企業のセキュリティ対策の要!CSIRTとは?
ICTを知りたい
先生、CSIRTってセキュリティを守るチームっていうのはなんとなくわかるんですけど、具体的にどんなことをするんですか?
ICT研究家
良い質問ですね!CSIRTは、会社のコンピューターでセキュリティの問題が起きた時に、調査したり、解決したりする専門チームのことです。例えば、情報が外に漏れてしまったり、コンピューターウイルスに感染した時に活躍します。
ICTを知りたい
なるほど。じゃあ、普段は何をしているんですか?
ICT研究家
普段は、問題が起きないように、会社のセキュリティ対策を強化したり、社員にセキュリティの教育をしたりしています。また、もしもの時に備えて、情報収集や訓練なども行っています。問題が起きた時だけでなく、普段から活動することで、会社の安全を守っているんです。
CSIRTとは。
「情報通信技術に関連する言葉、『シーサート』について説明します。『シーサート』とは、会社の中で、コンピューターのセキュリティ事故が起きたときに対応する専門家のチームのことです。セキュリティの問題が起きたときに、その報告を受けて調べ、対処します。『シーサート』は、『セキュリティの事故を完全に防ぐことは難しい』という考えのもと、事故が起きたときに、素早く復旧できるように作られます。会社によって、チームの大きさや形は違い、いつも活動しているチームとして、事故対応だけを専門にしている場合や、いざというときにチームが作られる場合もあります。情報の漏洩や、悪意のあるプログラムによる感染などのセキュリティ事故は、会社に深刻な被害を与える可能性があり、問題が起きたときは、素早い調査と復旧作業が必要です。事故対応の専門家チームを会社の中に作ることで、問題発生時の最初の対応が早くなり、被害が広がるのを防ぐことができるのです。また、『シーサート』には、事故対応だけでなく、そもそも事故が起きないようにするという役割も期待されています。普段からのセキュリティ管理や情報収集、事故の再発防止などを徹底し、社員教育なども行います。2002年4月には、日本の内閣官房情報セキュリティ対策推進室に、『緊急対応支援チーム』が設置されました。
企業を守る専門部隊、CSIRTとは
昨今、企業にとって情報セキュリティ対策は経営上の重要課題の一つとなっています。サイバー攻撃の手法は日々巧妙化しており、企業は情報漏えいやシステム障害などのセキュリティリスクに常に晒されていると言っても過言ではありません。こうした状況下で、企業を守る専門部隊として注目されているのがCSIRT(シーサート)です。
CSIRTとは、「コンピュータセキュリティ事案対応チーム」を意味する「Computer Security Incident Response Team」の略称で、企業内で発生したセキュリティ事故に迅速かつ適切に対応するための専門チームです。セキュリティに関する高度な知識や経験を持ったメンバーで構成され、日頃から組織内のシステムの脆弱性診断やセキュリティ対策の強化に取り組むとともに、万が一、セキュリティ事故が発生した場合には、原因の究明、被害の拡大防止、復旧対応などの緊急対応を行います。
CSIRTは、企業におけるセキュリティ対策の最後の砦として、その役割は年々重要性を増しています。近年では、CSIRTの活動は、社内にとどまらず、外部組織との情報共有や連携も重要視されるようになっています。これは、サイバー攻撃の手法が複雑化・巧妙化し、一企業単独での対策では限界があるためです。
このように、CSIRTは、企業の重要な情報資産を守り、事業継続を確保するために必要不可欠な存在となっています。
CSIRTの役割 | 活動内容 |
---|---|
平時 | 組織内のシステムの脆弱性診断やセキュリティ対策の強化 |
緊急時 | セキュリティ事故発生時の原因究明、被害の拡大防止、復旧対応などの緊急対応 |
近年 | 外部組織との情報共有や連携 |
CSIRTの主な活動内容
企業や組織の情報セキュリティを守るために活動するCSIRTは、セキュリティに関する様々な活動を行っていますが、中でも重要なのがセキュリティ事故発生時の対応です。 セキュリティ事故が発生すると、CSIRTは被害を最小限に抑え、速やかに復旧するために、迅速かつ的確な対応を行います。
具体的には、まず、報告を受けたセキュリティ事故の内容を詳しく確認します。 影響範囲や原因を特定するために、関係者からの聞き取りやシステムログの解析などを行います。 その上で、被害状況に応じた適切な対策を講じます。例えば、不正アクセスが確認された場合は、該当するアカウントの利用停止や、影響を受けたシステムのネットワークからの切り離しなどの措置を行います。
また、CSIRTは、同じようなセキュリティ事故が再び起こらないように、再発防止策の検討も行います。 システムの脆弱性を解消するための対策や、職員へのセキュリティ教育などを通して、組織全体のセキュリティレベルの向上を図ります。このように、CSIRTは企業のセキュリティレベル向上に大きく貢献する役割を担っています。
CSIRTの組織体制
企業などの組織において、サイバー攻撃から組織を守るために活動するCSIRT(シーサート)。その組織体制は、企業の規模や業種、そしてどれくらいセキュリティリスクを抱えているかによって、実に様々です。
例えば、セキュリティ対策に特に力を入れている大企業などでは、専門の担当者を置き、24時間365日体制でCSIRTを運用しているケースも少なくありません。これは、それだけサイバー攻撃のリスクが高く、迅速な対応が必要になるためです。
一方、中小企業などでは、普段は別の業務を担当している社員が、セキュリティ上の問題が発生した場合にCSIRTのメンバーとして招集され、チームを編成するケースもよく見られます。
さらに近年では、専門性の高いセキュリティ対策が求められるようになっていることから、社内に専門の担当者を置くのではなく、外部のセキュリティ専門機関にCSIRT業務を丸ごと委託するケースも増えています。外部に委託することで、専門知識や経験を持った人材を活用できるだけでなく、コスト削減や効率化を図ることも可能になります。
このように、CSIRTの組織体制には様々な選択肢があります。重要なのは、自社の置かれている状況やセキュリティリスク、そして経営資源などを総合的に判断し、最適な体制を構築することです。
CSIRT 組織体制 | 説明 | 該当する組織 |
---|---|---|
専任チーム型 | 専門の担当者を配置し、24時間365日体制で運用 | セキュリティ対策に特に力を入れている大企業など |
兼任チーム型 | 普段は別の業務を担当している社員が、セキュリティ上の問題発生時に招集されチームを編成 | 中小企業など |
外部委託型 | CSIRT 業務を丸ごと外部のセキュリティ専門機関に委託 | 専門性の高いセキュリティ対策が求められる組織 |
CSIRTの設置によるメリット
– CSIRT設置による効果情報セキュリティの脅威が高度化・複雑化する現代において、企業はセキュリティ対策の強化が急務となっています。その有効な手段の一つとして、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)の設置が挙げられます。CSIRTとは、組織内の情報セキュリティに関するインシデントに対応する専門チームのことです。CSIRTを設置することで、セキュリティ事故が発生した場合の初動対応を迅速化し、被害を最小限に抑えることができます。CSIRTは、インシデント発生時の連絡体制や対応手順をあらかじめ整備しておくことで、迅速な対応を可能にします。また、専門知識を持った要員が対応にあたるため、被害状況の把握や原因究明を効率的に行うことができます。さらに、CSIRTは日頃からセキュリティ対策を強化することで、事故の発生自体を抑止する効果も期待できます。具体的には、システムの脆弱性診断やセキュリティ教育の実施などを行い、組織全体のセキュリティレベル向上に貢献します。CSIRTは、社内のセキュリティ意識向上を図る上でも重要な役割を担います。CSIRTが中心となって、セキュリティに関する情報共有や教育研修を実施することで、従業員一人ひとりがセキュリティに対する責任を持つようになり、結果としてより強固なセキュリティ体制を構築することができます。CSIRTの設置は、企業にとって大きな投資となる場合もありますが、セキュリティ事故による被害を考えれば、それ以上のメリットを得られる可能性があります。安心・安全な情報社会を実現するために、CSIRTの設置は有効な選択肢の一つと言えます。
CSIRT設置の効果 | 詳細 |
---|---|
迅速なインシデント対応 | – インシデント発生時の連絡体制や対応手順を事前に整備 – 専門知識を持った要員による迅速な初動対応で被害を最小限に抑制 |
効率的な原因究明と対策 | – 専門家による被害状況の把握と原因究明 – システムの脆弱性診断やセキュリティ教育によるセキュリティレベル向上 |
セキュリティ意識向上 | – セキュリティに関する情報共有や教育研修 – 従業員一人ひとりのセキュリティ意識向上による強固なセキュリティ体制構築 |
日本におけるCSIRTの現状
2002年4月、国民全体のサイバーセキュリティを担う組織として、内閣官房情報セキュリティ対策推進室にNIRT(緊急対応支援チーム/National Incident Response Team)が設立されました。
このNIRTの存在が、日本における企業や組織独自のCSIRT設置を遅らせる一因となっていました。なぜなら、NIRTが包括的なサイバーセキュリティ対策を担うという認識が広がり、企業は個別にCSIRTを設置する必要性を強く感じていなかったからです。
しかし、近年はサイバー攻撃の手法がますます巧妙化し、その件数も増加の一途をたどっています。
このような状況の変化に伴い、企業が自社のシステムや情報を守るためには、NIRTだけに頼るのではなく、独自のセキュリティ対策を強化する必要性が高まりました。
その結果、企業はCSIRTの設置や、既にCSIRTを設置している場合は体制強化に取り組むケースが増加しています。
CSIRTは、サイバー攻撃の監視、分析、対応を行う専門チームです。
企業はCSIRTを設置または体制を強化することでより迅速かつ的確にサイバー攻撃に対処できるようになり、企業の重要な情報資産をサイバー攻撃の脅威から守るための重要な役割を担っています。
時期 | 状況 | 企業の対応 |
---|---|---|
2002年4月 | 内閣官房情報セキュリティ対策推進室にNIRT(緊急対応支援チーム/National Incident Response Team)が設立。 NIRTが包括的なサイバーセキュリティ対策を担うという認識が広がる。 |
企業は個別にCSIRTを設置する必要性を強く感じていなかった。 |
近年 | サイバー攻撃の手法がますます巧妙化し、その件数も増加。 企業が自社のシステムや情報を守るためには、NIRTだけに頼るのではなく、独自のセキュリティ対策を強化する必要性が高まる。 |
CSIRTの設置や、既にCSIRTを設置している場合は体制強化に取り組むケースが増加。 |
まとめ:変化への対応とセキュリティ対策
現代のビジネス界は、絶え間ない変化にさらされています。技術の進歩、市場の動向、法規制の改定など、企業を取り巻く環境は常に変化しており、それと同時に、サイバー攻撃の手口も巧妙化し、セキュリティ上の脅威は増大しています。
このような状況下において、企業が安全を維持し、事業継続性を確保するためには、変化の兆候をいち早く捉え、適切なセキュリティ対策を講じる体制が不可欠です。
そこで重要な役割を担うのがCSIRT(Computer Security Incident Response Team)です。CSIRTは、組織内に設置されるセキュリティ専門チームであり、サイバー攻撃の発生を迅速に検知し、被害を最小限に抑えるための初動対応、原因究明、再発防止策の実施などを行います。
CSIRTを構築・運用することで、企業はセキュリティインシデントへの対応能力を高め、より強固なセキュリティ体制を確立することができます。変化の激しい現代において、CSIRTは企業の安全を守る上で必要不可欠な存在と言えるでしょう。
課題 | 対策 | 効果 |
---|---|---|
現代のビジネス界は、絶え間ない変化にさらされており、セキュリティ上の脅威が増大している | 変化の兆候をいち早く捉え、適切なセキュリティ対策を講じる体制を構築する 具体的にはCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を構築・運用する |
セキュリティインシデントへの対応能力を高め、より強固なセキュリティ体制を確立できる |