フローチャート:プログラムの設計図
ICTを知りたい
先生、「フローチャート」って、コンピュータのプログラムを作る時だけに使われるものなんですか?
ICT研究家
いい質問だね!フローチャートは、プログラムを作る時によく使われるけど、それだけじゃないんだ。何かを順番に説明したり、仕事のやり方を整理したりする時にも役立つんだよ。
ICTを知りたい
そうなんですね!例えば、どんな時に使えるんですか?
ICT研究家
例えば、毎朝の支度の流れをフローチャートにすると分かりやすいよ。起きたら顔を洗って、ご飯を食べて、歯を磨いて…というように、順番に図形と矢印で表せるね。
フローチャートとは。
「情報通信技術に関連してよく使われる言葉に『流れ図』というものがあります。これは、仕事の流れや処理の手順を、一つ一つの段階ごとに図を使って分かりやすく表したものです。主に、コンピューターのプログラムを作る際に使われます。プログラムの設計や、計算の手順などを図にすることで、理解しやすくなるようにします。それぞれの処理は長方形、条件によって処理が分かれる場合はひし形、データの入力や出力は平行四辺形で表します。そして、処理の流れは矢印で示します。これらの記号は、日本の工業規格(JIS規格)で定められています。」
分かりやすい処理の流れ
– 分かりやすい処理の流れ
何か複雑な作業をするとき、手順を整理することは非常に重要です。手順が整理されていないと、どこから手をつければ良いのか分からなくなったり、作業が途中で滞ってしまうことがあります。このような問題を解決するために役立つのが「流れ図」です。
流れ図は、複雑な処理の手順を視覚的に表現する、言わば道案内図のようなものです。旅行の際に地図があると目的地までの経路がひと目でわかるように、流れ図を用いることで、処理の開始から終了までが記号と矢印で明確に示され、誰でも理解しやすい流れを把握することができます。
流れ図は、プログラミングやシステム開発の現場だけでなく、工場の製造ラインや事務処理の手順など、様々な場面で活用されています。その理由は、図を用いることで直感的に理解しやすくなるため、専門知識がない人でも容易に内容を把握できるからです。また、流れ図を作成することで、処理の抜け漏れや重複、非効率な部分を発見しやすくなるという利点もあります。
メリット | 説明 | 具体例 |
---|---|---|
手順の整理 | 複雑な作業を手順ごとに分解し、視覚的に整理できる | – |
理解の促進 | 視覚的な表現により、誰でも理解しやすい流れを把握できる | 道案内図、旅行の地図 |
抜け漏れや重複の防止 | 処理の全体像を把握することで、抜け漏れや重複を発見しやすくなる | – |
非効率な部分の改善 | 処理の流れを可視化することで、非効率な部分を見つけ、改善しやすくなる | – |
コミュニケーションの円滑化 | 関係者間で共通の認識を持ち、スムーズな情報共有や意思疎通が可能になる | – |
プログラム作成の強い味方
コンピュータプログラムは、様々な処理を順序立てて組み合わせることで、目的の動作を実現します。この処理手順を設計する際、「フローチャート」という図解を用いることが有効です。フローチャートは、プログラムの動作を視覚的に表現するもので、処理の流れや分岐、繰り返しなどを記号で明確化します。
フローチャートを用いるメリットは、プログラムの構造を理解しやすくなる点にあります。処理の順序や条件分岐、繰り返しの構造などが図解されることで、プログラマーはプログラム全体の動作を容易に把握できます。これは、複雑なプログラムを設計する際や、複数人で開発を行う際に特に役立ちます。
また、フローチャートは、プログラミングの効率と正確性の向上にも貢献します。プログラムの設計段階で処理の流れを明確化しておくことで、プログラミング作業がスムーズに進み、ミスを減らすことができます。さらに、フローチャートはプログラムの動作確認や修正にも役立ちます。処理の流れを視覚的に確認することで、エラーの原因を特定しやすくなるからです。
このように、フローチャートは、プログラム作成において強力な味方となります。プログラムの設計、開発、保守の各段階で、その有効性を発揮するツールと言えるでしょう。
記号で表現する処理の内容
プログラムの構造や処理の流れを視覚的に表現する際に用いられるフローチャートでは、処理の内容に応じて異なる記号が使われます。この記号化により、誰でもひと目で処理の内容を理解することができます。
例えば、プログラムの中で計算やデータの代入といった処理を行うステップは、長方形の記号で表現されます。もし、処理の途中で条件によって異なる処理を行う場合には、ひし形の記号を用いて分岐点を示します。データの入力や出力を行う際には、平行四辺形の記号が用いられます。
このように、フローチャートで用いられる記号は、JIS規格によってその意味が厳密に定められています。そのため、プログラマー同士がフローチャートを用いてコミュニケーションを取る際にも、誤解が生じることなくスムーズに情報伝達を行うことができます。これは、プログラム開発の効率化や品質向上に大きく貢献するものです。
記号 | 意味 | 説明 |
---|---|---|
長方形 | 処理 | 計算やデータの代入といった処理を行うステップを表します。 |
ひし形 | 分岐 | 条件によって異なる処理を行う場合の分岐点を示します。 |
平行四辺形 | 入出力 | データの入力や出力を行うステップを表します。 |
矢印で繋ぐ処理の順序
– 矢印で繋ぐ処理の順序
複雑な処理を分かりやすく示すために、それぞれの作業を矢印で繋いで表現する手法があります。これは、まるで道案内のように、各作業を順番に辿っていくことで、全体の流れを理解しやすくするものです。
基本的には、上から下、あるいは左から右へと矢印が配置され、処理が進む方向を示します。これは、私たちが文章を読むときの方向と一致しているため、直感的に理解しやすいという利点があります。
しかし、場合によっては、処理が戻る場合や繰り返される場合もあります。このような場合には、下から上へ、あるいは右から左へと向かう矢印や、元の場所に戻るループ状の矢印を用いることで、複雑な処理の流れも表現することができます。
このように、矢印を用いることで、処理の順序を一目瞭然に示すことができます。これは、処理内容を理解するだけでなく、手順の確認や、問題発生時の原因究明など、様々な場面で役立ちます。
誰でも理解できる共通言語
異なる立場の人々が集まる開発現場では、お互いの考えを正確に伝え合うことが重要です。しかし、専門知識や経験の差から、言葉だけでは意図がうまく伝わらないことも少なくありません。そのような時に役立つのが、フローチャートです。
フローチャートは、図形と矢印を組み合わせることで、プログラムの処理手順を視覚的に表現します。文章だけでは伝わりにくい複雑な処理も、フローチャートで表すことで、誰にでも理解しやすい形になります。
このため、フローチャートは、プログラミングの専門知識がない人でも、処理の流れを理解するのに役立ちます。例えば、開発者と顧客の間で、システムの動作について打ち合わせをする際、フローチャートを用いることで、顧客は開発者の意図を正確に理解することができます。また、開発者同士がプログラムの仕様について議論する場合にも、フローチャートは共通認識を持つためのツールとして役立ちます。
このように、フローチャートは、開発現場における円滑なコミュニケーションを促進する、誰でも理解できる共通言語と言えるでしょう。
フローチャートの利点 | 効果 | 場面 |
---|---|---|
図形と矢印で視覚的に表現 | 誰でも理解しやすい | – 専門知識や経験の差を埋める – プログラミング未経験者への説明 |
複雑な処理を分かりやすく表現 | 正確な情報伝達が可能 | – 開発者と顧客の打ち合わせ – 開発者同士の議論 |
共通認識を持つためのツール | 円滑なコミュニケーション促進 | – 開発現場における共通言語 |