CD-ROM:変わらない情報を記録する円盤

CD-ROM:変わらない情報を記録する円盤

ICTを知りたい

先生、『CD-ROM』って、普通のCDと何が違うんですか? 音楽も聞けるんですよね?

ICT研究家

いい質問だね!確かに、CD-ROMは音楽CDと同じように見えるし、音楽を聞くこともできるんだよ。でも、大きな違いがあるんだ。

ICTを知りたい

えー! 何が違うんですか?

ICT研究家

それはね、CD-ROMは一度データを書き込んだら、もう書き換えられないってことなんだ。音楽CDと同じように、データを読み出すことしかできない。だから、『読み出し専用』っていうんだね!

CD-ROMとは。

「コンピューター関係の言葉で、『CD-ROM』というものがあります。これは、コンピューターで扱うデータを保存しておく道具で、コンパクトディスクと同じような見た目をしています。一度データを書き込んだら、消したり、新しいデータを付け加えたりすることはできません。700MBという、たくさんのデータを保存しておくことができ、事務用のソフトやゲームソフト、コンピューターを動かすためのソフト、音楽など、様々なものに使われています。」

身近な情報記録媒体

身近な情報記録媒体

私たちの身の回りには、情報を記録するための様々な道具が存在します。その中でも、かつて広く使われていたものの一つに、CD-ROMがあります。CD-ROMは、音楽を聴くためのCDと同じように、円盤状の形をしています。CD-ROMは、パソコンやゲーム機などで、画像や音声、プログラムなど、たくさんの情報を記録するために使われてきました。
CD-ROMには、一度情報を書き込むと、その後は何度でも同じ情報を読み出すことができるという特徴があります。しかし、一度書き込んだ情報を消したり、新しい情報を追加したりすることはできません。これは、CD-ROMに記録された情報を、まるで石に刻まれた文字のように、変更できない状態にすることができるということを意味します。
このような特徴から、CD-ROMは、百科事典やゲームソフトなど、一度記録したら内容を変更する必要がない情報を保存しておくために利用されてきました。しかし、インターネットの普及や、より多くの情報を記録できるDVDやブルーレイディスクの登場により、CD-ROMが使われる機会は徐々に減ってきています。

特徴 メリット デメリット 用途例
一度情報を書き込むと変更できない 情報を確実に保存できる
(≒石に刻む)
情報を更新できない
情報を追加できない
百科事典、ゲームソフトなど、一度記録したら内容を変更する必要がない情報

大容量記録が可能

大容量記録が可能

コンパクトディスク読み取り専用メモリ、いわゆるCD-ROMが広く普及した背景には、いくつかの要因がありました。その中でも特に大きかったのは、当時の常識を覆すほどの圧倒的な記憶容量です。

当時主流だった記憶媒体であるフロッピーディスクは、わずか数メガバイト程度の容量しかありませんでした。これは、文書ファイルや小さなプログラムであれば問題ありませんでしたが、容量の大きい画像や音声、動画などを扱うには全く足りませんでした。

一方、CD-ROMは約700メガバイトもの情報を記録することができました。これは、フロッピーディスクの数百枚分に相当する容量であり、音楽CD1枚分のデータを丸ごと保存できるほどの大きさでした。この大容量化によって、CD-ROMは、従来のフロッピーディスクでは扱うことのできなかった大容量のデータを手軽に保存・配布できる媒体として、急速に普及していくことになったのです。

項目 フロッピーディスク CD-ROM
容量 数メガバイト 約700メガバイト
対応データ 文書ファイル、小さなプログラム 画像、音声、動画、音楽CD1枚分など
結果 大容量データを手軽に保存・配布できる媒体として普及

様々な用途に利用

様々な用途に利用

CD-ROMは、従来のフロッピーディスクと比べて圧倒的に大きい容量を備えていたため、様々な分野で利用されるようになりました。

その中でも特に普及したのが、パソコンのソフトウェア配布です。従来はフロッピーディスク複数枚組で販売されていたような大規模なOSやアプリケーションソフトも、CD-ROM1枚に収めることが可能になりました。これにより、ソフトウェアの配布やインストールが劇的に簡素化されました。

また、CD-ROMは音楽データの記録にも適していました。音楽CDと同じ仕組みで高音質な音楽を収録することができ、音楽アルバムの販売にも広く利用されました。CD-ROMの登場は、音楽業界にも大きな変化をもたらしたと言えるでしょう。

さらに、CD-ROMは、百科事典や辞書など、大量のテキストデータを必要とする分野でも活躍しました。従来は分厚い書籍で提供されていた情報が、CD-ROM1枚に収まるようになり、検索機能などを利用して手軽に情報にアクセスできるようになりました。これは、情報へのアクセス手段を大きく変え、多くの人々に知識や情報を届けることを可能にしました。

このように、CD-ROMは、インターネットが普及する以前の時代において、大容量データの記録媒体として、ソフトウェア、音楽、書籍など、様々な分野で重要な役割を果たしました。

特徴 用途 効果
大容量 パソコンのソフトウェア配布 – フロッピーディスク複数枚組から1枚に収まる
– 配布やインストールが簡素化
音楽データの記録に適している 音楽アルバムの販売 – 音楽業界に大きな変化をもたらした
大量のテキストデータを記録可能 百科事典、辞書など – 情報へのアクセス手段を変え、多くの人に知識や情報を届けることを可能にした

記録媒体の変化とCD-ROM

記録媒体の変化とCD-ROM

情報を記録する媒体は、時代と共に大きく変化してきました。かつては、音楽を聴くにも、映像を楽しむにも、大きなレコードやビデオテープが必要でした。しかし、技術の進歩は、より小型で、大量の情報を記録できる媒体を生み出しました。
コンパクトディスク、いわゆるCDも、そうした技術革新の産物の一つです。CDは、従来のレコードに比べて遥かに小さく、扱いやすく、音質の良さも画期的でした。そして、CD-ROM(コンパクトディスク読み出し専用メモリ)の登場により、音楽だけでなく、文書やソフトウェアなど、様々なデジタルデータの記録媒体として爆発的に普及しました。
しかし、技術の進歩は止まりません。近年では、USBメモリやSDカードといった、さらに小型で大容量の記録媒体が登場し、CD-ROMの影は薄くなってきました。加えて、インターネットを介してデータを保存・共有するクラウドサービスの普及も、記録媒体のあり方を変えつつあります。
こうした新しい技術の波の中で、CD-ROMは以前ほど使われなくなりましたが、完全に姿を消したわけではありません。書き換えができないという特徴は、一度記録したデータを長期に渡って安全に保存したい場合などに向いています。そのため、現在でも、ソフトウェアの配布や、重要なデータのバックアップなどに利用されています。

時代 記録媒体 特徴
過去 レコード、ビデオテープ 大型、容量が少ない
現代 CD、CD-ROM 小型、大容量、高音質、デジタルデータ記録可能
現在 USBメモリ、SDカード、クラウドサービス さらに小型、大容量、インターネットを介した保存・共有