インターネットの基盤、Tier1とは?
ICTを知りたい
先生、「Tier1」ってなんですか?インターネットでよく見かけるんですけど、よくわかりません。
ICT研究家
「Tier1」はインターネットの繋がりにおいて、一番上の階層にいる大きな会社のことだよ。インターネット全体への道案内図を持っているようなものなんだ。
ICTを知りたい
一番上の階層ということは、他にTier2やTier3もあるんですか?
ICT研究家
その通り!Tier1はTier2やTier3よりも規模が大きくて、たくさんの情報を管理しているんだ。Tier1がいて、その下にTier2、さらにその下にTier3がいることで、世界中の人がインターネットを使えるようになっているんだよ。
Tier1とは。
「ICTの専門用語で『ティアワン』と呼ばれるものについて説明します。『ティアワン』は、インターネットを建物の階層構造に例えたときの一番上の階にあたり、インターネットの世界で最も重要な役割を担う会社を指します。『ティア』は階層という意味で、情報通信の分野では『ティアワン プロバイダー』と呼ばれることもあります。ティアワンは、インターネット上にある全ての住所情報を持っている、日本で言えばNTTコミュニケーションズのような大きな会社です。ティアワン プロバイダーは、自分たちより小さいプロバイダーを傘下に置いています。インターネットは、プロバイダーなどの大きなネットワークが階層状に繋がることで成り立っています。この階層構造の一番上に位置するのがティアワンです。インターネットに接続するためには、インターネット上にある全ての住所への行き方を知っている必要があります。ティアワン プロバイダーは、インターネット全体への接続を保証し、情報をスムーズに送るために、傘下のプロバイダーが持っている行き方情報を全て集めています。さらに、世界中のティアワン プロバイダー同士も繋がって、膨大な量の行き方情報を共有・管理しているのです。」
インターネットの階層構造
インターネットは、世界中に張り巡らされたコンピュータネットワークの巨大な集合体であり、膨大な数の機器が相互に接続されています。このネットワークは、その規模や役割に応じて階層的に構成されており、まるでピラミッドのような構造を成しています。
この階層構造は、大きく分けてTier1、Tier2、Tier3の3つの層に分類されます。Tier1は、インターネットの基幹を担う最上位のネットワーク層です。世界規模で広がるTier1ネットワーク同士が相互に接続し合うことで、国や大陸を超えたシームレスな情報伝達を可能にしています。Tier2は、Tier1よりも規模の小さい地域的なネットワーク層であり、複数のTier2ネットワークやTier3ネットワークと接続して、より広範囲に情報を伝達する役割を担います。そして、Tier3は、一般家庭や企業など、エンドユーザーに最も近い末端のネットワーク層です。Tier2ネットワークに接続することで、インターネットへのアクセスを実現しています。
このように、インターネットは階層構造を持つことによって、膨大な数の機器を効率的に接続し、世界中に情報を配信することを可能にしています。各層がそれぞれの役割を果たすことで、私たちが日々利用するウェブサイトの閲覧やメールの送受信といった、円滑なインターネットの利用が実現されているのです。
Tier1の役割と重要性
インターネットの世界は、その規模の大きさから階層構造で管理されています。この階層はTier1からTier3に分けられ、それぞれの役割を担うことで、私たちが普段何気なく利用しているインターネットが成り立っています。
Tier1は、この階層構造の頂点に位置し、インターネットの基盤を担う重要な役割を担っています。イメージとしては、世界中のあらゆる情報を網羅した巨大な地図を持っているようなものです。Tier1事業者は、この地図情報に基づき、世界中のネットワークへの接続経路を把握し、他の事業者にインターネット接続を提供しています。
Tier1事業者は、世界規模の通信網を自社で保有しており、他の事業者から回線を購入する必要がありません。そのため、非常に安定した通信品質を提供できることが特徴です。日本国内においては、NTTコミュニケーションズがこのTier1に該当し、インターネットの根幹を支えています。
Tier1の存在は、私たちが普段意識することなくインターネットを利用できる基盤となっています。世界中の情報にアクセスできるのも、Tier1が陰ながら支えているおかげと言えるでしょう。
Tier | 役割 | 特徴 | 事業者例(日本) |
---|---|---|---|
1 | インターネットの基盤 | ・世界中のネットワークへの接続経路を把握 ・他の事業者にインターネット接続を提供 |
・NTTコミュニケーションズ |
2 | Tier1からインターネット接続を購入し、より規模の小さいISPや企業に接続を提供 | – | – |
3 | Tier2からインターネット接続を購入し、一般家庭や企業にインターネット接続を提供 | – | – |
フルルートを持つTier1
インターネットの世界は、膨大な数のネットワークが複雑に絡み合って構成されています。その中でも「Tier1プロバイダー」と呼ばれる事業者は、インターネットの根幹を支える重要な役割を担っています。
Tier1プロバイダー最大の特徴は、「フルルート」と呼ばれる、インターネット上のすべての経路情報を持っている点です。これは、例えるならば、世界中のあらゆる場所に配達できる地図を唯一持っているようなものです。インターネット上には、数え切れないほどの経路が存在しますが、Tier1プロバイダーはそのすべてを把握し、最適な経路でデータを送信することができるのです。
もし、Tier1プロバイダーが存在しなかったらどうなるでしょうか。ネットワークごとに個別に接続経路を設定する必要があり、非常に複雑で非効率なものになってしまいます。しかし、フルルートを持つTier1プロバイダーが存在することで、私たちは国や地域を問わず、シームレスにインターネットに接続することができるのです。
Tier1プロバイダーは、インターネットの安定稼働に欠かせない存在であり、私たちが日々快適にインターネットを利用できるのは、彼らのおかげと言えるでしょう。
Tier1プロバイダー | 特徴 | 役割 | 重要性 |
---|---|---|---|
インターネットの根幹を支える事業者 | フルルート(インターネット上のすべての経路情報)を持つ | 世界中のあらゆる場所にデータを最適な経路で送信する | Tier1プロバイダーが存在することで、シームレスにインターネットに接続することができる |
相互接続による安定性
インターネットの世界には、非常に規模の大きく、世界中にネットワークを張り巡らせている「ティア1プロバイダ」と呼ばれる事業者が存在します。これらの事業者は、より安定したインターネット接続を提供するために、互いに協力し合っています。
ティア1プロバイダ同士は、「ピアリング」と呼ばれる仕組みで繋がっており、お互いのネットワークを経由してデータのやり取りを行っています。これは、特定の回線や機器に障害が発生した場合でも、他の経路を使って通信を継続できるようにするためです。
例えば、あるティア1プロバイダの回線に問題が発生した場合、そのプロバイダとピアリングを行っている別のプロバイダの回線を迂回してデータ通信を行うことができます。このように、複数の経路を確保することで、一部の障害がインターネット全体に影響を及ぼすことを防ぎ、安定した通信を実現しています。
ティア1プロバイダ間のピアリングは、インターネットの安定性と信頼性を維持するために非常に重要な役割を果たしており、私たちが日々快適にインターネットを利用できるのも、この仕組みがあってこそと言えるでしょう。
Tier1と他の階層の関係
インターネットの世界は、まるでピラミッドのように階層構造になっています。頂点に君臨するのが「Tier1」と呼ばれる特別な存在です。Tier1は、世界中に張り巡らされた巨大な通信ネットワークを独自に保有し、他の誰とも接続契約を結ぶことなく、インターネット全体を支えています。
Tier1の下には「Tier2」と呼ばれる事業者が位置しています。Tier2は、Tier1のように世界規模ではありませんが、複数のTier1と接続契約を結ぶことで広範囲にネットワークを展開しています。Tier2は、企業や個人に対してインターネット接続サービスを提供する役割を担っています。
さらにその下には「Tier3」が存在します。Tier3は、Tier2からインターネット接続を借り受け、より狭い範囲でサービスを提供しています。例えば、地域に密着したインターネットサービスプロバイダなどが、このTier3に該当します。
このように、Tier1を頂点とした階層構造によって、世界中の情報が行き交うインターネットは成り立っているのです。