり、無線LANのセキュリティ規格の代表格として、WPA2は高い安全性を誇ってきました。その堅牢性から、多くの利用者に信頼され、広く普及してきました。しかし、2017年、世界中に衝撃が走ります。WPA2の脆弱性を突く攻撃手法「KRACKs」が発見されたのです。KRACKsは、WPA2そのものに欠陥があるのではなく、その実装方法に潜む脆弱性を突いた攻撃です。そのため、WPA2の使用をただちに停止する必要はありませんが、適切な対策を講じることで、安全性を確保することが重要になります。では、具体的にどのような対策を講じればよいのでしょうか。まず、お使いの機器(パソコン、スマートフォン、タブレットなど)のファームウェアを最新の状態にアップデートすることが重要です。メーカーは、KRACKsのような脆弱性が発見されると、それを修正するアップデートを配信しています。こまめなアップデートによって、常に最新のセキュリティ対策を施すことができます。さらに、WPA2に対応したセキュリティソフトを導入することも有効な対策の一つです。セキュリティソフトは、KRACKsを含む様々な脅威から機器を守ってくれます。信頼できるセキュリティソフトを選び、常に最新の状態に保つようにしましょう。WPA2は、KRACKsの登場によって、決して安全性が完全に失われたわけではありません。適切な対策を講じることで、安全に利用し続けることができます。安心して無線LANを利用するために、自分自身のセキュリティ対策を見直してみましょう。
トピック | 詳細 |
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WPA2の安全性 | – 長年、無線LANセキュリティの代表格として高い安全性を誇ってきた – 2017年に脆弱性「KRACKs」が発見され、衝撃が走る |
KRACKsについて | – WPA2そのものではなく、実装方法の脆弱性を突いた攻撃 – WPA2の使用を停止する必要はないが、対策が必要 |
対策1:ファームウェアのアップデート | – メーカーが脆弱性修正のアップデートを配信 – こまめなアップデートで最新セキュリティ対策を維持 |
対策2:セキュリティソフトの導入 | – KRACKsを含む様々な脅威から機器を保護 – 信頼できるソフトを選び、最新の状態を維持 |
まとめ | – WPA2はKRACKs発見後も、適切な対策で安全に利用可能 – 安心して無線LANを利用するために、セキュリティ対策を見直すことが重要 |
WPA3の登場
– WPA3の登場2018年6月、Wi-Fi Allianceは、無線LANのセキュリティ規格であるWPA2の後継として、WPA3を発表しました。WPA2は長年、無線LANのセキュリティを支えてきましたが、近年、その脆弱性を突いた攻撃手法が出現してきました。そこで、より強固なセキュリティ対策が必要となり、WPA3が開発されました。WPA3は、WPA2の脆弱性を解消するとともに、より強力な暗号化方式を採用することで、セキュリティを強化しています。具体的には、WPA3では、総当たり攻撃や辞書攻撃といった、パスワードを不正に推測する攻撃に対してより強固な仕組みが導入されています。また、公共の無線LANなどで利用されることが多い、パスワードを共有する接続方式においても、個々の端末ごとに異なる暗号化鍵を生成する仕組みが取り入れられ、セキュリティが向上しました。WPA3への移行は、今後徐々に進んでいくと予想されます。家電製品やスマートフォンなど、様々な機器がWi-Fiに接続される時代になり、セキュリティの重要性はますます高まっています。そのため、WPA3に対応した機器の普及や、利用者のセキュリティ意識の高まりによって、WPA3は今後、無線LANのセキュリティ標準としての地位を確立していくと考えられます。ただし、WPA2も引き続き利用可能な状態が維持される見込みです。WPA2に対応した機器は依然として多く存在するため、WPA3への移行は、時間をかけて段階的に進んでいくと考えられます。
項目 | 内容 |
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登場時期 | 2018年6月 |
目的 | WPA2の脆弱性解消とセキュリティ強化 |
具体的な改善点 | – 総当たり攻撃や辞書攻撃への対策強化 – パスワード共有接続における個別暗号化鍵の導入 |
将来展望 | – 徐々に普及し、無線LANのセキュリティ標準となる見込み – WPA2も当面は併用可能 |
移行ペース | 段階的に進行予定 |