IT業界の「ベンダー」とは?その役割と種類を解説

IT業界の「ベンダー」とは?その役割と種類を解説

ICTを知りたい

『ベンダー』ってよく聞くけど、一体どんな仕事をしているの?

ICT研究家

『ベンダー』は簡単に言うと、私たちが普段使うパソコンやソフトを売ってくれる会社のことだよ。例えば、家電量販店でパソコンを買うとき、そのお店もベンダーの一つと言えるね。

ICTを知りたい

なるほど!じゃあ、家電量販店と同じようなもの?

ICT研究家

う~ん、似ているけど少し違うかな。家電量販店は色々な会社の製品を売っているけど、ベンダーは自社で作った製品やサービスを売るのが特徴なんだ。パソコンだけを売る会社もあれば、ソフトだけを開発して売る会社もあるんだよ。

ベンダーとは。

情報通信技術の分野でよく聞く「販売業者」について説明します。「販売業者」は、企業や個人のお客様に対して、コンピューターやその関連サービスを直接販売する会社全体を指す言葉です。パソコンやサーバーなどの機械を売る会社は「機械販売業者」、様々な種類のソフトウェアを売る会社は「ソフトウェア販売業者」、既存のシステム製品を組み合わせて販売する会社は「システム販売業者」など、販売している製品によって呼び方が変わることも多いです。お客様の要望に合わせて、システムの計画・設計・開発・運用・保守を一括して引き受け、情報技術の解決策として提供する販売業者は、「システム構築業者」と区別して呼ばれます。機械、ソフトウェア、システムの種類に関わらず、開発(製造)から販売まで一貫して行う販売業者は、「開発販売業者」とも呼ばれます。開発販売業者が独自に行っている、自社製品・サービスの専門知識を持つ技術者の認定資格は、一般的に「販売業者資格」として知られています。扱う製品・サービスのメーカーが一つか複数かによって、「単一販売業者」「複数販売業者」と区別することもあります。

「ベンダー」の意味

「ベンダー」の意味

「ベンダー」という言葉を耳にしたことはありますか? 実は、私たちの身近にある家電量販店も、広い意味ではベンダーに含まれるのです。「ベンダー」とは、情報通信技術の分野において、「販売業者」を意味する言葉です。もう少し具体的に説明すると、パソコンやソフトウェア、ネットワーク機器など、様々な情報通信技術に関する製品やサービスを、企業や個人といった最終的な利用者に対して直接販売する企業のことを指します。

例えば、新しいパソコンが欲しいと思った時、家電量販店に行ったり、インターネット通販サイトで探したりすると思います。この時、私たちにパソコンを販売してくれるお店やインターネット通販サイトが、まさに「ベンダー」にあたります。

また、「ベンダー」は、パソコンやソフトウェアといった形のある製品を販売するだけでなく、インターネット回線やクラウドサービスのような、形のないサービスを提供することもあります。

このように、「ベンダー」と一言で言っても、その規模や取り扱う製品・サービスは様々です。しかし、いずれも、情報通信技術に関する製品やサービスを私たちに提供してくれる、いわば「橋渡し役」としての役割を担っている点は共通しています。

項目 説明
ベンダーとは 情報通信技術の分野における「販売業者」のこと
具体的には パソコン、ソフトウェア、ネットワーク機器などの製品やサービスを、企業や個人といった最終利用者に対して直接販売する企業
家電量販店、インターネット通販サイト、インターネット回線事業者、クラウドサービス事業者など
役割 情報通信技術に関する製品やサービスを私たちに提供してくれる「橋渡し役」

ベンダーの種類

ベンダーの種類

事業を営む上で、必要な物資を調達することは欠かせません。その際、多くの企業は自社で全てを賄うのではなく、専門的な業者から製品やサービスの提供を受けています。これらの業者を「ベンダー」と呼びます。
ベンダーは、その取り扱う商品やサービス内容によって、いくつかの種類に分類されます。 例えば、パソコンやサーバーなどの形ある製品を扱う「ハードウェアベンダー」が挙げられます。彼らは、企業の基幹システムを支える高性能なサーバーから、従業員が日常的に使用するパソコンまで、幅広い機器を取り扱っています。
一方、形のない商品を扱うベンダーも存在します。それが、業務効率化ソフトやセキュリティソフトなどを提供する「ソフトウェアベンダー」です。最近では、インターネットを通じてソフトを提供する形態も一般的になってきています。
さらに、顧客の要望に合わせて既存のシステムを組み合わせ、最適なシステムを構築して提供する「システムベンダー」もいます。彼らは、ハードウェアやソフトウェアに関する幅広い知識を有しており、顧客のニーズを的確に捉え、最適なシステムを提案します。
このように、ベンダーは多岐に渡る分野で、企業活動にとって重要な役割を担っています。

ベンダーの種類 説明
ハードウェアベンダー 形ある製品を取り扱う パソコン、サーバー
ソフトウェアベンダー 形のない商品を取り扱う 業務効率化ソフト、セキュリティソフト
システムベンダー 顧客の要望に合わせたシステムを構築して提供する 既存のハードウェアやソフトウェアを組み合わせたシステム

システムインテグレーターとの違い

システムインテグレーターとの違い

– システムインテグレーターとの違い「システムベンダー」とよく似た言葉に「システムインテグレーター(SIer)」があります。どちらも顧客にシステムを提供する役割を担う点では共通していますが、システムインテグレーターは顧客の要望を丁寧に聞き取り、システムの計画から設計、開発、導入、運用、保守までを一貫して請け負うという大きな違いがあります。

例えるなら、システムベンダーは既製の洋服を販売するお店、システムインテグレーターは顧客の要望に合わせて一から洋服を仕立てる仕立て屋のようなものです。システムベンダーは開発済みのパッケージソフトウェアなどを販売しますが、システムインテグレーターは顧客のニーズに合わせて、システムを一から作り上げます。

そのため、システムインテグレーターは顧客の業務内容を深く理解し、最適なシステムを構築する必要があります。顧客とのコミュニケーションや調整能力、プロジェクト管理能力などが求められます。一方、システムベンダーは、開発したシステムの機能や操作方法などを顧客に分かりやすく説明する能力や、技術的なサポートを提供する能力が求められます。

項目 システムベンダー システムインテグレーター
役割 既製のシステムを販売 顧客の要望に応じたシステムを一貫して構築
例え 洋服店 仕立て屋
顧客との関わり方 開発済みシステムの説明、技術サポート 業務内容の深い理解、コミュニケーション、調整、プロジェクト管理
必要とされる能力 説明能力、技術サポート能力 コミュニケーション能力、調整能力、プロジェクト管理能力

開発ベンダーとベンダー資格

開発ベンダーとベンダー資格

機械や装置、その中で動く仕組みを開発する会社の中でも、作ったものを売るところまでを全て自社で行う会社のことを「開発会社」と呼びます。
開発会社は、自社の製品に精通した技術者を育てるために、独自の試験を設けていることがあります。
この試験で得られる資格は、一般的に「会社資格」と呼ばれ、技術者の技能向上や経歴向上、会社の信頼度向上などに役立ちます。
会社資格を取得することで、技術者は製品や技術に関する深い知識と能力を証明することができます。これは、顧客や取引先からの信頼獲得に繋がり、仕事の幅を広げることにも繋がります。
また、会社にとっても、社員が会社資格を取得することは、顧客に対する技術力の証明となり、会社の信用力や競争力の向上に繋がります。
さらに、社内で統一された技術基準を設けることで、高品質な製品やサービスの提供体制を築くことができます。

項目 内容
開発会社とは 機械や装置を開発し、製造・販売までを行う会社
会社資格とは 開発会社が独自に設定する資格
会社資格を取得するメリット(技術者) – 製品・技術に関する知識・能力の証明
– 顧客・取引先からの信頼獲得
– 仕事の幅の拡大
会社資格を取得するメリット(会社) – 顧客への技術力の証明
– 会社の信用力・競争力の向上
– 高品質な製品・サービス提供体制の構築

シングルベンダーとマルチベンダー

シングルベンダーとマルチベンダー

企業が情報システムを構築する際、システム全体を一つの供給業者に依頼する方法と、複数の供給業者から調達する方法があります。前者を「シングルベンダー」、後者を「マルチベンダー」と呼び、それぞれに利点と欠点が存在します。

シングルベンダー方式の最大のメリットは、システム全体の統一性と一貫性が保たれる点です。同じ供給業者の製品やサービスで構成されるため、互換性の問題が起きにくく、導入や運用が容易になります。また、窓口が一つなので、問い合わせやトラブル対応もスムーズに行えます。しかし、供給業者が限定されるため、選択肢が狭まり、価格競争が起こりにくくなる点がデメリットとして挙げられます。

一方、マルチベンダー方式は、複数の供給業者から最適な製品やサービスを選べるため、システムの柔軟性や拡張性が高まります。特定の供給業者に縛られないため、価格交渉や供給業者変更がしやすい点もメリットです。しかし、異なる供給業者の製品やサービスを組み合わせるため、互換性の問題が発生する可能性があります。また、複数の供給業者との調整が必要となるため、導入や運用が複雑になり、管理コストが増加する可能性も考慮しなければなりません。

項目 シングルベンダー マルチベンダー
メリット – システム全体の統一性と一貫性が保たれる
– 導入や運用が容易
– 窓口が一つなので、問い合わせやトラブル対応がスムーズ
– システムの柔軟性や拡張性が高い
– 価格交渉や供給業者変更がしやすい
デメリット – 選択肢が狭まり、価格競争が起こりにくい – 互換性の問題が発生する可能性がある
– 導入や運用が複雑になり、管理コストが増加する可能性がある